「席巻」とは「ガンガン領土を拡大していく」という意味
漫画市場を席巻する 不動の『ONE PIECE』、最近急上昇の『鬼滅の刃』などが漫画市場を席巻した作品と言えます。普段漫画を読まない人にも知られるほど浸透して、アニメ化やグッズ化はもちろん、様々なコラボもされている人気作品ですよね。 『席巻(せっけん)』の意味は「ガンガン領土を拡大していく」。もともとは戦争についてのワードでしたが、現在はもっぱら例えとして使われています。 「席巻」は古代中国の書物、『戦国策』に登場する表現。敵の領地をガンガン攻め落としていく様を敷物を端からクルクル丸めていく様子に例えました。 ちょっと独特な例えですが、敷物が手を離れて勢いよく丸まっていく様は容易に想像できるのではないでしょうか。 「席」は「草や竹で編んだ敷物」を指し、「巻」は文字通り「巻く」こと。「巻」はもともとは「捲」ですが常用外漢字のため、「巻」に改められることが多いです。このページでは「席巻」に統一します。 「席巻」は知らないと「せきかん」「せっかん」と読んでしまいたくなりますが間違い。「巻」を「けん」とする読み方は一般的ではないため、「席けん」と書かれることもあります。 また、「巻」を「券」に書き間違えてしまうことも。これを機会に読みと漢字をしっかり覚えておきましょう。 「席巻」の具体的な使い方を例文を通して確認していきましょう。 ・信長は大胆さと緻密さをもって戦国時代を席巻した ・彼女はアイドル戦国時代を席巻していく逸材と評判だ ・弊社の新商品は業界を席巻していけると自負しております ・過去に市場を席巻した商品を調査したことが新商品開発のヒントに 現在使われる「席巻」の多くは市場や業界で人気・話題という意味。他の物が目に入らないくらいそれ一色に染められる様子を例えています。 とはいえ、本来の戦争での「席巻」も使われないわけではありません。外国の戦争・紛争のニュースで見聞きすることがあります。 また、現在流行している新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るう様子を「席巻」で表すことも。 良くも悪くも、ガンガン勢力を伸ばす物事は「席巻」で表すことができます。 「席巻」の言い換え表現を見ていきましょう。 ・一世風靡(いっせいふうび) ・時代の寵児(ちょうじ) 「一世風靡」は「ある時代に大流行する」という意味。「風靡」は風が草木をなびかせる様子を表しており、人々が従う様子を例えています。「一世を風靡する」といった使い方もできます。 ・当時、一世風靡した歌を聞いて懐かしくなる ・かつては流行語になるほど一世を風靡した 「時代の寵児」は「ある時代にもてはやされる人」を表す言葉。才能や人気が世間から認められて成功した人のことをこう表現します。人ではなく企業や商品に使うことも。 ・IT時代の寵児として連日メディアを賑わせた ・倒産したA社はかつては時代の寵児として業界をけん引していた 「席巻」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。 Japan’s manufacturing industry dominated the world ⇒日本の製造業はかつて世界を席巻していた 「dominate」は「占領する」という意味ですが、「席巻」のように例えでこのように使うことが可能。「conquer(征服する)」も同じように使うことができます。 「席巻」はビジネス関連の話題でよく使われるワード。「席巻」するような商品・サービスは業界関わらず要チェックですね。「席巻」の由来
「席巻」の読み方
「席巻」の使い方・例文
「席巻」の類語
「席巻」の英語表現
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