「煩雑」とは「込み入って煩わしい」という意味
煩雑な業務にうんざり
手続きが面倒だったり、サインする箇所が多かったり…。必要なことだとわかっていても、うんざりしてしまいますよね。
「煩雑(はんざつ)」とは「込み入って煩わしい」という意味。細かい、とりとめのない、めんどくさいことに嫌気がさすことを指しています。
単に複雑だというよりも、「うんざりする」「嫌気がさす」といったネガティブな感情が含まれている点がポイントです。
「煩雑」と「繁雑」の違い
「煩雑」の同音語である「繁雑(はんざつ)」。同じ意味の言葉として使われることもありますが、この2つにはニュアンスの違いがあります。
・煩雑⇒込み入って煩わしい ・繁雑⇒物事が多くてごたごたしている
「煩雑」が「込み入って煩わしい」に対して、「繁雑」は「物事が多くてごたごたしている」。
・煩雑な業務⇒細かくて面倒な作業 ・繁雑な業務⇒まとまりなく多い作業
「煩雑」は「煩わしい」という感情ありきの言葉ですが、「繁雑」には必ずしも「煩わしい」が含まれるとは限りません。とはいえ、意味が意味なので「煩わしい」という意味を込めて使われることが多いです。
「複雑」とは
「複雑(ふくざつ)」は「物事が絡まり合ってわかりにくいこと」という意味。「煩わしい」という感情は含まれません。「煩雑」と「繁雑」を足して「煩わしい」を引いたのが「複雑」。
「煩雑」「繁雑」「複雑」の関係はまさに「煩雑」といえます。
「煩雑」の使い方・例文
・煩雑な作業を機械化することで作業効率が大幅に上がった ・煩雑な手続きを簡略化するだけでも評価されるだろう ・煩雑化した人間関係が嫌で転職をした ・プラモデルは煩雑さを楽しむ娯楽だ ・連日の煩雑を極める作業に嫌気がさす
「複雑」に置き換えても文として成立します。
とはいえ、「複雑」には「煩雑」が持つ「うんざり」というニュアンスがないので、あえてネガティブな印象を出したいときには「煩雑」の方がしっくりきます。
「煩雑」の注意点
「煩雑」(使い方によっては「繁雑」も)には「うんざり」というニュアンスが含まれています。そのため、「複雑」と同じ感覚で使うと誤解されてしまう可能性があります。
・複雑な作業でしたがやり切りました! ・煩雑な作業でしたがやり切りました!
同じような文でも「煩雑」を使うとネガティブな感情がちらつきます。あえて「煩雑(繁雑)」を使う必要はありません。基本的には「複雑」を使いましょう。
「煩雑」を英語で
To save the annoying trouble of users and offer services safely ⇒利用者の煩雑な手間を省き安全なサービスを提供する
「annoying」で「煩雑な」を表現しています。「迷惑な」「じれったい」と訳すこともできます。また、「troublesome」でも同様の意味に。
ちなみに「複雑な」は「complicated」で表現可能です。
「煩雑」を避けるには
「煩雑だな」と思うことは多々ありますが、口に出して「煩雑」と言うとさらに「煩雑」なことになってしまうかも。基本的には「複雑」を使って「煩雑」や「繁雑」は心の中に秘めておきましょう。それが「煩雑」を避けるコツです。