『SD』とは多くの意味をもつ略語
先輩
新人
先輩
上の会話のように、『SD』はおなじみの『SDメモリーカード』を示すだけでなく、さまざまな言葉の略語として使われています。
それらの中には、あなたが知らない『SD』もあるかもしれません。ここでは各分野のSDや使い方などをわかりやすく解説します。
SDといえば『SDメモリカード』の意味が基本
冒頭の会話の先輩のように、『SD』という言葉を聞けば『SDメモリーカード』を思い浮かべる人は多いでしょう。正式名称は『Secure Digital memory card』といいます。
しかし、実はそのSDカードにもたくさんの種類があり、厳密には『SD』の一言では片付けられないんです。
一般的に『SD』と呼ばれているSDメモリカードは『幅24mm×長さ32mm』サイズのもので、普通のSDメモリカードの容量は最大で2GBとなっています。
しかし、容量や転送速度の差で『SDHCメモリーカード』『UHSスピードクラス』『SDXCメモリーカード』といった名称で区別されています。
サイズはSDメモリカードと同じ幅24mm×長さ32mmですが、容量は4GB~32GB。
サイズはSDメモリカードと同じ幅24mm×長さ32mmですが、容量は64GB~2TB。SDXCメモリーカードよりもさらに大容量のメモリーカードなので、写真やデータをたくさん扱う人はこのタイプがおすすめ。
UHSは、『Ultra High Speed』の略で、転送速度を向上させたSDメモリカード。UHSスピードクラスには2つの種類があり、最大転送速度104MB/秒の『UHS-1』、最大転送速度312MB/秒の『UHS-2』があります。
いずれも古いデバイスの中には対応していないものもあるため、使用する場合は確認が必要です。
また、容量やスピードの差ではなく、サイズの違う『miniSDカード』『microSDカード』もあります。
『幅20mm×長さ21.5mm』で、小型のデバイスに適しています。パソコンなどのカード挿入口はSDカードサイズになっていることがほとんどですが、専用のアダプタに装着して読み取りが可能です。
『幅11mm×長さ15mm』で、メモリカード対応のスマホにも利用されます。専用のアダプタを使用することでSDカードスロットでの読み込みが可能。
SDカードリーダー
SDカードの情報を読み取るための機器です。いろいろな種類のカードスロット(挿入口)がついているものもあれば、標準サイズのカードにだけ対応したものもあります。
カードリーダーは、基本的に『読み取り専用』です。しかし、商品名が『カードリーダー』であっても、ライター(書き込み)機能がついている場合もあります。
SD CARD FORMATTER
SDアソシエーション*が提供している、SDカードをフォーマットするための専用ソフトで『SD FORMATTER』とも呼ばれています。(SDアソシエーション*:業界指針となるメモリカード規格を策定する規格団体)
Windows用、Mac用の両方が用意されているので、気になる人はチェックしてみてください。
参考
SDメモリカードフォーマッターSD association
統計や映像関係でも登場!各分野におけるSDの意味
SDメモリカード以外にも『SD』を略語に使う言葉はあります。日常的に使うものばかりではありませんが、いくつかピックアップして紹介します。
運転免許ででのSDとは『無事故無違反証明』
運転免許におけるSDカードの正式名称は『Safe Driver Card』で、無事故無違反証明書を指します。無事故無違反の年数により、次のように色分けされています。
■グリーンカード(1年以上2年未満)
■ブロンズカード(2年以上4年未満)
■シルバーカード(4年以上10年未満)
■ゴールドカード(10年以上20年未満)
■スーパーゴールドカード(20年以上)
デザインやカード取得についての問い合わせ先についてはこちらのサイトを参考にしてくだsだい。
参考
運転記録証明書の活用効果自動車安全運転センター
情報処理関連では『上級システムアドミニストレータ試験』
情報処理関連での『SD』は、『上級システムアドミニストレータ試験』の略号を指します。英語表記はSenior Systems Administrator Examinationで、日本語の略称は『上級シスアド』です。
システムアドミニストレータとは、情報システムやコンピューターの運用・管理・保守を行うことを職業にしている人を指します。
統計学でのSDとは『標準偏差』
統計学におけるSDは『standard deviation』の略で、『標準偏差』を指します。これは、データのばらつきがどのくらいあるのかを表す数値のひとつです。
たとえば、所持金の平均を出すのに10人を対象にしたとします。そして、10人の所持金が1万円だった場合、データにばらつきがないので、標準偏差は『0』になります。
航空業界では『スーダン航空』
各航空会社は、国際航空運送協会(IATA)で定められた2レターコードというのを割り当てられており、SDは『スーダン航空』を表すIATAコードです。
スーダン航空は、スーダンのハルツームに本社をもち、アラブ航空会社機構に加盟している航空会社です。
映像分野では『標準画質映像』
映像分野におけるSDは『Standard Definition』の略で、『標準画質映像』という意味になります。わかりやすくいうと、標準的な画質や解像度のこと。この標準画質の定義は国によって異なります。
画素数は720×480ピクセル前後のもので、画質的にはアナログテレビ放送の解像度に近いとされています。
SDの使い方・例文
SDという略語は、実際のビジネスシーンや日常の中ではどのように使われているのでしょうか。わかりやすい例文を用意したので、場面を想像しながら読んでみてください。
会社にSDカードを提出したら無事故無違反の報奨金がもらえるらしい。
例文1のSDカードは、『Safe Driver Card(=無事故無違反証明書)』の意味で使われています。
会社のイベントやキャンペーンで写真の枚数が増えるだろうから、大容量のSDを用意しておいたほうがいいかもね。
例文2のSDは、『SDメモリカード』の意味で使われています。
パソコンのカードスロットには標準サイズのSDしか挿入できないため、マイクロSDからデータを読み込むために、カードリーダーを購入することにした。
例文3には『SD』が二度登場しますが、どちらもSDメモリカードの略語として使われています。
【番外編】SDで始まる略語を紹介
「SDってどんな意味?」と思って調べていくと、SDで始まる言葉がいろいろ出てきませんでしたか?マメ知識として、ここでもいくつかピックアップして紹介しておきますね。
SDGs
Sustainable Development Goalsの略で、『持続可能な国際的な開発目標』を指します。外務省の公式サイトで詳細が掲載されています。
参考
JAPAN SDGs Action P;atform外務省
また、それぞれの目標に対して『SDGsロゴ』が決められており、国際連合広報センターのホームページで公開されています。
参考
SDGsのアイコン国際連合広報センター
SDSU
『SDSU』は、アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるサンディエゴ州立大学(=San Diego State University)の略称です。
SDK
SDKは『Softwere Development Kit』の略語で、特定のソフトウェアパッケージ、コンピュータシステム、オペレーティングシステムなどを開発する際に使用するツールのセットを指します。
SDの意味を覚えて状況に応じた解釈をしよう
『SD』さまざまな言葉の略語として、いろんな分野で使われています。正しい意味を数多く覚え、状況に応じてきちんと解釈できるようになってください。