ビジネスでも使う『僭越ながら』の意味とは?『恐縮ですが』との違い、類語、英語も紹介

『僭越ながら』とは『立場を越え出過ぎたことをしますが』という意味

新人

僭越ながら本日の会議は私が進めさせていただきます。
発想力豊でかなり優秀な新人が入社したって聞いてたけど、君かな?

上司

新人

優秀だなんてとんでもない!一年目からこのような重要な仕事をさせてもらえて光栄です!

『僭越ながら』の読み方は『せんえつながら』です。文章で書いているものを見るより、挨拶の冒頭などで耳にすることが多い言葉だと思います。

しかし、なんとなく謙遜した意味だとはイメージできるものの、正しく使えていると自信をもって言える人は少ないのではないでしょうか。ここでは、本来の意味を確認するとともに、会話の中での使い方、類語、英語表現についてもわかりやすく解説します。

『僭越ながら』の意味

『僭越(せんえつ)』とは、『自分の立場や地位を越え、出過ぎたことをすること』という意味の言葉です。

『~ながら』は、『~にもかかわらず』『~ではあるが』など、二つの異なった意味の言葉を接続したり、『~のとおり』『~とも』『~しつつ』など、同時に行う二つのことを接続したりといった使い方をします。

そして今回の場合は、どちらかといえば、前者の意味合いで、「本来はやるべきでないと思いますがやりますね」といったニュアンスで『ながら』が使われています。

つまり、『僭越』+『ながら』で、『自分の立場や地位を越え、出過ぎたことをしますが』という意味になるわけです。

『僭越ながら』の漢字

口に出して言う場面が多い言葉なので、漢字があることさえ知らなかったという人もいますよね?そこで、ここでは『僭越』の漢字をチェックしておきましょう。

『僭越ながら』の使い方・例文

『僭越ながら』は、自分をへりくだった表現で、会話や文章中ではこのように使います。

例文

僭越ながら部長代理を務めることになりました。
■Aさんが進めてきた案件ですが、海外転勤が決まったため、僭越ながら私が引き継がせていただきます。
僭越ながら、考えられる問題点を申し上げます。

また、『立場を越え出過ぎたことをしますが』の意味としては、『僭越ながら』のほかに『~ですが』『~ではございますが』といった言い方もできます。

『僭越ながら』の類語・言い換え表現

『僭越ながら』は、次の言葉への言い換えが可能です。

『僭越ながら』の類語・言い換え表現

・恐れながら
・失礼ですが
・出過ぎたことを申しますが
・出過ぎた真似をいたしますが
・失礼を承知で申し上げますが

『恐縮ですが』とは意味が違う?

『恐縮(きょうしゅく)』は、『その身が縮こまるほど恐れ入る』の意味の言葉で、相手に対し「迷惑をかけてしまい申し訳ございません」といったニュアンスで使います。

『僭越ながら』は「立場を越え出過ぎたことをしますが…」、『恐縮ですが』は「迷惑をかけて申し訳ございませんが…」です。どちらも「申し訳ございません」の意味合いで使われることが多いですが、厳密には表現するべき心境は異なるので覚えておきましょう。

『僭越ながら』の英語表現

英語圏では、日本のように自分を謙遜したり、へりくだったりするといった習慣がないため、『僭越ながら』をその意味のまま表現する英語はありません。

しかし代わりに、「失礼なことを言うつもりはないのですが…」を意味する『I don’t mean to be rude』という英文が存在します。

失礼なことを言うつもりはないのですが、〇〇
I don’t mean to be, but 〇〇

このように、『but』のあとに、言いたいことを付け加える形です。

『僭越ながら』は「申し訳ございません」ではない

『恐縮ですが』と同様の意味で『僭越ながら』を使う人もいます。どちらも『申し訳ない』という心境をもって発する言葉ではありますが、『立場を越え出過ぎたことをしますが』が含まれているか、いないかの違いがあります

会話や文面で使う場合は、どういった意味で伝えるのかを明確にし、しっかり区別して使うようにしてください。