ウェルビーイングとは『幸福の概念のこと』
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ウェルビーイングとは、『幸福である状態を意味する言葉』であり『幸せ』という感情を表すわけではありません。近年、企業の経営方針の1つの概念として取り上げられることも多いのですが、きちんと理解している人が少ないのも実状です。
ここでは、なぜ企業や社会がこの概念に注目しているのか、その背景をくわしく解説していきます。
ウェルビーイングの意味をチェック
ウェルビーイングとは、『幸福の概念』のことで、『心身ともに健康で、さらに社会的にも満足しており、すべてが満たされた状態』を指す言葉です。昨今、このウェルビーイングの考え方を取り入れる企業が増えてきています。
ビジネスの場でウェルビーイングが普及
日本では少子高齢化が進み、さまざまな分野で人手不足が深刻な問題となっています。しかしながら、グローバル化やIT化により、ビジネスにおける競争は激しさを増す一方です。
このような環境のもと、企業は、より少ない人材で今まで以上の生産性や創造性を高める必要があります。従来の長時間労働が当然といった職場では、従業員のモチベーションは下がり、期待したような成果を挙げることはできません。
アメリカで行われた調査では、従業員がウェルビーイングであることが創造性や生産性の向上につながるという結果が出ています。この結果を受けて、従業員が幸福な状態でいられるように、企業は職場環境を整えるようになりました。
日本におけるウェルビーイングの現状
日本においては、従業員の健康に配慮した経営をおこなう健康経営を政府が推進しています。たとえば、きちんと対応策を施して健康経営を推し進めている上場企業の銘柄を健康経営銘柄として選定したり、健康経営優良法人認定制度を導入し、健康経営を積極的に取り入れている企業を認定したりしています。
このように国をあげて、従業員のウェルビーイングに取り組んでいることが伺えるでしょう。
海外におけるウェルビーイングの取り組み
アメリカの巨大IT企業の数々は、従業員の心理的安全性を保つことでウェルビーイングの向上に努めています。この心理的安全性とは、対人関係においてリスクのある行動を取った際に受容されることを意味します。
仕事上での失敗にもかかわらず、周りから受容されフォローされることは、心理的安全性が高い状態といえます。このような心理的な視点からアプローチして、職場の働きやすさを分析するのです。
ウェルビーイングの英語は『well-being』
ウェルビーイングとは英語で『well-being』と表記します。日本語で使われる意味とほぼ同じです。『幸福で健康な状態』を表しますが、大きく『福祉』や『福利』という意味もあります。
満足な生活状態
幸福で健康な状態
福利 など
英語では、次のように使います。
このお守りは家内安全のお守りです。
生活の最も基本的な面に満足感を与える利益
ウェルビーイングとハピネスとの違い
ウェルビーイングは、精神的にも肉体的にも、また社会的にも、幸福で満足した状態を意味します。一方、ハピネスとは、同じ幸福を意味する言葉ですが、人が感じる『嬉しい』や『幸せ』といった心理状態を表します。
企業は、ウェルビーイングの考え方のもと、従業員が働きやすいような職場環境に整える努力をします。その結果、従業員はその職場で働くことにハピネスを感じます。
ウェルビーイングの使い方・例文
それでは、どのようにウェルビーイングを使うのか、例文を見てみましょう。
上司
先輩
[おまけ]国別の幸福ランキングからみた日本
日本でも働き方改革により、企業による従業員の健康に対する意識は高まっています。しかしながら、国連が2019年に発表した世界幸福度報告書によると、日本は58位と決して高い順位ではありませんでした。最新の2020年の発表によると、さらに順位が下がり62位です。まだまだ改善する余地があるといわざるを得ません。
ウェルビーイングの考え方を理解して正しく使おう
ウェルビーイングの考え方は、アメリカやオーストラリアでは普及していますが、日本はこれらの国々と比べるとまだ遅れているといえるでしょう。導入する際には、ほかの国の取り組みをそのまま導入するのではなく、日本の考え方や慣習、文化に合うように取り入れることが大切です。
今後も、ウェルビーイングの考え方を採用する企業は増えていくことが予想されます。ウェルビーイングという言葉の意味をきちんと理解して、正しく使えるようになりましょう。