「所為」の意味は…「お前が原因だ!」
あのミスは僕の所為ではありません。彼の所為ですよ
実際そうだとしてもこんなことはいえないですよね。使いようによっては言い訳がましく聞こえてしまう、「所為(せい)」。
「所為」は、何か悪いことが起こった原因・理由のこと。「彼がやる気になったのはあなたの所為ですよ」のように皮肉っぽくいう場合を除いて、基本的には「悪いこと」に対して使ういます。
「所為」の読み
「所為」は「せい」と読みます。漢字では書かずひらがなで使うという人も多いのではないでしょうか。「所為」の読み方を知らない人は「しょい」と読んでしまうかも。笑えますね…とはなりません。
実は「所為」は「しょい」と読まれていた言葉。それがいつの間にか「せい」とも読まれるようになり、「せい」と読む人の方が多くなりました。
また、「悪いことの原因」という意味の他、「したこと・行い」という意味でも使われています。読みと同様、こちらもあまり現代では使われませんよね。
・自分の所為には責任を持ってください ・ひどい所為をするもんだ
「せい」と読んだら「悪いことの原因」、「しょい」を「したこと・行い」と使い分ける場合もあります。
「所為」の使い方・例文
「悪いことの原因・理由」という意味の「所為」の使い方を例文で確認していきましょう。
・プロジェクトが滞っているのは誰の所為ですか? ・雨が降った所為でイベントは中止に ・年の所為か疲れやすくなった ・誰かいる気がするなんて気の所為じゃないの?
「所為」にできるのは「人」だけではなく、「天気」や「年」、「気」なども。
「所為」を使う際の注意点
「所為」ですがビジネスではちょっと使いにくい表現ではないでしょうか。というのも、どうしても言い訳していたり、責めたりしているように聞こえてしまうからです。
・売り上げが落ちたのは例の騒動の所為です ・売り上げが落ちたのは例の騒動が原因です
「所為」を「原因」と言い換えるだけでも、いくぶんかフラットな立場で発言しているように聞こえます。あえて責任を追及する際や叱る際などは「所為」は有効かもしれません。
「所為」の類語
「所為」と字面が似た言葉に「所謂」「所以」「所詮」があります。4つ並べると頭が痛くなっちゃいますよね。
字面は似ていますが、それぞれ別の意味を持つ言葉。読みも異なります。
・所為(せい)⇒悪いことの原因・理由 ・所謂(いわゆる)⇒世間でいう ・所以(ゆえん)⇒根拠 ・所詮(しょせん)⇒結局は
「所」から始まると「しょ〇〇」と読んでしまいたくなりますが、素直に「しょ〇〇」と読めるのは「所詮」ぐらいでどれもクセのある読み方をします。
・君の所為で大損だよ! ・所謂、フリーターってやつですかね ・彼が若手トップといわれる所以はその人心掌握術にある ・所詮は他人だしなぁ…
「所謂」についてはこちらでも詳しく解説しています。
所謂の意味とは?読み方は?使い方から類語、英語表現など詳しく解説!
「所為」の英語表現
「所為」を英語に訳す場合は「fault」を使用します。
It’s your fault I couldn’t go ⇒あなたの所為で行けなくなりました
「fault」は「ミス」とも訳すことができ、「所為」と同じく非難するような表現。フラットにいいたいのであれば、「because of」やフォーマルな表現、「due to」を使いましょう。
人に対しては使わない方が無難
「所為」は「人」に対して使うと非難になってしまうので使い方には注意が必要です。言葉の「所為」をなるべく使わないように心がけると、言い訳や人の所為にする考え方も改められるかもしれません。