インクルージョンとは『一体となって働くこと』
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近年、ビジネスの現場で使われ始めた言葉で、まだ聞きなれない人も多いでしょう。この記事では、インクルージョンの意味やメリット、具体例などを詳しく解説します。この機会にぜひ理解を深めてください。
インクルージョンの意味をチェック
インクルージョンは直訳すると『包括』を意味し、あらゆるものを受け入れるということです。ビジネスシーンでは、より具体的な内容で使われています。言葉の詳しい意味や、インクルージョンをビジネスの現場で取り入れるメリット・デメリットについて見ていきましょう。
教育現場にもある言葉
インクルージョンは、もともと教育現場で使われていた言葉です。障害を持つ子どもと健常者が障害の有無という視点ではなく、同じ生徒として一緒に学習することを『インクルージョン教育』と呼び、両者を識別した上で教育を行う「統合教育」を超える概念として普及しました。
近年は、ビジネスの現場で多く使われ、『社員が持っている能力や経験を認めて仕事に参画させる』『国籍や性別などにとらわれず、多様な人材に就業の機会が与えられる』といった意味で使われています。
インクルージョンのメリットとデメリット
経験や能力が活かされることで、社員は「自分の能力が認められている」ことに自己肯定感を覚え、会社の役に立っていることにやりがいを感じます。仕事へのモチベーションが高まり、長く働き続けたいと思うでしょう。
実際に、離職率が低下しているデータもあり、インクルージョンへの取り組みは、ホワイト企業としてのアピールにもつながります。環境活動などに取り組むCSR*にも通じるもので、企業のイメージアップに貢献するでしょう。
*企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任のこと
一方で、インクルージョンには、導入の成果が目に見えにくいというデメリットがあります。個々の経験や能力が発揮され、仕事に具体的な成果が現れるまでにはある程度の時間が必要だからです。
インクルージョンの英語は『inclusion』
インクルージョンの英語表記は『inclusion』です。『in』は「中に含む」、『clus』は「閉じる」という意味です。これらを組み合わせて名詞にした言葉で、直訳すると『包括』になります。会社を構成する全員が一体となるというイメージで、従業員すべてがその経験と能力を認められ、活躍できる状態を指しています。
英文では、次のように使います。
インクルージョンの導入によって、すべての社員にビジネスチャンスが与えられる。
インクルージョンとダイバーシティの違い
インクルージョンと似た言葉に、「ダイバーシティ」があります。ダイバーシティとは、会社が多様な人材を積極的に採用するという、雇用の入り口を広げる考え方です。主に多様性を認め、共存するという意味合いで使われます。
これに対し、インクルージョンは「受け入れたあとも才能を活用する」という意味で、ダイバーシティーをより発展させた考え方になります。共存するだけではなく、能力を発揮しやすい環境を整えたり、制度を充実させたりしたうえで、それぞれが能力を発揮しながら相互に機能している状態なのです。
インクルージョンの使い方・例文
これからのビジネス社会で広がりを見せつつあるインクルージョン、実際にはどのように使われているのでしょうか?例文を見てみましょう。
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[おまけ] インクルージョンの具体的な事例は?
大手企業には、インクルージョンを導入している具体例が多く見られます。一例を挙げると、SONYでは育児や介護しながら働く社員への支援制度を設け、女性管理職を増やす取り組みも行なっています。
ほかにも、同様の取り組みを行う企業は多く、障害者や高齢者の雇用や、LGBT*などのマイノリティに対する理解を深めるため取り組みを行うなど、さまざまな対応が推進されています。
*性的少数者の総称の1つ
インクルージョンを推進してさらなる企業の発展を
多様な人材を雇用するダイバーシティは多くの企業に浸透していますが、多様性をさらに仕事に活かしていくインクルージョンの推進が求められています。大手企業では積極的に導入しているケースも多く、これからより発展していくことが期待できるでしょう。