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「ご寛恕」とは?読み方や意味、例文・類語・「ご容赦」との違いをチェック!

「ご寛恕」=「許してほしい」

簡単に説明すると「寛恕」とは「許してほしい」という意味です。

「寛恕」は、日常会話であまり使われる機会がない言葉ですが、ビジネスシーンでは相手に許しを請う時に使うことが多い敬語です。尊敬を表す接頭語の「ご」とあわせて「ご寛恕ください」などとして使用します。

分かりやすく言うと「ごめんなさい」や「大目に見てください」を丁寧に表現した言葉が
「寛恕」です。

「寛恕」の類語(言い換え表現)
・ご容赦「ご容赦ください」
・お許(赦)し「お許(赦)しください」
・ご勘弁「ご勘弁ください」

「ご寛恕を請う」などに使われる「ご寛恕」の読み方と意味

寛恕は「かんじょ」と読み、そのものの意味は「度量が広く、思いやりの深いこと。あやまちなどをとがめずに、広い心で許すこと」です。

こうした本来の意味から「許してほしい」ということを伝える際に使わることが多いのでしょう。

ビジネスシーンで使用される「ご寛恕を請う」とは、失敗や不手際を犯してしまった際に自分の過ちや罪を許して欲しい」と相手に許しを請う・お願いする際に使われます。

「ご寛恕」の使い方

相手に対して失礼を働いた時や、こちら側に非があった場合に謝罪の言葉として使われる「ご寛恕」。謝罪やお願いの言葉としてだけでなく、受け入れてくれたことへのお礼の言葉として使うこともできます

「ご寛恕」の例文

一般的な会話の際にはあまり使われず、主にビジネスシーンで使用される機会が多い「ご寛恕」。その意味や使い方を知らない人も多いでしょう。ここでは、「ご寛恕」の使い方が適切なシーンや表現方法を例文でご紹介します。

■「何卒ご寛恕くださいますようお願いいたします。」

「ご寛恕」を使う相手は目上の人、つまり上司や取引先、顧客などです。ビジネスシーンで使う言葉の中でも、堅い表現だとされています。ビジネスパーソンへの失礼や不手際があった場合などに謝罪の言葉として使用しましょう

このように敬語表現を用いて深く謝罪することは、相手に怒りを鎮めてもらう・許してもらうためには大切なことです。

■ご寛恕いただきたく、伏してお願い申し上げます。

許しを請う際に使う「ご寛恕いただきたく」に対して、「伏してお願い申し上げます。」とは、「許してもらうために伏せた状態(低姿勢)でお願いしている」という意味を持ちます

顧客やビジネスパーソンに不快な思いをさせてしまうような大きい失敗を犯した時など、なんとか相手からの許しをもらおうと切実な謝罪の気持ちを地面に伏すという表現で表しているのです。

■ご寛恕いただきありがとうございます。

「御寛恕」は謝罪だけではなく、こちらの謝罪を相手が受け入れてくれたことに対するお礼を伝える際にも使えます

「このたびのご無礼、ご寛恕いただきありがとうございます。」
「先日のこちらの不手際、ご寛恕いただき誠にありがとうございます。」

「ありがとうございます」の前に「誠に」をつけ、相手の寛大な対応に対しての心からのお礼を表現するのもさらに効果的です。

「ご寛恕」と「ご容赦」の違いは?

「ご寛恕」と「ご容赦」はどちらも相手に許しを請う言葉ですが、漢字の意味を考えるとニュアンスは少し異なります。「容赦」の言葉の意味から「寛恕」との違いについてご説明します。

「ご容赦」の意味

「ご容赦」の意味は、相手に許しを受け入れてもらうための敬語表現です。「寛恕」との違いについてはそれぞれの漢字を分解して見比べてみましょう。

〜それぞれの漢字の意味〜
「寛」=広く・ゆるやかな
「恕」=気持ち・感情、相手の心情

「容」=受け入れる・かたち・ゆるす
「赦」=罪を許すこと

「寛大な許し」を求める寛恕に対し、ひたすらに許しを受け入れてもらおうとするのが「容赦」です。どちらかと言えば「容赦」の方が許してほしいという気持ちをストレートに伝える表現になります。

「ご寛恕ください」と「ご容赦ください」の使い方の違い

「ご寛恕」は相手の寛容な心を期待した謝り方なので「ご容赦」よりも相手を立てて敬う表現になります。上司や取引先などの目上の相手で、特に配慮が必要な人に対しては「ご寛恕」の方を使用するのが良いでしょう。

(特別な)目上の相手には

「先日の不手際、何卒ご寛恕お願い申し上げます。」
(親しい)先輩などには
「先日の不手際、何卒ご容赦お願い申し上げます。」

このように謝罪する相手が自分よりずっと格上だったり大切な顧客に対しては「ご寛恕」を、一般的なビジネス用語としては「ご容赦」を使い分けるようにしましょう。

「ご寛恕」の類語

「ご寛恕」と「ご容赦」のほかにも謝罪を意味する別の言葉が存在します。先述の「お許し」「ご勘弁」以外にも「ご宥恕」「ご諒恕」「ご海容」などの言葉がビジネスシーンではよく使われています。

実際にビジネスシーンで使える「ご寛恕」の類語を例文と共にご紹介します。

お許しください

「何卒、お許しくださいますようお願い申し上げます。」

「許す」に接頭語の「お」をつけて相手からの許しを求める表現方法です。決して間違ってはいない敬語表現ですが、ビジネスシーンでは一般的な「ご容赦」を使用した方がベターです。

ご勘弁願います

「~などはご勘弁願います。」

謝罪の意味を持つ「勘弁」を使い、相手に言動や行動の禁止のお願いをする表現方法です。接客業では、お客様に対して規則違反を抑えてもらいたいときによく使う表現です。

「ご宥恕願います」

「ご宥恕のほど、何卒お願い申し上げます。」

「ご宥恕(ユウジョ)」とは、広い心で許す「寛恕」と同じ「なだめる・いさめる・見逃す」という意味を持つ言葉です。「寛恕」と同じく相手の広い心を立てることができるので、言葉のバリエーションとして使い分けてみましょう。

「ご諒恕願います」

「どうかご諒恕願いたく申し上げます。」

「諒恕(リョウジョ)」とは「相手の立場や事情を思いやってゆるすこと」を意味する言葉で、「寛恕」とほぼ同じ意味を持ちます。ミスに対して相手の心遣いを期待する謝罪表現なので、相手の寛大な心を立てて敬うことができます

「ご海容願います」

「何卒、ご海容いただきますようお願い申し上げます。」

「ご海容(カイヨウ)」とは「海のように広い心で~」という「ご寛恕」「ご諒恕」と同じ意味を持った表現方法です。寛容な心を広い海で例え、相手の寛大な温情を期待した謝罪表現です。

「ご寛恕」の読み方や意味・使い方を押さえておこう!

一般的な謝罪表現とは違い、「ご寛恕」は主にビジネスシーンで用いられます。相手から使われた時の対応に困らないようにビジネスマナーとして覚えておいた方が良い言葉のひとつです

寛恕の正しい使い方や意味を学び、いざという時のために社会人としての知識を蓄えましょう。