「不毛」とは「やるだけ無駄」という意味
不毛な議論
「南極と北極どちらが寒いのか」「犬と猫どちらが可愛いか」など、話し合っても大した成果が出ないものを「不毛」といいます。実際はこんなに極端ではないにしろ、思い当たる節があるのではないでしょうか。
「不毛(ふもう)」とは「やるだけ無駄」という意味。行ったとしても何の成果も進捗も得られないようなケースに使用します。
「不毛」の語源
「不毛」は「作物が育たないような痩せた土地」を表す言葉でした。
ここでいう「毛」は「髪の毛」や「鼻毛」のことではありません。同じ土地で1年のうち2回別の作物を栽培することを「二毛作」といいます。「毛」とは「作物」のこと。
また、「毛」は「毛」くらい細かいものを表すときにも使われます。「ほんのわずか」を意味する「毛ほど」など。
「不毛」は「痩せ果てた土地」が転じて、「成果がない状態」を表す言葉として広く使われるようになりました。
「不毛」の使い方・例文
・不毛な土地を開拓した男たちの物語 ・不毛な議論の末、結局何も決まらなかった ・せっかくの連休なのに不毛すぎる時間を過ごしてしまった ・仲間同士で争った結果、他社に全てを奪われてしまった不毛な戦い ・不毛な会話だと思っていたのでよく聞いていなかった
「不毛な○○」といった使い方が一般的です。主な続く言葉は「会話」「議論」「時間」、争い」など。
「不毛」と「不作」
「不毛」と似た言葉に「不作(ふさく)」があります。「不毛」同様、農業系のワードであることはわかりますが、違いはあるのでしょうか。
・不毛⇒作物の生えない痩せた土地 ・不作⇒作物の出来が悪いこと
「不作」は「環境や人為的な問題で作物がよく育たないこと」を意味します。「不作」は原因さえ解決すれば解消されますが、「不毛」は土地自体に問題があるため、解消することはほぼ無理でしょう。
「不作」も元の意味から転じて、物や人の出来が悪いことに対しても使用されます。
・今年の作品は不作だな ・不作の年だと思っていたけど個性的な人材はたくさんいた
「不毛」は議論や会話など身にならない過程のことを表すのに対して、「不作」は不出来な結果を表すことが多いです。
「不毛」のその他の類語
・荒地(あれち) ・荒野(こうや) ・無駄(むだ) ・無益(むえき)
「荒地」や「荒野」は痩せた土地を表す「不毛」の類語。
「無駄」や「無益」は「成果が出ない」という意味の「不毛」の言い換えです。
「不毛」を英語で
a barren discussion ⇒不毛な議論
「barren」で「不毛」を表現しています。「不毛」と同様、作物にも例えにも使用可能。
また、「fruitless(実りのない)」や「pointless(意味のない)」でも言い表すことができます。
「不毛」は控える
「不毛」だとわかっていても楽しい会話ってありますよね。プライベートな時間であれば全然問題ありません。しかし、仕事中に「不毛」な時間を過ごすのはいただけません。
今年の新人は「不作」だなぁといわれないように「不毛」なことは控えましょう。