CFOとは『最高財務責任者』のこと
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昔とは違い、現代では『社長』『常務』『本部長』といった日本語ではなく、『CEO』『COO』『CFO』といった英語の役職をつける企業が増えています。
しかし、いまいち「何する人?」「どんな役職?」とはっきりイメージできない人もいるのではないでしょうか。
今回は、CFOの意味や役割を明確にするとともに、「どうすればCFOになれる?」という点についてもわかりやすく解説します。
CFOの意味をチェック
会社の役職が英語になっている場合、意味がわかっていなければ、その人がどのくらい偉い人なのかもわからないですよね?ここではまず、言葉の意味を明確にしていきましょう。
CFOの英語は『chief financial officer』
CFOは『Chief Financial Officer』からそれぞれの単語の頭文字をとった略語です。単語の意味も一応チェックしておきましょう。
・頭
・上役 など
・財務の
・財界の など
・役員
・幹部 など
各単語の意味を見てみるとCFOが『最高財務責任者』ということがイメージできますよね?外資系の会社では、このように英語の役職がついています。
たとえば、CFOの意味をきちんと理解していなければ、『最高責任者』のポジションにいる人という認識もできません。「課長だと思っていたら役員だった」ということがあるかもしれません。
ここでいくつか外資系の役職をいくつかピックアップするので、これを機にまとめて覚えておきましょう。
マーケティング部門全体を統括・管理している人。
研究開発部門、技術開発部門など、技術的な仕事をしている部門を統括・管理する人。
経営戦略にともなう情報やシステム関連部門を統括・管理する人。
社内で保有している個人情報保護の方法を作ったり、運用したりする仕事をする部門を統括・管理する人。
個人の知識や情報を、社内全体で共有し、最大限に活かせるよう考え、行動する役割を担った人。
CFOの場合は、真ん中にファイナンス(財務)の『F』が入っていると覚えておけば、他の略語と混同しにくいですね!
日本におけるCFOとは
CFOには、豊富な財務管理や経理関連の知識が必要です。そのため、日本では、経理部や財務部といった、組織の資金や経費に携わる部門の部長や本部長がCFO候補となっており、そこから昇格して就任するケースが多いです。
企業によってはCFOという立場の人を置かない場合もあります。そういったところでは、主に財務部長や財務本部長といった役職の人がCFOの役割を果たしています。
そのほか、規模の小さい企業では、経理を総務を『管理部門』としてひとくくりにしていることがあります。そんな組織においては、『最高総務責任者(CAO)』がCFOの仕事をしている場合もあります。
CFOの役割
会社で管理すべき資金は、大きく分けると次の二つがあります。
【経理的資金】
営業費、給与、生産管理費など実際に企業活動を行っていくのに必要な資金。
【財務的資金】
企業を運営するうえで必要な資金調達・管理のほか、投資、リスクマネジメントに関わる資金。
企業によって、資金管理を経理部と財務部に分けて行っていたり、一つの部署の中で担当する人を分けていたり、形態はさまざまです。CFOは『経理的資金』『財務的資金』の状態を把握し、統括するのが主な役割です。
CFOとCEOの違い
CEOの正式名称は『Chief Exective Officer』で、日本語にすると『最高経営責任者』となります。会社を経営していくうえで、事実上の責任者という立場です。
もともとはアメリカで使われている職務の名称です。ちなみに、アメリカでは、会社の意思決定を行う職責を『取締役』、業務そのものを執行する職責を『執行役員』としています。そして、CEOは『執行役員』の中の代表となります。
日本企業の役職
昔からおなじみの役職は、『会長』『社長』『副社長』などですよね?しかし、これらの呼称は特に法律で決められているわけではなく、会社ごとに自由に定めることができるんです。
そして、法律で定めらている、会社の意思決定を行う職務は『取締役』で、その中の責任者が『代表取締役』です。厳密には、会社が定めているトップ(=社長)と代表取締役は同じ人でなくてもいいんです。
そのため、会社の事実上のトップの肩書は『代表取締役』だけでもいいのですが、実際は『代表取締役社長』が多いですね。
そして、多くの企業は会社の執行役員も兼ねている場合が多く、肩書としても『代表取締役兼CEO』というのをよく目にするわけです。
COOとは?
COOの正式名称は『Chief Oparating Officer』、オペレーティングのトップということは、実務を執行する人たちを統括する立場にある人となります。
つまり、CEOの指揮・命令で実務を行っていく職務となるので、CEOが会社のトップなら、COOはNo.2になるわけです。
CFOになるには?
CFOになるためには、『会計』『税務』『財務』のスキルが必要です。しかし、保有しておかなければいけない資格はありません。
また、一般的には『会計』『税務』『財務』に携わる部門の経験者が抜擢される傾向にありますが、絶対に経験が必要というわけでもありません。
そのため、今現在、営業部、技術部、開発部など、『会計』『税務』『財務』関連の部門に所属していなくても、スキルを身につければCFOを目指すことも可能なんです。
日本には、CFOに必要なスキルを身につけたり、実際にCFOを目指している人たちの育成を図ったりしている『日本CFO協会』があります[efn_note]参考:JACFOの活動|一般社団法人 日本CFO協会[/efn_note]。
こちらの『日本CFO協会』では、研修を開催しているほか、CFOについての知識を身につけられるeラーニングも用意されています。
参考
日本CFO協会 e-ラーニングプログラム一般社団法人 日本CFO協会
そのほか、日本CFO協会の個人会員として入会し、一定の条件をクリアしていれば、『CFO資格認定』を取得できます。
参考
CFO資格認定一般社団法人 日本CFO協会
年収ダウンになることもある?!
会社を経営していくために、『お金』は必要不可欠です。人によっては、CFOはCEOに次ぐ立場だと考えている場合もあります。いわば、経営者の一員であるといってもいい職位ですが、必ず年収があがるわけではありません。
ベンチャー*企業でのCFOは、普通に投資ファンドや投資銀行などで力を発揮している人よりも、年収は低い傾向にあります。(ベンチャー*:新しいビジネスを育てること)
よく考えてみてください。会社の経営が不安定なとき、まずは役員の報酬をカットしますよね?
「会社の財政を統括する人になる!」と本気で目指すなら、給与面もしっかり調査することを忘れないようにしましょう。
なお、ベンチャーについては、次の記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。
ベンチャーとは何か?ベンチャー企業の意味から転職のメリット・デメリットまで解説
CFOの使い方・例文
CFOは職位の名称なので、会話で頻繁に登場しないかもしれませんが、どんな感じで使われるのか、イメージだけでもチェックしておきましょう。
上司
CFOを目指すなら専門知識やスキルを身につけよう
CFOは企業の経営陣なので、実際にその職位に就くまでは遠い道のりでしょう。しかし、その気になれば誰でも目指せます。「将来はCFOに!」と思っている人は、金融に関する知識やスキルをコツコツと身につけていってください。