悪戦苦闘はどんな意味?語源や類義語、使い方まで徹底解説

悪戦苦闘には2つの意味がある

先輩

部長、どうしたんですか?顔色が悪いみたいですけど?
いやぁ、新しく導入されたインターネットのツールがどうも苦手でねぇ。

上司

先輩

誰でも最初は悪戦苦闘するものですよ。慣れれば簡単ですから!

スポーツやさまざまな競技の模様を表す場合に加え、日常やビジネスシーンでも使われる悪戦苦闘という言葉。実はこの言葉には、2つの意味があることを知っていますか?

悪戦苦闘とは『苦境を乗り越えるために非常な努力をすること』

悪戦苦闘という言葉がもつ2つの意味のうち、1つ目に挙げられるのは『苦境を乗り越えるために非常な努力をすること』です。

これは、困難な状況に置かれている中でも、状況を打開しようと必死にもがき苦しみながら奮闘している様子を表しています。自分の能力やスキルを超えるほどの困難な状況や物事に対して立ち向かっている様子を示す言葉です。次のような表現例が考えられます。

    初めての育児には誰でも悪戦苦闘する
    新しい業務ツールに慣れるまで悪戦苦闘した

どちらも、慣れない困難な状況に対して必死に奮闘する様子が思い浮かべられます。

悪戦苦闘とは『不利な状況で強敵に苦戦すること』

2つ目の意味は『不利な状況で強敵に苦戦すること』です。

これは、自分よりも強い相手や能力などが勝る敵などと対峙し、厳しい戦いを強いられていることを意味します。
次のような表現例が考えられます。

    戦国時代には数々の悪戦苦闘が各地で繰り広げられた。
    県内でも有数の強豪チームに悪戦苦闘した。

この場合、どちらも実際に戦う敵や相手が明確なことが特徴的です。

このように、悪戦苦闘の意味は、困難な状況にもがき苦しみながら努力する、または、相手や敵と戦う、という大きく2つのニュアンスにわかれています。

悪戦苦闘の意味をチェック

悪戦苦闘は、以下2つの意味合いをもつ言葉であることをご紹介しました。

苦境を乗り越えるために非常な努力をすること
不利な状況で強敵に苦戦すること

ここからは、さらに角度を変えて、悪戦苦闘の理解を深めていきましょう。

悪戦苦闘の語源について

悪戦苦闘はどのような語源から成り立つ言葉なのでしょうか。

悪戦苦闘という言葉の中で使われる「悪」という文字は、悪い、邪悪なという意味合いではなく、嫌になるほど手ごわいという意味で使われています。

そのためここでいう「悪戦」とは、嫌になるほど手ごわい相手との戦い、という意味をもつのです。そこから転じて、非常にやっかいな状況や難しい作業、片づけることが困難なほどの大量な仕事などを意味しています。

「苦闘」は使われている漢字のとおり、苦しい戦いをすることを意味する言葉です。勝つことが容易ではない、終わらせることが難しい困難な仕事などを表しています。

この悪戦と苦闘の意味が重なった言葉が悪戦苦闘であり「苦境を乗り越えるために非常な努力をすること」、「不利な状況で強敵に苦戦すること」という意味になったのです。

悪戦苦闘の対義語

悪戦苦闘の対義語として、「善戦健闘」が挙げられます。

善戦健闘とは、持っている力を全て出し切って立派に戦うことを意味します。負けはしたが善戦健闘していた、などと、主に敗者に対してその立派な戦いの内容や奮闘を称える場合に使われることが多い言葉です。

場面や状況に応じて、悪戦苦闘の対義語である善戦健闘も適切に使えるように、意味を理解しましょう。

悪戦苦闘の英語表記

飛躍を英語で表記する場合、複数の表現が考えられ、以下の単語を用いて表現します。

    『struggle hard』
    『fight desperately』

『struggle』は苦労しながら闘うという意味をもつ単語です。
『fight desperately』は必死になって、死に物狂いで、驚くほど、ぞっとするほどといった意味を持ちます。

ではこれらを使った例文をみてみましょう。

例文

◾️I am in the middle of a hard struggle.
 悪戦苦闘の真っ最中です。

◾️There were any hard struggle between equally matched team.
 2つの同じくらいの実力を持ったチーム同士の悪戦苦闘の戦いがあった。

◾️To fight desperately against someone will make you more stronger.
 誰かと悪戦苦闘することであなたはさらに強くなるでしょう。

このように、2種類の英語を覚えることで、悪戦苦闘を表現することが可能です。ビジネス上でこのような英単語が登場した際に、日本語の四字熟語に頭の中で変換されれば、翻訳力を高く評価される可能性もあります。例文をもとに、この機会にぜひ覚えてみましょう。

悪戦苦闘と千辛万苦の違い

悪戦苦闘の類義語として、せんしんばんくと読む「千辛万苦」が挙げられます。

千辛万苦とは、さまざまな多くの苦労や困難を経験することや、とてつもない量の苦しみや辛さを示す言葉です。使われている漢字からもわかるように、辛さや苦しさが、千も万も大量にあるという意味を表します。

では、悪戦苦闘とはどういう違いがあるのでしょう。

悪戦苦闘は、困難な状況に対して努力している様子を示す言葉です。
一方で、千辛万苦は、沢山の辛さや苦しみがあることのみを示します。

たとえば、悪戦苦闘の末に勝利をおさめた、という場合は、苦しい戦いながらも必死に努力した結果、勝ちを手に入れたという意味です。

「千辛万苦の末に勝利をおさめた」という場合は、とにかく沢山の苦しさと辛さを経験した先に勝利をものにした、という意味合いになります。
また、悪戦苦闘は、困難で苦しい状況は1つの場合で使える言葉ですが、千辛万苦は、沢山の辛く苦しい経験を重ねている場合に使う言葉です。

似ているようで異なる、2つの言葉のニュアンスをしっかり理解して正しく使えるようになりましょう。

悪戦苦闘の使い方・例文

それでは、悪戦苦闘の例文を見てみましょう。

例文1

先輩

部長、彼がまたミスをやらかしてしまいました。
もう彼への指導には悪戦苦闘しっぱなしだなぁ。

上司

例文2

新人

部長、先輩が海外へ赴任することになったって本当ですか?
あぁ本当だよ。彼女はこれから世界の舞台で、悪戦苦闘しながらもさらに成長を遂げていくだろう。

上司

このように、悪戦苦闘という言葉は、辛く苦しい努力が続く様子を表すネガティブな場合もあれば、その結果何かを得るなどとポジティブに使われる場合もあります。状況や場面に応じて最適な箇所で表現ができるよう心がけましょう。

悪戦苦闘の深い意味を理解して上手に使おう

悪戦苦闘という単語は、日常でもビジネスシーンにおいてもよく使われる言葉です。2つの意味や、千辛万苦という類義語とのニュアンスの違い、さらに、英語での言い回しなどもしっかり理解して上手に使えるようになりましょう。

ぜひ、この記事を参考に、正しくスムーズに会話に取り入れてみてください。