『僥倖』とは『思いがけない幸せ』『幸運を願う』という意味
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『僥倖』には、『思いがけない幸せ』と『幸運を願う』という二つの意味をもつ名詞です。そのため、どちらの意味で使われているのかは文脈で判断しなければなりません。
ここでは、言葉の意味や会話での正しい使い方のほか、類語、対義語、英語表現についてもわかりやすく解説します。
『僥倖』の読み方・意味
『僥倖』は『ぎょうこう』と読みます。『僥』は訓読みで『もとめる(僥める)』『ねがう(僥う)』、『倖』は『さいわい(倖い)』『へつらう(倖う)』と読みます。
その二つの漢字が一緒になり、次の意味となっています。
【思いがけない幸せ】
偶然に訪れる幸せ、思ってもいなかったところに訪れた幸せ、といったニュアンスです。
【幸運を願う】
幸運を願って待ちわびる、といったニュアンスです。
『僥倖』の漢字
ちょっと複雑な漢字なので、念のために確認しておきましょう。
『僥倖』の使い方・例文
あまり頻繁に登場する言葉ではないため、会話での使い方に迷う人もいるでしょう。
ここでは『僥倖』を使った例文を紹介するので、場面を想像しながらチェックしてみてください。
■僥倖はそうそう訪れるものではない。
■今回の企画が採用されたのは僥倖だった。
■営業のノウハウを教えてくれた先輩とまた同じ会社で働けるなんて、私にとって僥倖です。
■このタイミングで大きな契約が結べたのは僥倖としか言いようがない。
■会社が存続できるか、一般社員の私たちはただ僥倖するだけだ。
■今回の大きなミスをしてしまった。今は会社に残れるよう僥倖するしかない。
■特許が取得できるかどうか、部員全員で僥倖している。
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『僥倖』の類語
『僥倖』と似た意味をもつ言葉には、次のようなものがあります。
・棚から牡丹餅
・儲けもの
・奇跡
・好機
・恵みの雨
・うれしい誤算
これらほとんどが、『思いがけない幸せ』の意味ですが、『幸運を願う』の類語としては、『神頼み』があげられます。
『僥倖』の対義語
『僥倖』には二通りの意味がありますが、『思いがけない幸せ』の意味での対義語として『災難』『奇禍』があげられます。
【災難】
不意に起こる災い。
例文)災難に見舞われた。
【奇禍】
思いがけない災難。
例文)奇禍に遭遇する。
『僥倖』の英語表現
『僥倖』の英語表現は、事柄によって使い分けることができます。
たとえば、思いがけない収入があった際は『windfall』を使います。また、『幸運な出来事』を意味する『piece of luck』に『思いがけない』の意味をもつ『unexpected』をつけた、『unexpected piece of luck』が使えます。
There was an unexpected piece of luck.
(僥倖があった。)
windfall profit from ~
(~からの思いがけない利益/~からの僥倖)
『僥倖』は状況に応じた解釈が必要
『僥倖』は、幸せを願って待っている状態のときも、思いがけない幸せが訪れたときにも使われる言葉です。
この二つの意味は、幸せの『前』と『後』というように、まったく違う状況です。『僥倖』の言葉が少し難しいので、意味が即座に頭に浮かばないときがあるかもしれませんが、冷静に考え、解釈を間違えないよう注意してくださいね。