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「傾聴」の読み方と意味とは?使い方や類語・英語例文を紹介

「傾聴」とは「人の話をよく聞く」という意味

新人

まったく、あのクライアント話が長いんすよ、こっちの顔なんかまったくみないで話すんだから。途中で眠くなっちゃいましたよ。せっかく新しいパンフレット持っていったのに、全然みてもくれないし。
たしかに話が長いとうんざりすることはあるよね。でも傾聴
はビジネスの基本だよ。

先輩

新人

なんですか、その言葉、はじめて聞きました。

「傾聴」とは、相手の話に耳を傾ける意味合いの言葉で、ビジネスシーンでも相手と心を通わせるコミュニケーションの技法として重要視されています。

今回は「傾聴」のもつ意味や使い方、英語や類語との違いについてくわしく解説します。今までなんとなくで使っていた方は、この機会にぜひ本来の意味と使い方をマスターしていきましょう。

「傾聴」の意味をチェック

傾聴とは、相手の話を聴く技法のひとつで、もともとはカウンセリングの現場から生まれたものです。一般的には優れたビジネスパーソンほど高い「傾聴力」をもつといわれています。

まずは「傾聴」の基本的な意味、どんな状況で使うものなのかを解説していきます。

「傾聴」の読み方

傾聴は、「けいちょう」と読みます。

「傾聴」の意味

傾聴の意味は、「耳と目、心を話す相手に傾けて、相手の話を聴く」ことです。具体的には、まずは話している相手に対して、真摯な態度でのぞみます。その上で相手の話す内容に、関心をもち共感をもって聴き入ります。

そうすることで相互に変化が表れます。聞き手は相手の話を素直に、誠実に受け止めることで、相手の話の内容を自身の中で咀嚼し、相手の言わんとすることを理解することができるようになります。相手を理解することができるようになるのです。この体験が、相手に心を開くきっかけとなります。

話し手側も、相手が心から自分の話に耳を傾け、こちらの言葉の意味を理解しようと努めてくれることが分かります。自分の言葉が相手の心に確かに届いていることを感じ、自分の存在が相手に認められた実感を得ることができるのです。この体験が、相手に心を開くきっかけとなることは少なくありません。

互いに心を通わせる第一歩が、「傾聴」です。心を開かないことには信頼関係を築くことはできません。信頼関係のないところに、ビジネスの話をしても進捗がみられないのは当たり前です。

先輩

新人くんがクライアントの話を傾聴していないことを、相手も気付いていたのかもね。当然、心も開けずパンフレットをみる気にはなれなかったのかも。

「傾聴」の英語は『listen attentively』

「傾聴」の英語表現は、「Listen」自体に「耳を傾ける」という意味が含まれるため、単体で用いても意味は通じるのですが、さらに「親切に」や「注意深く」との意味をもつ「attentively」を用いるとより「傾聴」に近づきます。

I listen attentively your story.
あなたの話に傾聴します。

「傾聴」と<静聴・清聴・拝聴・謹聴>の違い

「傾聴」の同義語は「耳を傾ける」、「聴き入る」。類語は「静聴」と「清聴」、「拝聴」、「謹聴」があります。類語はそれぞれどのような意味をもち、「傾聴」とはどう違うのかくわしくみていきましょう。

静聴とは?

「静聴」とは、人の話を静かに聴いている状態を表す言葉です。たとえば、セミナーで開演前、司会の方がアナウンスする際には、「皆さまお静かに。まもなく開演のお時間ですのでご静聴願います」と使います。つまり、「静かに聴いてくださいね」とお願いする際に使っています

清聴とは?

「清聴」とは、清らかに鎮まって話を聴いている状態を表す言葉です。話を静かに聴いている相手に対して「清らかだ」と敬う場合に使います。セミナーの終わりに講師が「ご清聴ありがとうございました」と使います。そのため、自身を指して「清聴しています」とは使いません

拝聴とは?

「拝」には、「おがむ」との意味があります。そのため「拝聴」は「聴く」の謙譲語で、自らへりくだって、相手に対して話を聴く際に、「お話を拝聴します」と使います

例文

新人

課長のお話を拝聴させていただきます!
使い方間違っているよ

上司

「お話を拝聴させていただきます」は、二重の意味で誤りです。1つは「拝聴」自体に「聴く」という行為が含まれているため、「させて」と行為を含めるのは重複です。2つめは「拝聴」自体に敬う意味が含まれているので、「いただきます」の謙譲表現は重複になります。

謹聴とは?

「謹聴」とは、「拝聴」のさらに丁寧な表現で、敬う立場にある人の話を謹んで聴く際に使います。

例文

新人

課長のお話は、いつも謹んで謹聴させていただいてますよ‼
さらにはげしく使い方間違っているよ

上司

「謹んで謹聴させていただきます」は三重敬語になります。正しくは「課長のお話はいつも謹聴しています」です。

「傾聴」の使い方・例文

具体的に「傾聴」はどのようなシーンで使えばいいのか、ビジネスシーンでの使い方を例文を通してみていきましょう。

「傾聴」の例文

例文1

新人

クライアントのお話を傾聴したところ、A案よりもB案の方がクライアントの利益につながることがわかりました。
すばらしい!傾聴
力がアップしたね。

上司

このように「傾聴」は自分が「傾聴した行為」をほかへ報告する際に用いられることがあります。

例文2

上司

新人くん、この提案書、フランス語ではなく英語になっているよ。
あれ~?おかしいな。ちゃんと課長の話、傾聴して作ったのにな。

新人

相手に面と向かって「傾聴します」とは使いません。この場合は「拝聴」を使いましょう。

[おまけ]「傾聴」は大切なビジネススキル

生まれたときからスマホやパソコンが当たり前に家庭にあるデジタル世代は、とくに「傾聴力」が欠けているというのが一般論です。それはすなわち、「相手の話を熱心に聴く」だけですでに1歩も2歩も同期から抜きんでられるということにほかなりません。

もし尊敬する上司や家族がいたら、その人を注意深く観察してみてください。あなたや周囲の人々の話をよく聴いてくれる存在ではありませんか?「話し上手は聞き上手」ということわざがあります。自分の話をするよりもまず先に、しっかりと相手のリサーチをすることで、何を話すべきか理解できているから話が上手になるのです。

「傾聴」はコミュニケーションの貴重な第1歩。周りの人々の意見を「傾聴」し、周囲の心を開き信頼関係を築くことで、ビジネスをスムーズにすすめましょう。

「傾聴」の意味を理解し使いこなそう

「傾聴」の意味についてご紹介しました。「傾聴」は大切なビジネススキルの1つであり、コミュニケーションを築く基本です。「傾聴」の意味を正しく理解して、ビジネスの現場で使いこなせるようになりましょう。