輪番制とは『順番に役目を持ち回るルール』
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輪番制という言葉、知っていましたか?ビジネスシーンよりも町内会や学校のPTAでよく使われています。ビジネスではどんな場面で使われるのでしょうか?意味はもちろんその実態についても解説していきます。
輪番制の意味をチェック
輪番制とは『順番に役目を持ち回るルール』のことです。この輪番制のポイントは最終的には全員に回る公平なシステムであること。この特徴を把握しておくことが重要です。
輪番制はどんなときに使われるのか
輪番制はさまざまな場面で使われています。東日本大震災後に活用された例がたくさんあり、覚えている方もいるのではないでしょうか。
夏場の電力供給が需要を下回る可能性があったため、複数の企業が協力しあって工場の稼働を輪番制で決めたのです。順番に稼働する工場と休止する工場を決めてローテーション化し、夏場の電力の使用量を減らしました。工場の稼働で使われた輪番制は「輪番操業」と呼ばれています。
海外の大手通信企業ではCEOの輪番制が実施された例が有名です。1人のリーダーが長期的にトップに立つよりも複数の人間が持ち回りでリーダーを担当するほうがさまざまな変化にも柔軟に対応できるのではないか。そんな仮説からの導入です。
このCEOの輪番制は実験的な試みで、最終的な結論はでていません。しかし組織を運営する上で、輪番制が1つの可能性の提起となったことは間違いありません。
輪番制のメリット
輪番制のメリットについてくわしくみていきましょう。考えられるメリットは大きくわけて次の3つです。
1.公平性が保たれる
順番に全員が持ち回りで担当するのですから、これはきわめて公平なシステムといえます。もちろん順番はあるので厳密にいうと完全な公平でありません。しかし少なくても全員が公平であると納得できるシステムではあるでしょう。
2.負担が一部の人間に集中しない
投票制や立候補制だと、一部の人間に役回りが集中してしまうことが多々あります。半永久的に当番をやり続けるケースは町内会人事ではよく聞く話です。輪番制にすると、負担も分散されます。
3.全員の共通認識が生まれる
輪番制にすると、最終的に必ず全員が決められた役割を果たすことになります。担当者にしかわからない難しさ、悩みも全員で共有することが可能になるわけで、これは大きなメリットといっていいでしょう。
輪番制のデメリット
輪番制のデメリットはなんでしょうか? 大きく分けて2つ考えられます。
1.役回りを果たす能力のない人間が担当になることもある
輪番制が有効となるのは、そのシステムに参加している全員がその役回りを果たす能力があるという前提があるときのみ。その役回りを果たす能力がない、もしくはやる気がない人間が担当になってしまったら、輪番制は機能しなくなります。事前に確認しておくことが必要でしょう。
2.役回りを果たす余力のない人間が担当になることもある
輪番制というシステム自体は公平でも、人によって事情が違うため、大きな負担になってしまう場合もあります。たとえば、育児、介護などを抱えながら仕事をしている人に対して、機械的に輪番制で役割を割り振るのは避けるべきでしょう。個人的な事情を加味するなど、柔軟な対応が不可欠です。
輪番制の英語は『rotation system』
輪番制は英語で『rotation system』です。rotationは循環、回転、交代、輪番などの意味があり、systemはそのままシステム、組織、制度、機構、体系などの意味があります。
『rotation system』を使った英文を紹介しましょう。
農作物の輪番制を確立することは重要だ。
彼が輪番制を確立した。
輪番制と当番制の違い
当番制は輪番制よりも有名な言葉でしょう。子どものころから給食当番などでなじみのある言葉ではないでしょうか。輪番制と当番制とはどう違うのでしょうか?
輪番制が順番に役目を持ち回るルールのことを意味しているのに対して、当番制は役目を引き受けることそのものをさしています。掃除当番、給食当番などを全員で順番に担当するのであれば、輪番制になります。つまり輪番制とはルール、システムで、当番制とは誰かが役割を担うことを表しているのです。
輪番制の使い方・例文
輪番制という言葉、どんな使い方があるのか、みていきましょう。
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輪番制の長所と短所を理解して正しく使おう
輪番制は企業や病院、学校、町内会など、さまざまな場面で使われるものです。公平なものであるという点でもよくできたシステムといえます。ただし、場合によってはうまく機能しないケースも考えられるので、上手に活用してください。