「脱帽」とは「感動」+「敬意」の意味
プログラミング技術に脱帽しました 人を褒める際に、このような表現をすることがありますよね。 「脱帽(だつぼう)」の意味は、「感服しました」と感動と敬意を表した言い回し。自分にはできないようなことを相手がした際に賞賛する意味で使います。 「脱帽」の字の通り、単に帽子を脱ぐことを表すことも。 「脱帽」の語源は「帽子を脱ぐこと」ですが、何が由来になったのか諸説ある表現です。 西洋では「帽子を脱ぐこと」は「敬意を表す」行為とされています。日本にこの習慣が入ってきたときに「脱帽」という言葉もできたという説があります。 それと、古代中国の自分より才能のある人に被り物を渡して官位を譲るという故事に由来するという説も。 また、日本のことわざで「降参する」という意味の「兜を脱ぐ」が変化したという説も。「兜を脱ぐ」は武将が敵に負けを認めて兜を脱いで首を差し出すことを表しています。 どの説が由来にせよ、「脱帽」には「敬意」も「降参」の意味合いもどちらも含まれています。 「脱帽」の詳しい使い方を例文で確認していきましょう。 ・どんな筋違いなクレームにも真摯に対応する姿は皆を脱帽させた ・自分から率先して社内の掃除をする姿に脱帽しました ・仕事の早さだけではなく人間性も完璧なAさんには脱帽して張り合う気持ちも起きない ・あんたの食い意地の汚さには脱帽したよ ・迷彩柄に迷彩柄を合わせるセンスに脱帽www ・室内では脱帽してください 感心して敬意を表す、負けを認めるというポジティブな使い方が通常です。 「お手上げ」「あきれる」といったネガティブな意味の使い方をされることも。誉めるふりをして相手をけなす、皮肉を言うのは、「脱帽」に限らずよくある言葉の使い方ですよね。 また、「脱帽」は単に帽子を脱ぐという意味で使われることも。文字制限のある注意書き、看板等で「帽子を脱いでください」と伝えるために使われることがあります。 「脱帽」は「感動」+「敬意」という素直な使い方をしたら、目上の人にも使えそうな素晴らしい表現のように思えます。 しかし、「脱帽」の持つ「負けを認める」「相手を上だと認める」というニュアンスが要注意です。これだと相手を認める前は「自分は同等か勝っている」と認識していたことに。 そのため、「脱帽」を目上の人に使うのは避けた方がいいでしょう。気にしない人の方が多いでしょうが、「脱帽」の持つこのニュアンスを押さえておいてください。 「脱帽」のように相手を賞賛する表現は他にもあります。「脱帽」がふさわしくないと思うシーンでは別の表現に言い換えましょう。 ・感心(かんしん)⇒目下に ・敬服(けいふく)⇒同等・目上に ・感服(かんぷく)⇒誰にでも これらは「脱帽」と同じように感動と敬意を表す表現ですが、「感心」は目上の人が目下の人に、「敬服」は同等か目上の人に使える表現。 また、「感服」は上下関係なく誰にでも使える表現です。迷ったら「感服」を使うといいでしょう。 「脱帽」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。 Hats off to her programming skills ⇒彼女のプログラミングスキルには脱帽した 「hats off to」で「脱帽」を表しています。このように主語と述語は省略されることも。略さない場合は「I take my hat off」。 「脱帽」は最近ではそれほど使われる表現ではないかもしれません。人を褒める表現は知っておくと便利なので、類語表現とあわせて覚えておきましょう。「脱帽」の由来
「脱帽」の使い方・例文
脱帽の注意点
「脱帽」の類語
「脱帽」の英語表現
「脱帽」で褒める