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「前広」という表現、ご存知でしょうか。あまり聞きなれない用語かもしれませんが、官庁で使われることが多く、最近はビジネスでも使う人が増えています。
今回は「前広」の意味や使い方、類義語、対義語、英語表現について解説します。
前広とは?
前広は「以前、前々」の意味。読み方は「まえびろ」です。「に」を伴って「前広に」と副詞的に使われることがほとんどです。
前広は官僚用語?
「前広」は、一般的にはあまり浸透していないものの、国会答弁や公官庁の公式発表などではしばしば使われています。文脈からは本来の意味である「余裕をもって」のほか、「幅広く」「広い視野で」といったニュアンスが含まれることが多く、極めて曖昧で多様な使われ方をしています。
こうした背景から「前広」を「官僚用語」とみなす人も少なくありません。
前広を使った例文
「前広」の使い方を具体的な例文で見てみましょう。
・災害対策は前広に準備しておくべきだ。
・新しいプロジェクトを始める予定なら、できるだけ前広に相談してほしい。
前広の類語は?
「前広」には以下の類語・言いかえ表現があります。
いずれもごく一般的な表現。ビジネスや日常会話では、類語の方を使う人が多数派でしょう。先に挙げた例文も、すべて言い換えが可能です。
・災害対策は前もって準備しておくべきだ。
・新しいプロジェクトを始める予定なら、できるだけ余裕をもって相談してほしい。
「前広」があまり浸透していない理由は、より身近な類語が多いからかもしれません。
前広の対義語は?
「前広」の対義語には「後手(相手に先を越されること)」や「事後(物事が起こった後)」があります。
・何が起こったかその場では理解できなかったが、事後の報告で把握できた。
前広の英語表現は?
「前広」を英訳したい場合は「余裕がある」「事前に」の意味をもつフレーズや単語を使います。複数のパターンがあるので、具体例をご紹介しましょう。
・「have enough time」(充分な時間的余裕をもつ)
(我々は災害に対して充分な余裕をもって備えるべきだ。)
・「in advance」「 beforehand」(事前に)
(あらかじめ君に忠告しておくよ)
・We have already discussed about the problem beforehand.
(その問題に関してはすでに事前協議している)
使う人が増えるかもしれない「前広」
現状では馴染みのない人が多い「前広」ですが、報道で耳にする機会があるので、将来的には浸透していくかも。ビジネスシーンでも定着する可能性があるので、覚えておいて損はないでしょう。