ベクトルとは「方向と勢い」という意味
ベクトルとは、簡単に説明すると「方向と勢い」のこと。
理系の科目が苦手な人は「ベクトルをみるだけで拒否反応が出てしまう」とげんなりしているかもしれませんね。
でも、ベクトルは理系科目の中だけに登場する言葉というわけではありませんよ。日常の会話でも使われる言葉です。
そして、日常会話のベクトルは、数学や物理のベクトルと違ってわかりやすい意味の単語になっています。
ビジネス会話にも役立つ「日常の会話のベクトル」を習得し、社会人としてレベルアップしましょう。
数学や物理のベクトルって何?わかりやすく説明!
数学や物理のベクトルは「大きさと向きをもつ量」という意味です。
ベクトルは、A地点からB地点に最短距離で移動するためには「どの方向にどれだけ進めばいいか」を表したものです。
A地点とB地点を結ぶ矢印がベクトルになります。
日常会話で使うベクトルの意味は「方向と勢い」
一般的な会話に登場するベクトルは、数学や物理のベクトルを比喩として用いた言葉です。
日常生活の会話でベクトルが出てきたら、次のような意味になりますよ。
・方向
・物事の向かう方向と勢い
数学や物理のベクトルの説明で登場した矢印を思い浮かべてみてください。矢印を使うと、どの向きにどのくらい進むのかがひと目でわかるようになりますよね。日常的な会話の中では、物事が進む方向やその勢いをイメージしやすくなる言葉としてベクトルが使われます。
ビジネスシーンにおけるベクトルの意味・使い方
ビジネスでのベクトルの意味 は、主に次のようなニュアンスで使われます。
・方向性
・考え方
・目標
ビジネス会話でのベクトルが、日常会話に登場するベクトルの「方向」や「向き」などの意味で登場する場合もあるので注意しましょう。
ベクトルを使った例文
ビジネスでは、ベクトルという言葉を会議や打ち合わせなど、実務に関する方向性を社員同士で共有するときに用います。ミーティングなどの〆言葉で「このベクトルで進めましょう」のようにいわれた経験はありませんか?
また、「ベクトルを一致させるため、研修を欠かさない」などのように、社員の目標や心構えを統一するという意味合いでもベクトルは使われます。
ベクトルが向く
新人
上司
この場合の「ベクトルが向く」は、周囲の意識が新人君に向けられて視線が集中したというニュアンスで使われています。
ベクトルが一致
新人
先輩
先輩がいっている「ベクトルが一致」とは、社員が食い違いなく同じ考え方ができるようになることを意味しています。
ベクトルを合わせる
新人
上司
この例文での「ベクトルを合わせる」は、違う考え方をしている新人君と先輩が同じ考え方ができるように、2人の意見を近づけていくという意味です。
ベクトルを最大化
先輩
上司
上司さんがいう「ベクトルを最大化」とは、チームが一致団結して最大の力で目標に向かって突き進むというニュアンスです。
同じベクトル
新人
上司
ここでの「同じベクトル」は、同じ方向性という意味です。後追いでライバルと似たような商品を発表したら、せっかくの新商品なのにインパクトが薄れてしまいますね。
ベクトルが違う
新人
上司
この例文での「ベクトルが違う」は方向性が違うという意味です。
ベクトルの英語の意味は?
ベクトルは、ドイツ語の「vektor」からカタカナ語になりました。
カタカナ語のベクトルは、英語に訳すと「vector」というスペルになり「ヴェクター」と発音します。
英語の「vector」とドイツ語の「vektor」はつづりが似ていますよね。それもそのはず、どちらも「運ぶ者」という意味の同じラテン語から生まれた兄弟のような言葉なんです。
英語の「vector」は、次のような意味で使われていますよ。
・動径
・方向
・進路(方位)
・媒介動物
・保菌生物
英語の「vector」には「媒介動物」や「保菌生物」など、カタカナ語のベクトルにはない意味もあります。
ベクトルは日常で使う言葉
数学や物理など理系科目に出てくるベクトルは「大きさと向きをもつ量」という意味です。高校で勉強しますが、ややこしいので苦手な人も多いですよね。
しかし、ビジネスやプライベートの会話に登場するベクトルは「方向」や「考え方」「目標」などわかりやすい意味で使われます。
日常的な使い方をするベクトルは、理系科目用語のベクトルと違って難しくありません。身構えずに会話に取り入れてみましょう!