「辛辣」は「超辛口」
辛辣で草
これは、ネット上でよく見かけるコメントです。ネット掲示板やSNSで「辛辣」を知ったという人もいるかもしれません。
「辛辣」とは「超辛口」という意味。物の見方や発言、態度などが非常に厳しめであることをこのように表現します。
「辛辣で草」は「超辛口コメントで笑える」という意味の決まり文句。この反応がほしいがために、わざと辛口意見を書く人もいるようです。
何かのためになる「辛辣」とは
「辛辣」は必ずしも悪いものだけではありません。非常に厳しいものでありながらも、真っ当であり、その人や物のためになるようなものもあります。
自分が満足する仕事じゃなくてお客さんが喜ぶ仕事をしなきゃ!
このような辛口コメントであっても、結果的に何かのためになるケースもあるのです。
「辛辣」は文字通り「辛口」だった?
「辛口」は厳しい見方やコメントだけではなく、食べ物の「辛さ」が強い場合にも用います。
実は、同じように「辛辣」も元は味覚の「辛さ」を表現する言葉。しかし、辛い物を食べて「辛辣だな」いう発言は聞いたことがありませんよね。現在はラーメン屋さんや中華料理屋さんの料理名で使われるくらいのようです。
「辛辣」の使い方・例文
「辛辣」の具体的な使い方を例文を通して確認していきましょう。
・辛辣な意見こそ貴重なアドバイスである ・辛辣な評価に心が折れそうになる ・新事業には辛辣な声も多い ・辛辣な態度で新人に接する ・辛辣な風刺に定評のある記者 ・彼の批評は辛辣を極めると評判だ
「辛辣」の後には、「意見」「評価」「コメント」などが続きます。「態度」や「風刺」など言葉を伴うもの以外に使うこともあります。
また、「辛辣を極める」という表現も。「辛辣」だけでも「非常に厳しい」ですが、さらに「厳しさ」を強めた表現が「辛辣を極める」。「辛さ」に例えたら「激辛」ですね。
「辛辣」の類語・対義語
「辛辣」の類語&対義語表現もあわせて確認していきましょう。
・辛口(からくち) ・毒舌(どくぜつ) ・痛烈(つうれつ)
「毒舌」とは、厳しいことや悪口をいうこと。その中には「辛辣」な言葉も含まれます。「毒舌」な人(毒舌家)がいう言葉の一つが「辛辣」。
「痛烈」は「激しい・厳しい」様子を「痛み・衝撃」に例えた表現です。「痛烈な意見」「痛烈批判」と「辛辣」と同様の意味で使うことができます。「痛烈な痛み」「痛烈な打撃」と比喩ではない使い方も。
・柔和(にゅうわ) ・遠慮(えんりょ)
「柔和」は優しく穏やかな様子、「遠慮」は気を遣って言動を控えめにすること。それぞれ「辛辣」とは真逆の意味といえます。
「辛辣」の英語表現
「辛辣」は「harsh」で表現することができます。
He made a harsh remark ⇒彼は辛辣な発言をした
また、「criticism」で「辛辣な(批判的な)評価」と表現することも可能。
役立つ「辛辣」を見分けよう
「辛辣」な意見、評価は決して耳障りのいいものではありませんよね。ですが、中には自分が成長する手助けとなる貴重なヒントが含まれていることも。単なる悪口と、厳しいけれど役立つ意見を見分けられるようになりましょう。