『ぼんくら』とは『ぼんやりして見通しがきかない』という意味
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上の会話の新人くんは、『ぼんくら』を『能力がない』『できない人』といった意味で使っています。多くの人が同じイメージをもっているのではないでしょうか?
しかし、本来は『ぼんやりして見通しが悪い』といった意味なんです。ここでは言葉の由来や意味のほか、使い方、類語英語についてもわかりやすく紹介します。
『ぼんくら』の語源
時代劇などで、お椀のような筒の中にサイコロを2個入れ、「丁」「半」と言い当てる賭博がありますよね?この賭博名を『丁半博打』や『丁半』といい、『丁』は偶数の目、『半』は奇数の目を指します。この賭博を行う際、サイコロを置いたり、掛け金を置いたりする台座が『盆(ぼん)』です。
そして、この『丁半博打』には、サイコロの目を読むのが上手な人と、読みの悪い人がいます。
その中でも読みの悪い人に対し、『盆が暗くてよく見えていない」という意味を込め、『盆暗(ぼんくら)』と呼ぶようになりました。つまり、現代では『ぼんくら』や『ボンクラ』と表現しますが、もともとは漢字で『盆暗』なんです。
『ぼんくら』の意味
『盆暗』という言葉が生まれた当時は、『丁半博打』が下手な人、能力がない人を指す言葉でした。しかしその後、賭博以外においても『ぼんやりしていてぼんやりして見通しがきかないさま。もしくはそのような人』と指すようになりました。
そこからさらに派生し、現代では主にこんな意味で使われています。
■能力がない
■要領が悪い
■頭の回転が良くない
■先を読むのが下手
上司
『ぼんくら』の使い方・例文
基本的に、『ぼんくら』は「能力がない」「読みが下手」といったニュアンスで使います。それでは実際に例文でチェックしてみましょう。
・入社当時からぼんくらと馬鹿にしていた同僚が課長になっているのはとても複雑な心境だ。
・昔からぼんくらと言われ続けていたことが悔しくて、みんなを見返してやろうと猛勉強をした。
『ぼんくら』の類語
『ぼんくら』の類語としては、次の言葉があげられます。
・脳無し
・無能
・のろま
・愚か者
・愚人(ぐにん)
・木偶の坊(でくのぼう) など
なお、『愚人』は『ばかな人』、『木偶の坊』には『あやつり人形のように役に立たない/気が利かない人』という意味があります。『ぼんくら』の類語ではあってもニュアンスは多少異なるので、これを機に一緒に覚えておきましょう。
『ぼんくら』の英語表現
『ぼんくら』を英語で表現する場合、次の単語を使います。
【imbecile=低能な、大馬鹿な】
・Treat someone like an imbecile(~を大馬鹿者のように扱う)
【moron=脳なし、馬鹿、まぬけ】
・Clueless moron(何もわかっていないまぬけ)
【idiot=雑魚(ざこ)、間抜け、あほ】
・Idiot with no common sense(常識のない馬鹿者)
『ぼんくら』は本来の意味を理解して使おう
現代では『馬鹿』『まぬけ』といった意味で使う場面も多いでしょう。しかし、『ぼんくら』は、本来は『能力がない』の意味あいが強い言葉です。これからは、語源や本来の意味をしっかり理解したうえで、正しく使っていけるようにしてください。