施策とは「しさく」「せさく」?
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施策は、異なる2つの読み方がされる言葉です。ひとつは正しく、もうひとつは本当は間違っている読み方。それにもかかわらず、どちらの読み方も一般的に用いられています。どうしてでしょうか。その理由と、ビジネスでの使い方も詳しく解説します。
施策の意味は「施すべき策」
「しさく」「せさく」の説明の前に、まずは施策の基本事項の確認です。
施策のくわしい意味をみてみましょう。
・実行すべき計画
・政治家や行政機関などが、政策・対策を立てて実際の現場で行うこと
施策は、実際に行うための策のこと。たとえば、営業で新規顧客を50人ゲットするという目標があったとして、そのために具体的に何をするか計画したものが施策です。
・既存の顧客に知り合いを紹介してもらうため「お友達紹介キャンペーン」を行う
・テレビCMを流す
施策の語源・由来
漢字から、施策という言葉の語源を考えてみましょう。
「施」の字の意味は「行う」「行き渡らせる」「施す」。
「策」は「くわだて」「計画」という意味です。
「施」と「策」を組み合わせて「くわだて」を「行き渡らせる」が施策の核になります。つまり、何かを実行するための策や計画を立てる、という意味に。
また、「施」には「恵み与える」というニュアンスもあります。恵というのは、上から目線の言葉ですよね。このあたりに政治家や行政機関など、お上関係のニュアンスが隠れているのかもしれません。
施策の読み方は「しさく」
施策の正しい読み方は「しさく」です。
しかし、慣用読みで「せさく」と読まれる場合もあります。
慣用読みとは、間違った読み方ではあるけれど、そのように読む人が増えたため、日本語として一般化した読み方のこと。
行政関係者の中には、施策を「試作」や「思索」などほかの「しさく」と読む言葉と区別するために、あえて「せさく」と読む人も多くいるようです。
行政で使っているので、余計に施策を「せさく」と読む人が増えるのかもしれませんね。
施策の使い方・例文
ビジネスで施策を用いる場合、目標を達成するための「戦略」と考えるとわかりやすくなります。
施策の使い方を例文でイメージしてみましょう。
先輩
上司
新人
上司
施策の類語
施策のほかにも、事業計画を立てるときやそれを実行に移すときなどに使われる言葉はたくさんあります。
施策の類語もこの機会に勉強しましょう。
戦略:特定の目的を達成するための長期的、全体的な準備や計画
方策:手段、方法
政策:目的を成し遂げるための方針・手段
方針:目指す方向。物事や計画を実行するときの大体の方向
手段:目的を達成するために必要な方法
対策:相手の出方や状況などに対応した処理の方法
伝えたいニュアンスに近い用語を選べるようになりましょう。
施策の英語表現
施策を英訳するときには、次の語句が使用できます。
policy:政策、方針、方策
plan:計画
measure:手段、方法
political measures:政策
solution:解決策
strategy:戦略、計画、方策
ちなみに「announce measures」で「施策を発表する」という意味になります。また、「施策を実行する」といいたいときには、実行するという意味の「carry out」を使って、「carry out one’s plan(計画を実行する)」が使えます。
施策の読み方は臨機応変に
施策の正式な読み方は「しさく」です。しかし、「せさく」も施策の読み方として認知されています。
言葉を正しい読み方で使えるようになることは大切です。しかし、もし上司や仕事関係者などが施策を「せさく」と読んでいたとしても、指摘するのは得策ではありません。
意味はわかるのだから聞き流して、あなたも「せさく」といってあげるくらいがちょうどいい返しになります。
相手の気分を害さないように、臨機応変な対応をしましょう。