やさぐれるとはどんな意味？漢字はあるの？語源や類語、英語も解説！

やさぐれるとは「すねる」という意味だけど・・・

やさぐれるは「すねる」や「ふくれる」という意味の言葉ですよね。現在では、この意味でやさぐれるを用いるのが一般的になっています。

しかし、やさぐれるのこの使用法は、もともとは間違った使い方。それがいつの間にか日本語として定着し、やさぐれるの新しい意味として認められるようになりました。

意外に奥が深い「やさぐれる」について学びましょう！

やさぐれるの意味と語源

いま使われている意味のやさぐれるは、江戸時代に生まれた言葉です。日本に古くからあるワードですが、漢字表記はありません。

やさぐれるの語源

やさぐれるの「やさ」は、刀の鞘（さや）を逆に読んだもの。「ぐれ」は外れるという意味です。

単語の意味どおりなら「やさぐれ」は「鞘から外れる」というニュアンスになりますね。しかし「やさぐれ」は、言葉どおりの意味ではなく「家出人」や「家出すること」を暗示する隠語として使われていました。

連想ゲームのように「鞘から外れる」→「収まるべきところから外れる」→「人が戻るべきところから外れる」→「家から外れる」と少しずつ意味を変えていきます。

「家から外れる」で「家出」という単語を連想できませんか？

やさぐれるの意味

やさぐれるは、名詞の「やさぐれ」に「る」をつけて動詞化したもの。次のような意味になります。

「やさぐれ」には、もともとは「家出」という意味がありました。

しかし、「ぐれる」は「不良化する」という意味で使われる場合も。「やさぐれ」は、この「不良化する」の「ぐれる」と混同されたと考えられています。

江戸時代に「やさぐれ（家出）」と「ぐれる（不良化する）」がミックスされたようです。2つが合わさって「すねる」や「投げやりになる」といったニュアンスでも使用されるようになり、日本語として定着。現在のやさぐれるになり、今ではこちらが主に用いられる意味になりました。

「すねる」も「投げやりになる」も、家出中の不良少年・少女がやりそうなことですね。

やさぐれるの使い方・例文

やさぐれるのもとになった「やさぐれ」は、もともと不良やそれを取り締まる警察のような立場の人々が仲間内で使っていた隠語。やさぐれるも俗な言葉なので、公式なビジネスシーンには向かないワードになります。

やさぐれるを口にするのは、仲間内の会話だけにしておくほうが無難ですよ。やさぐれるの使い方を例文でイメージしてみましょう！

言い換えに使えるやさぐれるの類語

「すねる」や「投げやりになる」という意味でやさぐれるを使っている場合、似たニュアンスをもつ語句に言い換えることもできます。

やさぐれるの類語も、この機会におさえておきましょう。

紹介した類語はどれも、やさぐれると同じように後ろ向きな意味をもつ言葉ばかり。ビジネスシーンではあまり多用しないほうが無難ですよ。

やさぐれるの英語表現

本来のやさぐれるの使い方のとおり、家出するという意味で英訳するなら「to run away from home（家出）」が使えます。

「すねる」や「投げやりになる」という意味のときには、どのような英語表現になるのかみてみましょう。

ビジネス会話で頻繁に活用できる英語表現ではないかもしれませんが、語彙を増やすために覚えておいて損はありませんよ。

やさぐれるを使うならフランクな会話で！

やさぐれるは、もともと不良が仲間内で使っていた隠語です。今でも俗語扱いされるワードなので、ビジネス用語として使用するのはあまりおすすめできません。

意味も「家出する」や「すねる」「投げやりになる」といった、後ろ向きなニュアンスでビジネスとは関わりの薄いものですしね。

やさぐれるを用いるのならば、仲間内のフランクな会話で！公式な場では口にしないように注意しましょう。