アウティングとは『本人の了解を得ずに第三者にセクシュアリティを暴露すること』
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セクハラやパワハラがどういったものか理解している人は多いでしょう。一方、アウティングは比較的新しい言葉なだけに、聞いたことがないという人もいるのではないでしょうか。
アウティングとは、『本人の了解を得ずに第三者にセクシュアリティを暴露すること』です。アウティングの意味や使い方、アウティングが生じる理由などについて詳しく学んでいきましょう。
アウティングの意味をチェック
まずはアウティングの意味を確認しましょう。アウティングは、本人の了解を得ずに性的指向や性自認を第三者に暴露することを指します。
「あの人LGBTなんだって」といった噂話もアウティングに含まれます。ここでは、アウティング被害の重大性やアウティングが生じる背景、企業の責任について詳しくお伝えします。
アウティング被害の重大性
アウティング被害の重大性は、異性愛者である人には想像がつきづらいかもしれません。しかし、LGBTを自認する人にとって公にしたくない性自認を他人から勝手に暴露されることは、甚大な精神的苦痛をもたらします。
アウティングの結果、心身に不調を来したり、学校や会社へいけなくなったりといった事例は多数報告されているほどです。アウティングは重大な人権侵害なのだということを、社会全体が認識しなければなりません。
アウティングが生じる背景には無知がある
そもそも、アウティングが生じる背景には何があるのでしょうか。アウティングに限らず、あらゆる差別の根底には無知があると言われています。
たとえば、友人からLGBTであることを告白されたとき、対応の仕方を知らなければ戸惑ってしまい、別の友人に「LGBTだと打ち明けられて……」と相談してしまう人もいるでしょう。しかし、このこと自体がすでにアウティングです。告白はあなたに対して行われたもので、周囲に公表することを希望したものではないことを認識しなければなりません。
打ち明けられたときには、2人だけの秘密にしたほうがいいのか、伝えてもいいのは誰なのかといったことは、最低限確認しなければなりません。そのうえで、自分の言動で嫌なことや失礼なことがあったら言って欲しいと伝えましょう。本人とのコミュニケーションを十分に取り、分からないことは知ろうと寄り添う態度を見せることが重要です。
会社には職場環境配慮義務がある
2019年5月、労働施策総合推進法の改正案、通称「パワハラ関連法案」が成立されました。この法律の成立によって、企業はパワハラ、性的指向や性自認を理由とするハラスメント「SOGIハラ」、さらにアウティングを防止する義務が生じることになりました。
この法案での罰則規定は見送られましたが、ハラスメントやアウティングが常態化していて勧告を受けても改善が見られない場合、企業名と違反行為が公表されます。ハラスメントやアウティングを放置しておくことは、企業イメージの観点から見ても大きなダメージとなるでしょう。
アウティングの英語は『outing』
アウティングは英語では『outing』と表記します。意味は、日本で用いられているものと同様です。英語での例文は以下の通りです。
アウティングは法律違反です。
アウティングとカミングアウトの違い
性自認や性的指向を伝えると聞くと、カミングアウトをイメージする人もいるでしょう。しかし、アウティングとカミングアウトではまったく意味が異なります。カミングアウトはLGBTの当事者が自らの意志でセクシュアリティを周囲に公表することを指します。一方、アウティングは他人が、本人の了解を得ずに勝手にセクシュアリティを第三者に暴露することをいいます。
LGBTであるAさんが自分のことを「私はLGBTです」というのはカミングアウトです。アウティングとなるのは、LGBTであることをAさんから打ち明けられたBさんが、Aさんの了解を得ずにCさんに「AさんはLGBTなんだって」と言ってしまうケースです。
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アウティングの使い方・例文
アウティングは日常会話ではどのように使うのでしょうか。例文を見ていきましょう。
上司
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上司
上司
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アウティングの意味を理解し違法行為と認識しよう
アウティングは重大な人権侵害です。とはいえ、異性愛者の多くは、アウティングによって当人がどれだけ深く傷つけられるのかは想像しづらいのも事実でしょう。まずはアウティングがどういうものなのか、当人がどれほどの苦痛を感じるのかを知るところからスタートしましょう。また、企業は職場でのアウティングを防止する義務があることは忘れてはいけないポイントです。