シャビーとは『粗末な』『みすぼらしい』こと
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2020年の新型コロナ関連の話題で、政治家である甘利明(あまりあきら)氏が発言した中に『シャビー』というカタカナ用語が登場しました。
インテリア関連で仕事をしている人にはなじみ深い言葉でしょう。しかし、一般的にはまだ広くは知られていないため、上の会話の新人くんのように疑問に思った人もいると思います。
そこで今回は、シャビーの正しい意味や使い方のほか、よく似たニュアンスの言葉についてもわかりやすく解説します。
シャビーの英語は『shabby』
カタカナ用語のシャビーは英語の『shabby』がもとになっており、こんな意味をもつ単語として使われています。
■みすぼらしい
■粗末な
■着古した
■使い古された
■卑しい
■ボロをまとった など
そして、熟語ではこのような使い方をします。
■shabby house(みずぼらしい家)
■shabby clothes(ボロボロな服)
■shabby treatment(粗末な待遇)
■wear shabby clothes(みすぼらしい格好をしている)
主に、見た目の悪さを表現する際に使われているのがわかりますよね。そのほか、日本語でなんとなく貧相な様子を表す場合に『しょぼい』といった言い方をしますが、これも『shabby』で表現することができます。
しかし、悪いイメージのある『shabby』も、非定型の『not』をつければこんな肯定的な表現に変わるんです。
Not too shabby(素晴らしい、立派な)
ビジネスシーンにおけるシャビーの使い方
英語では『見た目の悪さ』を表現する際に使われることが多いシャビーですが、ビジネスシーンにおいては『粗末な待遇』『しょぼい金額』というように、『状況』『様子』に対しても使います。
会話例も少し紹介しておきますね。
上司
シャビーを他の表現に言い換えるとしたら?
シャビーという言葉が、なんとなくどんなニュアンスで使えるのか理解できても、相手に伝わらなければ意味がありません。そんな場合は、次の言い換え表現で説明が可能です。
・しょぼい
・粗末な
・みすぼらしい
・古めかしい など
インテリアにおけるシャビーの意味
『粗末な』『みすぼらしい』の意味をもつシャビーは、日本では主にインテリア関連用語として、製品のデザインや雰囲気に対して使われています。
インテリアのシャビーは「古めかしい」
インテリア用語としてのシャビーは『古めかしい』の意味で使われています。『シャビーなチェスト』といえば『古めかしいデザインのチェスト』、『シャビーな椅子』といえば『古めかしいデザインの椅子』を指しています。
古くなって木が傷んだり、ペンキが剥がれたりして古くなった様子をシャビーというわけですが、新しい製品でもこのような古めかしいデザインにする手法があります。これを『シャビー加工』といいます。
古くなったような白を塗って仕上げているものを『シャビーホワイト』、ブルーで仕上げているものを『シャビーブルー』と表現することも多いです。
先輩
シャビーシックといえば上品さもプラス
インテリアをいろいろ見ていると『シャビーシック』といった言葉もよく登場しているのに気づくかと思います。
文字を見ても想像できるように『シャビー(=使い古された)』と『シック(=上品さ)』をあわせた言葉で、古めかしいながらも上品さがあるインテリアを表現する際に使われています。
シャビー加工の場合は、ペンキが剥がれた様子など、古くなったイメージで作られています。しかし、シャビーシックは、昔の雰囲気が漂うデザインという要素が強く、傷んだ加工をしていないものも多く存在します。
そのほか、シャビーでありながらモダン(=現代的)なテイストを取り入れるリフォームも流行っています。そして、このようなデザインは『シャビーモダン』『モダン×シャビーシック』と呼ばれています。
シャビーとアンティークの違い
『古いもの』といわれて、多くの人が頭に思い浮かべのは『アンティーク』ではないでしょうか。しかし、この『シャビー』と『アンティーク』には明確な違いがあるんです。
【アンティーク】
歴史的な価値のある、美術品や小道具のこと。
【シャビー】
歴史を感じさせる、アンティーク風なスタイルのこと。
これらのほかに、古いものを表現する言葉として『ヴィンテージ』がありますよね。アンティーク同様に歴史的な価値のあるものに対して使われますが、アンティークとヴィンテージには年月での差があります。
■ヴィンテージ…製造してから約25年~100年未満が経過している
■アンティーク…製造してから100年以上経過している
シャビーの意味を理解して正しく使いこなそう
新型コロナの話題の中で広く知られることになった『シャビー』ですが、インテリア用語としての認識しかなかった人は、内容が理解できなかったことでしょう。
今回、正しい意味がわかり、ビジネスシーンでも登場する言葉だと理解ができたので、今後は状況に応じてぜひ使いこなしてください。