「斜に構える」は「ひねくれた態度」…だけど
「斜に構える(しゃにかまえる)」は「ひねくれた態度」という意味でおなじみの慣用句ですよね。
人がまじめに話しているのにふざけたり、皮肉ったり、からかってきたり…「斜に構える」態度はビジネスパーソンとしてあるまじきもの。
ですが、ここぞという時には「斜に構える」ことは大事です。
えっ、いってること正反対じゃない…?
おっしゃる通りです。実は「斜に構える」にはまったく正反対の意味もあるんです。
おなじみの意味の他、正反対の意味の「斜に構える」の使い方も確認していきましょう。
「斜に構える」の読み方
「斜に構える」の「斜」は「しゃ」と読むのが一般的ですが、人によっては「はす」と読む人もいます。
ちなみに「ハスる」は芸人のオードリーがラジオで「斜に構える」を略して使う言葉。ファン以外には伝わらないでしょう。
「斜に構える」のもともとの意味
「斜に構える」は剣術における、敵と相対したときの身構える様が語源。刀を斜めにして切り込みやすくする構えを表しています。
そこから発展して、「物事に対して身構える」「改まった態度をする」という意味に。
現在の「ひねくれた態度」という意味は元は誤用だったとされています。
・斜に構えて面接に臨む ・斜に構えた態度でプロジェクトに取り組む
「物事を斜めにとらえる」という意味しか知らない人が聞いたら、とんでもない奴と思われるかもしれません。
しかし、語源から考えると、間違っていないどころかこちらの方が正しい意味。
とはいえ、「ひねくれた態度」という意味で使われることが圧倒的に多いため、本来の意味で使うと誤解を招く可能性が非常に高いです。
「斜に構える」の使い方・例文
「ひねくれた態度」という意味の「斜に構える」の使い方を例文で見ていきましょう。
・自信のなさから斜に構えてしまう ・斜に構えた態度が周囲の反感を買う ・彼は世間に対して斜に構えているように見える ・この芸人は斜に構えた言動が共感を得て人気になった
「斜に構える」の類語
「ひねくれた態度」という意味の「斜に構える」は元は誤用。知ってしまったら使うのに抵抗があるかもしれません。その場合は別の表現に言い換えましょう。
・斜めに見る(ななめにみる) ・あまのじゃく ・シニカル ・皮肉屋(ひにくや)
「斜に構える」と「斜めに見る」を混合して、「斜めに構える」といってしまう人がいます。しかし、これは間違いなので注意。
「斜に構える」の英語表現
「斜に構える」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。カタカナ語にもなっている「cynical(シニカル)」が使えます。
・He is cynical ⇒彼は斜に構えている
斜に構えずに真っすぐ物事と向き合おう
斜に構えた態度が可愛がられることもあるかもしれませんが、通常は反感を買ってしまいます。
特にビジネスシーンでは、斜に構えて得することはあまりないでしょう。斜に構えがちな人は気を付けてくださいね。