「次第」の使い方は「あなた次第!」だけではない
・信じるか信じないかはあなた次第です! 某バラエティのこのセリフでおなじみの「次第(しだい)」。普段何気なく使っていても、実は意味は一つだけではないことにお気づきでしょうか。 「あなた次第」は「人の意向や物事の事情による」という使い方。それ以外にも物事のいきさつや流れといった意味もあります。 これを機会に複数ある「次第」の意味と使い方を全てマスターしておきましょう。 「次第」のそれぞれの意味と使い方を確認していきます。 「あなた次第」や「天候次第」など、人の意向や物事の事情によるという意味で使われる「次第」。 ことわざの「地獄の沙汰も金次第」も同様の使い方です。ちなみにこの意味は地獄の裁判ですらお金の力でどうにでもなるのだから、世の中のすべてはお金があれば解決できる、という意味。 物事の事情やいきさつを説明する際に使用される「次第」。 ・私から次第を説明いたします ・予想していたよりも評判がよく、再販が決まった次第です ・事と次第によっては責任問題になりかねない ・このような次第になってしまい申し訳ありません 式典の「式次第」や会議の「議事次第」の「次第」は内容を時系列でまとめたもの。この「次第」は順序という意味があります。 「次第に」という表現もあり、これは「徐々に」という意味で使われます。 ・横になっていると次第に眠くなってくる ・次第に夜が明けて朝日が昇る 動詞の後に続いてそれが行われるままにという意味で使われる「次第」。「手あたり次第」であれば「手に当たるものすべて」、「成り行き次第」であれば「成り行きのままに」。 動詞の後に続いてそれが行われたら(その状態になったら)すぐにという意味。「満員になり次第」は「満員になったらすぐに」、「苦情があり次第」は「苦情があったらすぐに」。 能(伝統芸能)の構成の一つで、人物が登場したときに演奏されるものも「次第」と呼びます。 物事の事情やいきさつを説明する「次第」と、意思を述べる際の「所存」を間違えて使っている人がいるようです。 ・日々発展するIT業界に感銘を受け自分もこの業界に関わりたいと思い、御社を志望した次第です ・御社に入社した暁には学生時代に研究していた○○の分野を生かして貢献していく所存です 何となく似ているのはわかりますが、意味は全く違います。簡単な違いをあげるとしたら、「次第」は「過去(今まで)」、「所存」は「未来(これから)」。 「あなた次第!」は「It’s up to you!」。「満員になり次第」のような「そうなったらすぐに」という意味の「次第」は「as soon as」で表現できます。 ・I will let you know as soon as I find out ⇒わかり次第、ご連絡いたします 普段何気なく使っている「次第」ですが、考えてみるといくつも意味があることがわかります。ビジネスシーンでも頻出する単語なので、それぞれの意味を把握して正しく使いましょう。「次第」のそれぞれの意味と使い方
「あなた次第!」の「次第」
「事の次第」の「次第」
「式次第」の「次第」
「手あたり次第」の「次第」
「満員になり次第」の「次第」
その他の「次第」
「次第」の類語
「次第」の英語表現
それぞれの意味を知って使いこなそう