雨垂れ石を穿つとはどんな言葉?
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上司
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まあ確かに、雨垂れで石に穴が開くだなんていわれても、簡単には信じられないかもしれませんね。
新人君の言うこともわからないでもないですが、実際に雨のしずくで石に穴が開くケースはあります。古い家やお寺、神社などに行く機会があったら、軒下や鎖樋(くさりとい)の下にある石を探してみてください。
雨のしずくが落ちる先にある石に穴があれば、その穴は「雨垂れ石を穿つ」で開けられたものです。
「雨垂れ石を穿つ」について学び、ビジネスにどう役立つのか社会人としての知識を深めましょう!
雨垂れ石を穿つの意味とは「繰り返せば大きな結果になる」
雨垂れ石を穿つは、雨のしずくで石に穴が開くという事実から、次のような教訓を教えてくれることわざです。
雨垂れ石を穿つといった場合、たとえ小さなことに思えてもそれを何度も繰り返していればいずれ大きな結果になる。諦めずに努力し続けなさいというような意味合いになります。
雨垂れ石を穿つの読み方は「あまだれいしをうがつ」
雨垂れ石を穿つの読み方は「あまだれいしをうがつ」です。
雨垂れ石を穿つは「点滴石を穿つ(てんてきいしをうがつ)」という場合もあります。
雨垂れ石を穿つの語源・由来は「漢書・枚乗伝」
雨垂れ石を穿つは、中国の歴史書「漢書」の「枚乗伝」の章に由来する言葉だといわれています。
ことわざのもとになるお話が、後世に伝えられているのでみてみましょう。
小国の王が中央政府に反乱を起こそうとしていました。家臣が、王を止めようと意見書を出します。いったん反抗を始めてしまえば、たとえそれが小さな事柄だったとしても積み重なっていずれ大きな災いになってしまう。それはまるで「泰山之霤穿石」のようなもの。山から染み出た雨垂れがしたたり落ちるだけでも、繰り返されれば石に穴を開けるのです。しかし、王は反乱を起こし、反逆者として殺されてしまいました。
雨垂れ石を穿つの語源は、この「泰山之霤穿石」という漢文であると考えられています。
しかし、ことわざの「雨垂れ石を穿つ」は、努力の大切さを教える前向きな意味合い。原文の「泰山之霤穿石」は「わざわいの種は小さなうちに摘み取るべきだ」というマイナスの意味になっています。
ことわざの「雨垂れ石を穿つ」が悪いニュアンスで使われるケースはまずないですが、豆知識として頭に入れておきましょう。
雨垂れ石を穿つの使い方・例文
雨垂れ石を穿つは前向きな意味をもっているので、ビジネスで用いやすいことわざ。
「簡単に諦めない」や「長期間努力を続けて成功した」という意味合いを伝えるときに、雨垂れ石を穿つはピッタリです。
雨垂れ石を穿つの使い方を例文でイメージしてみましょう。
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雨垂れ石を穿つの類語
継続の大切さを教えることわざは、雨垂れ石を穿つのほかにもたくさんあります。その中から、今回は特に使いやすいものを選んでみました。
雨垂れ石を穿つとセットで覚えておきましょう。
・石の上にも三年
・塵も積もれば山となる
・ローマは一日にして成らず
・継続は力なり
これらは、多くの人が知っている有名なことわざです。会話に差し込んだとき「どういう意味?」と疑問が生じにくいのは、言葉選びの重要なポイントになりますね。
雨垂れ石を穿つの英語表現
雨垂れ石を穿つを英語で表現するときには「Constant dripping wears away the stone.」といえばOKです。
単語の意味を確認してみましょう。
constant:絶えず続く
dripping:したたり
wear away:すり減らす
stone:石
「Constant dripping wears away the stone.」は「絶えず続くしたたりは石をすり減らす」という意味になります。
日本語の雨垂れ石を穿つと同じなので、わかりやすいですね。
雨垂れ石はモットーにぴったり!
雨垂れ石を穿つは、就活面接や職場の自己紹介などで自分のモットーとして使うのにぴったりなことわざ。
諦めずに努力することの大切さを知っているとアピールしたり、自分の力を過信しない謙虚さを表したり。
少し難しいことわざですが、いろいろと便利なので覚えておいて損はありません。いざというときに使ってみましょう。