キャッシュフローとはどんな意味?キャッシュフロー計算書の見方や作り方も解説

キャッシュフローとは「現金の収入と支出」という意味

新人

キャッシュはお金っていう意味ですよね?
そうだけど、それがどうしたの?

先輩

新人

部長からキャッシュフローを用意しておくようにいわれたんですが、札束風呂を作っておけばいいんでしょうか?

新人君はとんでもない勘違いをしていますね。フローを風呂と解釈しちゃったようです。

キャッシュフローとは、「現金の収入と支出」のことです。

社会人なら押さえておきたいキャッシュフローを習得しましょう!

英語のキャッシュフロー(cash flow)の意味は?

キャッシュフローは英語表記すると「cash flow」。それぞれの単語の意味は次の通り。

「cash」=現金

「flow」=流れる

直訳すると「現金が流れる」となりますが、「cash flow」は次のような意味で使われるのが一般的です。

cash flow
・現金資金
・企業内の現金の流出入

一定の期間に、企業に入ってきた(得た)現金と外に出した(払った)現金が「cash flow」になります。要するにお金の流れを意味しています。

キャッシュフローについてわかりやすく解説

キャッシュフローは、ビジネスでとても重要なワードのひとつです。それこそ企業の存続を左右してしまうような単語なので、ビジネスマンなら知っておきたいところ。

キャッシュフローとは何か?

カタカナ語のキャッシュフローは、次のような意味をもっています。

キャッシュフロー
・資金の流れ
・現金の収入と支出
・投資に必要な資金とそれによって得られる収益

英語の「cash flow」とカタカナ語のキャッシュフローは同じ意味ですね。簡単な例でキャッシュフローを考えてみましょう。

1ヶ月の間に、1個100円の商品を100個仕入れて、1個150円で全て売ったとします。

仕入れ代金の支払いも、売った商品の代金の入金も済んでいます。人件費などの費用は1,000円で、これも支払済みです

今月のキャッシュフローを計算してみましょう。

(15,000円:入ってきたお金)-(10,000円+1,000円:出ていったお金)=(4,000円:キャッシュフロー)

このような感じになります。イメージできましたか?

売上・利益・キャッシュフローの違い

キャッシュフローと間違いやすい売上や利益についても確認しておきましょう。

売上というのは、商品を販売するなど事業で売り上げた代金の総額です。1個150円の商品を100個売ったのなら、

売上の計算

150(円)×100(個)=15,000(円)

売上はこうなります。ただ、実際には様々なコストがかかってきますよね。

利益は、売上から仕入れ代金や加工費、人件費などの費用を引いたもの

先ほど計算した売上から、仕入れ代金10,000円と人件費1,000円の合計である11,000円を引くと、

利益の計算

15,000(円)-11,000(円)=4,000(円)

となります。これが経費を差し引いた利益ということになりますね。

売上と利益の計算に登場する金額は、実際に現金が動いているとは限らないので注意してください。

たとえば、人件費は、日払いの給料でない限り支払いが後日になります。キャッシュフローは、実際に動いたお金しかみないので、その点が売上や利益と違います。

「キャッシュ・アフトフロー」と「キャッシュ・インフロー」

「外に」=「アウト(out)」、「中に」=「イン(in)」といいますよね。

現金が外に出ていくことはキャッシュ・アウトフロー。現金が中に入ってくる場合はキャッシュ・インフローと呼ばれます。

このキャッシュ・アウトフローとキャッシュ・インフローを合わせたものがキャッシュフローです。この3つはセットで覚えておきましょう。

キャッシュフロー計算書って何?英語で書く機会もある?

現金の流れを意味するキャッシュフローは理解できましたか?次はキャッシュフローの使い方の代表例、キャッシュフロー計算書について勉強してみましょう。

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書は、企業の一会計期間での現金と現金同様に扱われる3ヶ月以内の定期預金や譲渡性預金(譲渡が可能な定期預金)などの増減をまとめたものです。

資金の流れや増えた減ったの状況から、会社の経営状態を確認できます。

キャッシュフロー計算書を英語で作成する業種って?

キャッシュフロー計算書は、英語だと「Statements of Cash Flows」といいます。

外資系の企業では、英語のキャッシュフロー計算書が用いられる場合が珍しくありません。

外資系企業と取引する機会のある人は、英語のキャッシュフロー計算書を読まなければならないときがくるかもしれません。

キャッシュフロー計算書の作り方

ビジネスでは、売上があったのに入金は後日になる場合がよくあります。お金がないときに、仕入れ代金の支払いや税金の納付期限がきてしまったら大変ですよね。

黒字倒産のリスクを下げるため、キャッシュフロー計算書はとても重要な意味をもつ書類です。作り方の基礎を学んでおきましょう。

キャッシュフロー計算書の作成では「間接法」を使う

キャッシュフロー計算書には直接法と間接法があります。直接法のほうが細かい現金の流れは把握できますが、作るのが大変なので間接法を使っている企業が大半です。

間接法は、損益計算書(企業の一定期間の収益と費用をまとめたもの)から、現金の増減に関係する項目を抜き出してくれば作成できます。

間接法によるキャッシュフロー計算書の作り方

キャッシュフロー計算書は次の3つの項目に分かれています。

営業活動によるキャッシュフロー:本業で増減する現金の流れを表す

投資活動によるキャッシュフロー:事業を大きくする設備投資での現金の流れを表す

財務活動によるキャッシュフロー:資金調達や借入金の返済など企業の財務に関わる現金の流れを表す

それぞれの項目を現金の増減で表現するのが間接法です。

キャッシュフロー計算書をみてみましょう。例として営業活動によるキャッシュフローの書き方を紹介します。

営業活動によるキャッシュフロー(円)
税金等調整前当期純利益500,000
減価償却費1,000
有価証券評価損益100
売掛金の増減−5,000
たな卸資産の増減2,000
買掛金の増減−6,000
小計492,100
法人税等−200,000
営業活動によるキャッシュフロー292,100

足し引きする各項目は、損益計算書の数値をもってきます。

キャッシュフローの減価償却費はなんでプラスするの?

減価償却費とは、設備や備品などを購入したときにその購入代金を一度に費用として計上するのではなく、分散して少しずつ費用計上するもの。

減価償却費というのはその時期に支払った現金ではありません。

しかし、損益計算書の税金等調整前当期純利益は、減価償却費が費用として事前に引かれています

そのため、キャッシュフローでは、減価償却費をプラスして実際の現金の増減に戻さなければなりません

有価証券評価損益や売掛金の増減も減価償却費と同じように考えましょう。利益や損失として損益計算書に計上されていても、実際には現金が出入りしているわけではありません。プラス・マイナスして実際の現金の動きに合わせてください。

キャッシュフロー経営がうまくいっている会社の特徴

キャッシュフロー経営が、うまくいっている会社の特徴をみてみましょう。

優良企業のキャッシュフロー計算書では、一般的に営業活動によるキャッシュフローはプラス。投資活動によるキャッシュフローはマイナス。財務活動によるキャッシュフローもマイナスになっている場合がほとんどです。

営業活動によるキャッシュフローのプラスは本業が順調な証。投資活動によるキャッシュフローがマイナスだと、投資に積極的な企業なのだろうと予想できます。

財務活動によるキャッシュフローがマイナスだと、借入金の返済が順調という企業が大半になるためです。

キャッシュフロー表って何?

キャッシュフロー表は、現在から将来にわたっての家計に入ってくる現金、出ていく現金の流れをみるための表です。

家族構成・年齢・ライフイベントとそれに必要な資金・収入や支出・貯蓄残高を予想しながら作っていきます。

2020年2021年2023年2034年
40歳41歳43歳54歳
35歳36歳38歳49歳
長男5歳6歳8歳19歳
ライフイベント七五三入学

車購入

旅行大学進学
父年収500万500万500万500万
母年収100万100万100万100万
収入合計600万600万600万600万
生活費200万210万210万230万
住居80万80万80万80万
教育費10万20万20万240万
保険20万20万20万20万
400万10万10万
その他支出10万15万20万80万
一時的な支出10万

(七五三)

30万

(旅行)

支出合計330万745万390万660万
年間収支270万−145万210万−60万
貯蓄1,000万855万1,310万680万

あくまで予想の金額にはなりますが、収入・支出・貯蓄額の変化や車・住宅の購入、子どもの進学、旅行など大きなお金が必要になる時期は押さえられます

キャッシュフロー表は、一度作って終わりにするのはもったいないです。予定どおりに家計が成り立っているか、年度末などに見直しをおすすめします。

キャッシュフローゲームで遊びながら学んでみるのもあり

キャッシュフローを学べる本やゲームがあります。

本好きな人におすすめなのが「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」という書籍です。出版から20年以上経つ古い本ですが、今の時代に合うように改定されているので、現代のビジネスマンにも役立つ一冊になっています。

読書はちょっと苦手という方には「キャッシュフロー 101」。「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」の本に書かれた内容を楽しみながら学べるボードゲームです。スマホ版もありますよ。

キャッシュフローの使い方・例文

「現金の収入と支出」という意味のキャッシュフローは、企業の財政に関わる会話に登場するケースがほとんどです。

どのように使うのか、例文でイメージしましょう。

例文1

上司

今期は非常に難しい経営を迫られていて、キャッシュフローに余力がない状態に陥っているんだ。
お得なクーポン券を販売したら、キャッシュフローに貢献できませんか?

先輩

上司

いい考えだ。状況が回復した後に、お客様に戻ってきてもらう布石にもなるね!
例文2

上司

今、我が社のキャッシュフローは潤沢だから、キャッシュフローを再投資することにしたよ。
長期的に適度なキャッシュフローを維持するため、余裕があるときに積極的なチャレンジをするのは大切なんですね!

新人

キャッシュフローの見方がわかると会社の状態を推測できる!

企業では、売上が上がって利益は出ているのに、会社にはお金がないという期間がしばしばあります。

現金がないにも関わらず借入金の返済を迫られたり、税金の納付期限がきたりしたら大ピンチ。キャッシュフローの見方を理解して活用できると、会社の状態の良し悪しを読み取れるようになります。

就職先を選ぶとき、取引先の状況を確認するときなどに、キャッシュフローを役立てましょう。