『不言実行』とは『文句を言わずに黙々とやるべきことを実行する』いう意味
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『有言実行』はよく聞く言葉ですよね?しかし、日本には『不言実行』という四字熟語も存在するんです。『不言』の漢字を見ると、上の会話の新人くんのように「何も言わないこと?」と解釈する人がいるかもしれません。
しかし、この場合は『文句や理屈を一切言わない』の意味になります。ここでは、『不言実行』の正しい意味を理解し、会話で使いこなせるようわかりやすく解説します。また、英語や類語についても紹介するので一緒に学んでいきましょう。
『不言実行』の読み方・意味
『不言実行』は『ふげんじっこう』と読む四字熟語です。まずは『不言』『実行』にわけ、それぞれの意味を解説します。
・わざわざ口に出して言わないこと
・無言
・実際に行うこと
二つの言葉をあわせて『わざわざ口に出して言わないで、実際に行うこと』となります。
しかし、『不言実行』は二つの言葉の意味そのままではなく、次のように解釈します。
■わざわざ言わず、黙々とやるべきことを行うこと。
■一言も文句を言わず、しなければならないことを黙って行うこと。
『不言実行』と『有言実行』 あてになる人間はどっち?
『有言実行』とは、『言ったことは何が何でもやり遂げる』という意味の四字熟語です。どちらかといえば、『有言実行』のほうが良いイメージを持たれがちです。
しかし、一般的には『不言実行』のほうがスマートでカッコいいとされています。
なぜなら、日本人は、自分をアピールする人よりも、控えめな人を好む傾向にあるからです。
では、ここで『不言実行』と『有言実行』の意味をもう一度比較してみましょう。
【不言実行】
一言も文句を言わず、しなければならないことを黙って行う。
【有言実行】
言ったことは何が何でもやり遂げる
どちらのタイプの人を『あてになる人間』と思うかは、対象となる人間を見る人の感性によって異なります。
『不言実行』の使い方・例文
『不言実行』を会話に取り入れる際、どのような使い方をするのでしょうか。例文をいくつか紹介するので、ここでチェックしておきましょう。
■不言実行だと自分をアピールできないため、自分は『有言実行』タイプでいたいと思っている。
■「こんなことやってるよ」と毎回アピールしてくる『有言実行』タイプは、私はあまり好きではない。そのため、自分は不言実行をモットーにしている。
■私は不言実行を座右の銘としている。
『不言実行』の類語・対義語
『不言実行』の類語とされている言葉は次のとおりです。
【訥言敏行(とつげんびんこう】
話すことは下手でもやるべきことは敏速に行うべき。
【言わぬが花】
はっきりと物を言うより、黙っているほうが趣があって価値がある。
まったく同じ意味ではないですが、「不言実行はあてはまらないなぁ」と思った際には状況に応じて使ってみてください。
また、対義語は、前述した『有言実行(ゆうげんじっこう)』です。こちらのほうが馴染みがあるかもしれませんが、実は、生まれたのは『不言実行』が先なんです。その反対の言葉として『有言実行』ができました。
『不言実行』の英語表現
『不言実行』を英語で表す場合、こんな言い方があります。
・deeds, not words
・actions, not words
deeds=行為、行動
actions=行動、活動(actionの複数形)
そして、『not words』は、そのまま訳すと『言葉ではなく』。これを『不言』と解釈しています。
つまり、言葉で言うのではなく行動する、というニュアンスになります。
また、これらの熟語を使った文章の例も紹介しておきますね。
【彼は不言実行の人です】
・He is a person of deeds, not words.
・He is a person of actions, not words
カッコよく見られたいなら『不言実行』を心がけよう
『文句をいわず、黙々とやるべきことをやる』という意味だと聞くと、「誤りと認識しながらも黙ってやる」と解釈する人がいるかもしれません。
しかし、『不言実行』で『実行』するのは、『本当にやらなくてはならないこと』です。
日本では、自分をアピールする人よりも、しない人のほうが好まれる傾向にあります。カッコいいと思われたいときや、好かれる人間になりたい場合は、『不言実行』な人を目指してみましょう。