「ご指導ご鞭撻のほど」は誰に対して使える言葉?
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「ご指導ご鞭撻のほど」は、上司や取引先を相手にするビジネスシーンで使える敬語表現です。
入社式やビジネスメールでの締めの文章、結婚式の謝辞の中で用いられる機会が多いため、社会人であるみなさんはマナーとして使い方をマスターしておきたい言葉です。
「ご指導ご鞭撻のほど」の表現が硬いと感じられる場合は、別の言葉に言い換えるなどし、相手に合わせて使い分けるのも効果的です。
・お導きのほど
・ご支援のほど
・ご教示/ご教授のほど
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「ご指導ご鞭撻」とは?会話やメールでの使い方・例文・言い換え・英語表現を解説
「ご指導ご鞭撻のほど」の意味
「ご指導ご鞭撻のほど」とは、接頭語の「ご」を用いた目上の人や上司に対して教えを乞う際に使う言葉です。「ご指導」と「ご鞭撻」には、それぞれの言葉に以下のような意味があります。
「ご鞭撻」・・・ 厳しくも励ますこと
それぞれが単独で成り立ちますが、2つをセットにして「厳しく教えながらも励まし導く」という意味として使える言葉です。
「ご指導ご鞭撻のほど」の使い方
目上の人に教えを乞う表現として使用できる「ご指導ご鞭撻のほど」ですが、教えを乞う以外の別の意味としてもビジネスシーンでは使われています。「ご指導ご鞭撻のほど」のさまざまな使い方を確認していきましょう。
教えを乞う以外に締めの文章としても使われる
目上の人や上司、取引先に対して「ご指導ご鞭撻のほど」を使って文章を作る場合、「今後ともよろしくお願いします」的な意味合いとしてビジネスメールの締めの文章としてもよく用いられます。
実際に教えを乞う機会がなくとも、社交辞令として使われることが多い表現といえます。
メールや挨拶に最適!ご指導ご鞭撻のほどを使用した例文
教えを乞う言葉でもあり、現在の関係性を保ちたいと願う気持ちを伝えるときに「ご指導ご鞭撻のほど」を用いることができます。
実際のビジネスシーンで「ご指導ご鞭撻のほど」を使用するケースを例文でチェックしていきましょう。
ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます
「ご指導ご鞭撻」を使う際の基本形となる文章です。社内・社外での挨拶やメールなどのビジネスシーンはもちろん、年始の挨拶や結婚式での謝辞などさまざまなシーンで使える無難な使い方です。例文を参考に使い方を確認してください。
⇒「よろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」
⇒「諸先輩方々、今後ともよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」
⇒「どうぞご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」
⇒「どうかこの先も、皆様の暖かいご指導ご鞭撻のほど(末永く)お願い申し上げます。」
このようにあらゆるシチュエーションで使いまわすことが可能な便利な言葉です。
ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします
「よろしく」の前に「何卒」をつけることで、より強調したお願いを表現します。「何卒(なにとぞ)」とは、相手に対して強く願い望む気持ちを表す言葉で、「どうか」の改まった言い方です。
先述の使用例に「何卒」をつけた言い回しもできますが、改まっていう言葉なので前後に丁寧な言葉を付け加えた言い方がベターです。例文を参考に使い方を確認してください。
⇒「本年同様に、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。」
⇒「若輩の身ではありますが、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。」
⇒「今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。」
⇒「ご指導ご鞭撻のほど賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。」
フォーマルな場以外では丁寧すぎると硬いイメージを与えてしまうため、場の雰囲気や相手との関係性を考えてシンプルに整えた方が良いケースもあります。
「ご指導ご鞭撻のほど」の間違った例
「ご指導ご鞭撻のほど」は、間違って使っている場合があります。例文とあわせて見ていきましょう。
相手に意見を求める場合は、「ご指導ご鞭撻のほど」より、「ご指摘」の方があっています。
「ご指導ご鞭撻」は、「今後ともよろしくお願いします」という意味あいをもちます。そのため過去形にするのは違和感があります。「ご指導いただき」と表現を変えて使いましょう。
「ご指導ご鞭撻のほど」の類語(言い換え表現)
「ご指導ご鞭撻のほど」は「教えを乞う」と「今後ともよろしく」の2つの意味を持つ言葉です。相手を敬った敬語表現としてとても丁寧な言い方ですが、場合によっては相手に硬いイメージを与えて逆効果になってしまうことも考えられます。
そういったケースを避けるためには、別の言い換え表現を使って工夫しましょう。すぐに使える「ご指導ご鞭撻のほど」の類語をご紹介します。
「ご指南のほど」
「ご指南」とは、教え導く「指導」と同じ意味の言葉です。
同じ教える意味でも指南は主に「武芸や芸事」に関して使われる言葉です。剣術や武術などの教えを乞う際にはこちらの言葉が使われます。
「お導きのほど」
こちらも先述の「指導」「指南」と同じ「教え導く」という意味の言葉です。「教える」という言葉ひとつをとっても、「ご指南」や「ご指導」に言い換えることができ、「教える」や「導く」の意味を持つ単語はこのようにさまざまな表現で応用することができます。
これらの言葉は相手との関係性やシチュエーションに合わせて使い分けるのがベストです。
「ご支援のほど」
「ご支援のほど」は「お力添えをお願いします」と相手にへりくだって表現した言葉です。ビジネスパートナーや顧客に対して良好な関係を続けたい旨を伝える際にも使うことができます。
結婚式では新郎新婦の両親がご列席の方々に「未熟な新郎新婦への支援をお願いする」言葉としても用いられます。
「ご教示/ご教授のほど」
「ご教示」とは「方法や答えを教え示す」ことを意味し、「ご教授」とは「知識や技術を教え授ける」意味の言葉です。教えを乞うという意味では同義ですが、一般的な内容と専門的な技術とで分け方が異なるため、言い換える際には気をつけましょう。
⇒「何卒ご教示のほどよろしくお願いいたします。」
⇒「何卒ご教授のほどよろしくお願いいたします。」
この2つは、区別分けが難しくて誤用も多い言葉です。正しく使い分けることが一線で活躍するビジネスパーソンには求められます。
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「ご教授ください」は「ご教示ください」の誤用?意味・例文・類語・英語表現を解説
「ご指導ご鞭撻のほど(御指導ご鞭撻の程)」を英語で表現すると?
Your guidance and encouragement
と表現できます。
シチュエーションに合わせた使用例を確認しましょう。
ビジネスメールでの使用例はこちら!↓↓
⇒「よろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」
結婚式でおこなう謝辞の使用例はこちら!↓↓
⇒「ご指導ご鞭撻のほど賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。」
社内で新入社員が挨拶する際の使用例はこちら!↓↓
⇒「諸先輩方々、今後ともよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」
目上の人や上司に対する使用例はこちら!↓↓
⇒「今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。」
さまざまな用途で使える「ご指導ご鞭撻のほど」をマスターしよう!
上司や先輩などの目上の人たちへ教えを乞う場面やビジネスメールでの締めの文章、結婚式の謝辞など、社会人になれば使用頻度も増え、さまざまな用途で使われる「ご指導ご鞭撻のほど」。使う機会が少なかった人こそ今のうちに使い方をマスターしておく必要があります。
「ご指導ご鞭撻のほど」を使いこなし、ビジネスパーソンとして活躍してくださいね!