粉骨砕身とはどんな言葉?
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上司
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粉骨砕身は、文字通りに読めば骨を粉にし身体を砕くという意味ですが、重症の怪我人を表す言葉ではありません。
粉骨砕身は、ビジネスで用いられる四字熟語です。意味を勘違いしていると話についていけなくなりますよ。
粉骨砕身について学び、社会人にふさわしい国語力を身につけましょう。
粉骨砕身の意味とは「全力で努力すること」
粉骨砕身は、主にやる気を売り込むときに使用する語句です。
次のような意味になります。
粉骨砕身は、身体をぼろぼろにしてでも頑張るという強いニュアンスをもつ言葉。
自分の意志表明に用いるのが一般的で、他人に要求する文脈で使うのには向きません。自己犠牲を強制していると受け取られる恐れがあるので注意しましょう。
粉骨砕身の読み方は「ふんこつさいしん」
粉骨砕身の読み方は「ふんこつさいしん」です。
粉骨砕身を「紛骨砕身」や「粉骨細心」や「粉骨砕心」と書いている人もいますが、これは誤り。
また、粉骨砕身は「砕身粉骨(さいしんふんこつ)」や「砕骨粉身(さいこつふんしん)」と表記される場合もあります。
こちらは正しい言葉です。意味は粉骨砕身と同じなので、あわせて覚えてしまいましょう。
粉骨砕身の語源・由来
粉骨砕身は中国の古い書物に登場する言葉です。
粉骨砕身の由来ではないかと考えられているのは、禅僧が記したといわれる「禅林類纂(ぜんりんるいさん)」や「証道歌(しょうどうか)」。
恋愛小説の名作とされる「霍小玉(かくしょうぎょく)伝」の3冊になります。
仏教系の粉骨砕身
「禅林類纂」と「証道歌」の粉骨砕身は「骨を粉にし身を砕くほど尽力しても御仏に報いるには足りない」という文脈で使用されます。
仏教系の粉骨砕身は、日本語の粉骨砕身と同じ意味の言葉ですね。
「霍小玉」の粉骨砕身
「霍小玉」の粉骨砕身は少々毛色が違います。
男性が恋仲の女性に「骨が粉になり身が砕かれたとしても、あなたを見捨てたりするものか」といった内容の表現に粉骨砕身が登場。文字通り、身体が砕かれるという意味合いで使われています。
3冊のうち、どれが一番古いのかはわかっていません。
言葉として成立した当初の意味は定かではないですが、言葉の使われ方から考えると、仏教の教えを経由して日本語の粉骨砕身になったといえそうですね。
粉骨砕身の使い方・例文
粉骨砕身は、心身を惜しまず一生懸命に働く意気込みをアピールできます。ビジネスでは使いやすい言葉ですね。
しかし、自己犠牲のイメージもあるため、ネガティブに受け取られてしまう恐れがあります。相手や状況を見極めて使用するようにしましょう。
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粉骨砕身の類語は全身全霊
粉骨砕身の類語は全身全霊です。全身全霊の意味は「体力と精神力のすべて」。
「全身全霊で打ち込む」などのように、体力と精神力のすべてを注いで何かをするというニュアンスで使うのが一般的です。
文字から意味を推測しやすく、相手にニュアンスが伝わらないという事態が起こりにくいため、粉骨砕身の言い換えには最適な言葉になります。
粉骨砕身の英語表現
粉骨砕身を英語で表現するときには「making one’s best exertions」といえばOK。
単語の確認をしましょう。
making:をする
one’s best:全身全霊
exertions:努力
「making one’s best exertions」で「全身全霊の努力をする」という意味になります。
粉骨砕身の思いで仕事にぶつかろう!
新人のうちは、毎日の業務をこなすだけで精一杯かもしれませんね。
でも、流されるまま作業を進めているだけだと、なかなか仕事を覚えられませんよ。一つひとつの工程に粉骨砕身の思いを傾け、集中してください。
先輩たちが、どのように仕事に取り組んでいるか粉骨砕身して観察し、マネしてみましょう。
粉骨砕身を言葉として使えるようになるだけでなく、実践できるビジネスマンを目指したいですね。