スコープとは「範囲、領域」という意味
先輩
新人
先輩
スコープは「範囲」や「領域」という意味のカタカナ語。
新人君は意味を知らないと言い切っていましたが、スコープは重要なビジネス用語のひとつです。しっかり勉強し、社会人としてレベルアップしましょう。
ちなみに、楽天のスコープは、長く使えるおしゃれな日用品や家具などを扱う雑貨ショップです[efn_note]参考:スコープ|楽天[/efn_note]。スコープでしか手に入らない北欧雑貨など、魅力的な商品がそろっていますよ。
スコープの意味を解説
スコープは「範囲、領域」という意味がありました。これだと何の「範囲、領域」とするかで、意味がかなり変わってきそうですよね。
まずは、基本的な意味を確認し、分野別に意味が変化するスコープを学ぶための基礎知識としましょう。
英語のスコープ(scope)はどんな意味?
英語のスコープ「scope」は「見る」という意味をもつ言葉が語源になって生まれた単語です。次のような意味をもっています。
・視野
・余地
・機会
俗語になりますが「scope」には「~をよくみる」や「~をくわしく調べる」という意味もあります。
カタカナ語のスコープとは?
カタカナ語のスコープは、次のような意味をもつ言葉です。
・視野
・基準となる領域または範囲
英語の「scope」には「余地」や「機会」という意味がありましたが、カタカナ語のスコープにはこの意味がありません。
カタカナ語のスコープのほうが、使えるシチュエーションは少なくなりますね。
ビジネスマンが知っておきたいスコープの意味
ビジネスでのスコープは、仕事の対象になる範囲という意味で使われます。スコープは、プロジェクトの話で登場しやすいワードです。
プロジェクトにおけるスコープ
プロジェクトとは、何かの目標を実現させるための企画や研究、事業。
プロジェクトの内容を決め、その企画で何をするのか「計画の範囲」を示すものが、プロジェクトでのスコープです。プロジェクトマネジメント(プロジェクトを管理する作業)でよく用いられます。
「計画の範囲」を決めるのは、気になる点や、やりたいことに、めったやたらと手を広げてプロジェクトの収拾がつかなくなるのを防ぐため。「ここまでが今回のプロジェクトの範囲」と手を出していい範囲を定めてください。
プロジェクトでのスコープとセットで使用されるケースが多い、次の3つの関連語もあわせて覚えておきましょう。
プロジェクトスコープ(作業スコープ)
プロジェクトスコープは、プロジェクト完了までにしなければならないすべての作業を決めることです。プロジェクトを進めるために何をするか考えてみましょう。
次のように、作業工程ごとの作業をひとつずつ定義していきます。「家の建て方」を例とします。
このように、作業工程を明確にするものがプロジェクトスコープです。作業の範囲(=スコープ)を定めていくということですね。
「家の建て方」の場合は、ある程度決まった作業工程になります。しかし、そうではないプロジェクトでは、発注者の要望と自分の計画にブレがあったらうまくいきません。最初にプロジェクトスコープをしっかり決めると、プロジェクトの初期段階で両者のずれを修正できます。
プロジェクトスコープは、プロジェクトが計画の大枠からぶれないように、軌道を敷くためにも重要です。
プロダクトスコープ(成果物スコープ)
プロダクトスコープは、計画の成果物(成果としてできるもの)を決めること。完成品だけでなく、計画完了までに用意するすべてのものを決めなければなりません。
次のように、各工程で準備するものや、作る予定のものをひとつずつ全部定義していきます。家を建てる際のプロダクトスコープを考えていきます。
上記の例では、わかりやすいように省略したり、工程をまとめたりしています。しかし、実際のプロジェクトスコープとプロダクトスコープでは、もっと細かくすべての工程・全部の成果物を書き出していく必要があります。
このように、準備するもの、作る予定のものの範囲を整理するのがプロダクトスコープです。
スコープマネジメント
スコープマネジメントは、プロジェクトスコープとプロダクトスコープを決めて、それを管理することです。
急な要望が加わるなど、プロジェクトに変更があったときには、速やかにプロジェクトスコープとプロダクトスコープを見直さなければなりません。
スコープマネジメントでは、スコープを常に最新の状況に保つのが肝心です。変更があったときには、できるだけ早くその変更をスコープに反映させてください。
ポイント①:関係者の同意が必要
スコープマネジメントでは、発注者やプロジェクトに関係するすべてのメンバーの同意を得る必要があります。
発注者の満足ばかりを追求して、メンバーが押しつぶされるような無茶な計画を立てるのは失敗のもと。しかし、効率を優先して発注者が満足できないようなものでもダメです。お互いが納得できる、実現可能なプランを作りましょう。
ポイント②:可視化も必要
完成したスコープは、書類など、資料として残せるもので、すべての関係者に提示してください。
決定したスコープを可視化して全員に渡しておけば、後から計画変更などがあった場合などに、すぐもとの計画を確認できますね。そして、もとのスコープをたたき台に、修正案を考えるのもやりやすいです。
スコープの使い方・例文
スコープは、分野別に特殊な使い方をする場合もありますが、この見出しではビジネスでの使用法を紹介します。
シチュエーションをイメージしながら、例文を読んでみましょう。
上司
先輩
新人
上司
分野部にみるスコープの意味
ビジネスでのスコープは、プロジェクトの結果を左右する重要な事柄でした。
しかし、スコープが使われるのはビジネスシーンだけではありません。そのほかの分野で、専門用語のように使用される場合もあります。
「scope」の語源は「見る」という意味をもつ言葉でしたね。それを踏まえて分野別のスコープをみていきましょう。
ITに関するスコープの意味
IT分野でのスコープは、プログラミングのときに使われます。この話題で登場するスコープは「影響範囲」という意味。
プログラミングで定義した変数・定数・関数などが使えたり、見られたりする有効範囲がIT分野でのスコープです。スコープにはもともと「見る」の意味がありますが、「見る」ことができる範囲と考えるとわかりやすいですね。
定義したスコープから外れると、その変数・定数・関数はプログラミングに認識されなくなり、機能しません。
医療に関するスコープの意味
医療分野でのスコープは、見る器具という意味。ここでも「見る」が登場しました。
ファイバースコープや電子スコープのように、スコープが人体内部をみるための医療機器の名前に使われています。
銃に関するスコープの意味
スナイパーライフルなどの、銃器についている照準器がスコープ。
スコープは、標的をみて狙いを定めるときに使用するパーツです。スコープで「見る範囲」を限定すると、狙いを定めやすくなります。
スコープは、一般的に遠くにあるものを射撃したいときに使用するものです。リボルバーなどのハンドガンにスコープを装着すると、射撃できる距離を伸ばせます。
スコープは分野によって定義が変わる用語
スコープはビジネスシーンだけでなく、ITや医療の分野でも使われる用語です。
スコープは使用できるシーンが多く、分野ごとに意味が変わってくる場合もあるため、注意が必要なワードになります。
それぞれの意味を理解し、シチュエーションに合うものを選べるようになりましょう。