「碩学」とは「物知り」という意味
ジキル氏の協力者の一人、スイス人碩学、フランケンシュタイン氏の保護、か。
「懐かしい」と思った人はスマホ向けゲーム、『FATE/GRAND ORDER(FGO)(2015年)』をやったことがあるかもしれません。もしくは、『FGO』を手掛けたシナリオライターのファンかも。
この某シナリオライターの作品は癖の強い文体が特徴。彼が好む表現の一つが「碩学」であり、上記のような「碩学」を使ったセリフを連発しています。シリーズのファンからは「碩学汚染」と揶揄されることも。
「碩学」は「学問を広く深く修めていること・人」。硬い表現で日常ではほとんど聞いたことがないかもしれません。それこそ『FGO』の世界でない限り…
「碩学」の使い方・例文
「碩学」の具体的な使い方を例文を通して確認していきましょう。
・イギリスの碩学スペンサー氏の説に基づいて研究を進める ・碩学の講義を受講することの価値を彼らは気づいていない ・五山碩学(ござんせきがく)の中から派遣される僧侶が選ばれた ・学問が盛んになり碩学大儒(せきがくたいじゅ)を続々排出した ・老齢だが健在で、碩学として活動しているはずだよ
「碩学」は一つの学問だけではなく、いくつもの分野にわたり造詣の深いこと・人を指します。
『モナ・リザ』で有名な「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は芸術だけではなく、建築学、数学、天文学など様々な分野で功績を残した文句なしの「碩学」と言えます。
現在は学者に対して使うことがほとんどですが、かつては僧侶に対しても使用しました。江戸時代に優れた僧侶の中から選ばれて手当を受けた人を「五山碩学」と呼びました。「五山」は対象となる5つの寺のことを指しています。
「碩学大儒」と四文字熟語として使うことも。「儒」は学者のことで、「学問を広く深く修めた人」という意味です。
最後の「老齢だが~」は再び『FGO』からの引用。このセリフは大丈夫ですが、ちょっとおかしな使われ方も。
『FGO』では自らを「碩学」と名乗る、一つの学問のように扱うといった使い方がされています。これらは正しい使い方とは言えません。『FGO』で「碩学」を知った人も、使い方は改めて学びましょう。
「碩学」を使う際の注意点
「碩学」は「学問を広く深く極めた人」という意味なので、自らを指すとかなり尊大に聞こえます。こういうキャラづくりだとしたらいいかもしれませんが、真似しないように。
また、「碩学」は特定の学問を指すものではありません。「大学では碩学を研究した」といった使い方はできないので注意。
「碩学者」も間違い。「科学者」「歴史学者」のような使い方はしません。「碩学」だけで「人」の意味も含みます。
「碩学」の類語
「碩学」と似たような字面の言葉に「顕学(けんがく)」があります。字面は似ていますが、意味は微妙に異なります。
「顕学」の意味は「有名な学問・学者」。ちなみに、「顕学」も『FGO』に登場します。
「碩学」と意味が似ている表現として「博学(はくがく)」が挙げられます。ほぼ同じ意味ですが、「人」という意味はなく、「博学者」という表現が可能です。
「碩学」の英語表現
「碩学」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
He is known as one of the best scholars of Japanese literature, culture, and Confucianism ⇒彼は国学者、儒学者であり、屈指の碩学として知られている
「碩学」は「the best scholar(もっとも優れた学者)」や「the greatest scholar(もっとも偉大な学者)」で表現することができます。
教養として
「碩学」はあまり使う機会がないかもしれません。「碩学」をこのページで知った人も、またはゲームで知った人もいい機会です。教養として読みと意味だけでも覚えておきましょう。