「招聘」とは「招待+敬意」という意味
優秀な外国人を招聘する
研究機関やスポーツチームに属している人は「招聘」という言葉を使うことがあるかもしれません。しかし、かなりお堅い表現なので日常的に使うことはほとんどないでしょう。
「招聘(しょうへい)」の意味は「丁重にお招きする」。外国から研究者やスポーツ選手等を招く際などに使われますが、招く相手は外国人とは限りません。国内の人に対しても「招聘」は使うことができます。
「招聘」の読み方
「招聘」の「聘」は常用漢字ではないため、「招へい」と書かれることも多いです。このページでは「招聘」に統一しますが、どちらの書き方も押さえておきましょう。
「招聘」の使い方・注意
「招聘」の使い方・注意点を例文を通して見ていきます。
・後任の監督にA氏を招聘 ・外部から経営陣を招聘する ・A社の招聘に応じてドイツへ旅立つ ・先生が招聘講演を行いました ・招へい理由書の目的は詳細に記載してください
ニュースで取り上げられる「招聘」はスポーツの日本代表監督や著名な大学の教授に対するものが多いですが、有名人以外にも「招聘」を使うことは可能。
「招聘講演」「招聘教授」「招聘研究員」といった使い方もあります。
『招へい理由書』は国内に外国人を迎える際に必要な書類。短期滞在で、報酬を得ることが目的ではない場合で、ビザ免除国以外からの外国人が対象です。工場見学や視察の他、友人や恋人を呼ぶためにも使用。
「招聘」の注意点
実は、「招聘」は目上の人には使えない表現。著名人に使われることも多いため誤解されやすいのですが、「招聘」には「上の立場から人を好待遇で招く」というニュアンスがあります。
スポーツチームの監督は運営に、教授は大学に招かれると考えると納得できるかもしれません。
そのため、明らかに目上の存在、例えば国や企業のトップに対して使用すると失礼になります。また、個人が個人に対して「あなたを招聘したい」と発言するのも目下に見ている感じに。
「招聘」の類語
「招聘」は個人で使うには少々注意が必要な表現。同じような意味の類語表現も見ていきましょう。
・招待(しょうたい) ・招請(しょうせい) ・招致(しょうち)
いずれも「招聘」と同じく「丁重に招く」ですが、微妙に違いがあります。
「招待」はよく使いますよね。VIPから子どもの誕生日会まで幅広く使用可能。
「招請」の意味は「頼んできてもらう」です。こちらも立場関係なく使用でき、国や企業のトップに使用することが多い表現。
「招致」も立場は関係ありません。また、人だけではなく「行事」に対しても使用します。
・世界的な音楽家の招致に成功 ・オリンピックを招致するため全力を尽くした
「招聘」の英語表現
「招聘」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
The manager was invited as a professor ⇒その社長は教授として招聘された
「invite」で「招聘」を表すことができます。また、海外から人を招く際の『招へい理由書』は「invitation letter」。
類語表現もあわせて
「招聘」は普段使うことはないかも。ですが、詳しい意味がわかるとニュースの見出しだけで背景が見えてくるかもしれません。「招請」や「招致」もあわせて覚えておきましょう。