ニアミスとはいろいろな意味をもつ言葉
上司
先輩
上司
皆さんはニアミスをどんなニュアンスで使ってますか?
日常会話でニアミスが登場するときには「すれ違う」という意味になる場合が大半です。しかし、ニアミスの意味はそれだけではありません。
いろいろなニュアンスをもつニアミスについて勉強しましょう!
ニアミスのもともとの意味は「航空機同士の異常接近」
ニアミスはもともと、飛行中の航空機が空中で衝突する危険があるほど異常に接近することを意味する言葉です。
ここから意味が広がって、ニアミスは別のシチュエーションでも使われるようになりました。
カタカナ語のニアミスの意味は?
ニアミスの本来の意味は「航空機同士の異常接近」ですが、プライベートやビジネスの会話では、ほかのニュアンスでニアミスを使うケースがほとんどです。
「航空機同士の異常接近」 から派生したニアミスの意味を確認しましょう。
ニアミスの意味①:人同士の接近
ニアミスを人に対して使うときには次のような意味になります。
・本来近づいてはいけない人間どうしが近づくこと
・偶然にすれ違うこと(でも、会ってはいない)
仲が悪いなど、何かの理由があって会わせないほうがいいもの同士が思いがけず接近してしまったというのがニアミスです。
また、仲の良し悪しなど、事情に関係なく「ニアミス」を使う場合もあります。偶然知り合いが自分と同じ場所にいて、でも直接会ってはいない状況があったとします。その場を離れた後に、実は相手もその場所にいたことを知る場合もニアミスといいます。
ニアミスの意味②:惜しい・残念
ニアミスの2つ目の意味は「惜しい」や「残念」です。
もう少しでうまくいきそうだったのに失敗したなど、惜しくも逃したというときに「ニアミスした!」のようにいいます。
親しい友人とニアミスですれ違っていたら「惜しかった」「残念だ」という気持ちになりますよね。この意味は、そこから連想して覚えましょう。
ニアミスの意味③:未然事故
未然事故は、起こりそうだったけど起こさずに済んだ事故のこと。製造業や医療分野で用いられるワードです。
「1件の事故の後ろに見逃された大量のニアミスがある」などのように使います。
たまたま運よく事故が回避された場合と、寸前で誰かが気付いて事故をまぬがれたケースのどちらもがニアミスです。
ただし、医療分野では、実際には事故につながらなかったものの、ヒヤリ、ハッとした出来事のことを「ヒヤリハット」と呼ぶことが多いです。
ニアミスの意味④:至近弾
至近弾は、爆撃や射撃で目標に直撃はしなかったけれど、爆風や破片などによって被害を受ける可能性がある距離の着弾のこと。
ニアミスは英語でなんていう?
カタカナ語だと、ニアミスというひとことで複数のニュアンスを表現できます。
しかし、英語でニアミス「near-miss」といった場合は「航空機同士が異常接近して衝突しそうになる」というたったひとつの意味にしかなりません。
日本語のニアミスに近い英語表現は次のようになります。
【すれ違った】
・nearly missed
・just missed
・almost missed
・pass by
【惜しい】
・close
【未然事故】
・close shave(危機一髪)
シチュエーションにあわせて語句を使い分けてください。
【類語】ニアミスとニアピンに違いはあるの?
ニアピンは、競技やゲームなどで使うのが一般的な「惜しい」という意味の言葉です。
ニアミスも「惜しい」という意味をもっています。しかし、ニアミスは、残念だというニュアンスがあるのであまり喜ばしいときには使用しません。
ニアピンは、ニアピン賞などちょっとうれしいプラスの言葉としても用いられるのでそこが少し違いますね。
ニアミスの使い方・例文
一般的なビジネスでは「人同士の接近」という意味でニアミスを使用するケースが大半です。この意味でのニアミスの使い方を例文でイメージしてみましょう。
上司
新人
上司
先輩
新人
先輩
「近い」と「残念」がニアミスの意味を理解する鍵!
ニアミスのもともとの意味は「航空機の異常接近」です。
「航空機の異常接近」にある「近い」というニュアンスから、「すれ違い」や「未然事故」という意味が派生しました。このようにして複数の意味を表すことになったニアミスは、さまざまなシチュエーションで用いられるカタカナ語になりました。
ニアミスには「惜しいミス」という意味もあります。すれ違って残念だという気持ちから「残念」→「惜しいミス」と連想すると覚えやすいですよ。
ニアミスの意味を正しく理解し、使いこなせるようになりましょう。