ディテールとは、細かいところのこと!
「ディテール」は「細かいところ」という意味のカタカナ語。
あらゆる物事には全体があり、その内部には細部があります。全体像を見れば、ぱっと見でその物事のおおざっぱな特徴を把握することができます。それに対して、細部を見ると、物事の部分部分の詳しい特徴を細かく把握することができます。
「ディテール」は後者のように物事の細部を意味するカタカナ語で、ビジネスだけでなく様々な分野で使われています。この記事では「ディテール」の意味や使い方を詳しく解説していきます。ぜひ読んでみてください。
ディテールの意味をチェック
「ディテール」は英語で書くと「detail」。「detail」は「de-」+「tail」に分けることができるので、どんな言葉が合体しているのかみてみると面白いですよ。
「tail」は「tailor(仕立て屋さん)」の「tail」と同じで、「切る」という意味を持ちます。また、「de-」は「離れる」という意味を持ちます。
「de-」+「tail」で「切り離す」→「細かく切り離す」→「細かく切り離したもの」→「詳細、細部」という意味になっています。
ディテールが使われる分野は?
「詳細、細部」という意味の「ディテール」は様々な分野で使われているカタカナ語ですが、分野によっては少し異なる意味で使われることもあります。
特に「ディテール」がよく使われている分野での「ディテール」の意味や使い方を確認してみましょう。
ディテールの使い方〜雑貨編〜
雑貨分野での「ディテール」は雑貨商品の細かいデザインなどを指して使われることもありますが、「DETAIL INC」という会社の名前が有名で、「ディテール」と言ったら「DETAIL INC」を指すことも多いようです。
「DETAIL INC」のコンセプトは、いつでも、どこでも変わることがない大切な想いを届けること。日々を楽しく、心穏やかに満ち足りた生活を提案してくれるライフスタイルショップです。
ディテールの使い方〜服・アパレル編〜
服・アパレル分野での「ディテール」は服の細かなところに施された、細部デザインを意味するファッション用語。服をデザインする上で、「ディテール」は欠かすことができない要素です。たとえシンプルな服だったとしても、「ディテール」へのこだわりは必要です。
服の基本パーツではネックライン、カラー(衿)、スリーブ(袖)など。装飾性が高いパーツではプリーツ、タック、ギャザーなどに分類されますが、それら全てをまとめてディテール・デザインと呼びます。
ディテールの使い方〜建築編〜
建築分野では建物を構成する工程、部品の全てに「ディテール」があります。
建物の性能や設計方法だったり、床や壁、天井、開口部など建物内部の各部位だったり…。さらに、屋根や外壁、開口部など建物の外側を構成する各部位それぞれが「ディテール」なのです。
細かなディテールを緻密な計算のもとに積み重ねることで、建物に調和が生まれ、建物の特色が磨かれていきます。
ディテールの例文
「ディテール」の意味はつかめましたか?この見出しでは「ディテール」の使い方を例文でみてみましょう。
ディテールが細かい
B:「ディテールが細かいというのは、情景描写がこと細かく書かれているということですか?」
A:「情景描写なんてどんなに細かく書き連ねたって実写の映像にはかなわないよ。ディテールが細かい小説というのは、ただ細かく書けばいいというものではない。作家独自の発想で、読者が想像する情景に全く新しい着眼点を提示しなければならないんだ。読者は思いもよらない着眼点に刺激されて、作者が想像した物語の世界にさらなる想像の羽を広げる楽しみを得ることができる」
B:「なるほど。確かに、情景描写がひたすら書かれている文章を延々読んでいても面白くないですね。小説は読者にも想像の余地を残しておいてくれるからこそ、映像を超える世界を楽しむことができるわけだし」
ディテールにこだわる
B:「中身がよくても、ディテールにこだわりがないとこうも残念な商品になっちゃうんだね」
A:「これならそこそこ高品質で、ディテールにもこだわっている旧製品の方がましだね」
ディテールの対義語・関連語
「ディテール」の使い方はつかめましたか?次に、「ディテール」の対義語、関連語をみてみましょう。
[対義語]アウトライン
「ディテール」の対義語は「アウトライン」です。「アウトライン」は物事の「輪郭、概要」を意味するカタカナ語。細部ではなく、逆に大まかな全体像を把握したいとき便利です。
「アウトライン」について詳しくは、下記の記事で説明しています。ぜひ読んでみてください。
参考 ビジネスでのアウトラインの意味は概要?アウトライン化の意味や英語・対義語・類語まで徹底解説CHEWY[関連語]ディテールアップ
「ディティールアップ」は模型やCGなどを制作するときに、表面に細かいディティールを加えてよりリアルに、素敵に見えるように加工すること。
例えば、市販のガンプラをアニメのガンダムにより近づけるために、パーツを削ってみたり、付け加えたり、塗装やスミ入れ、ウェザリングなどをするのが「ディティールアップ」です。
ディテールにこだわった商品の魅力
「ディテール」にこだわった商品は、使う人にその製品の良さを長く実感させてくれます。
例えば、燃費が良くなって快適な新しい車が発売されても、古い車の「ディテール」が気に入っているから、直しを繰り返しながら長く乗っている人。新型スマホの「ディテール」が気に入らないから、機種変するときにあえて古い機種を選ぶ人…。いますよね?
また、味だけでなく目でも楽しむ和菓子や、刀の美しさと切れ味を受け継いだ現代の刀匠が手掛ける包丁など、ディテールのこだわりが伝統として長く受け継がれているモノも、日本にはたくさんありますよ。
ディテールにこだわったモノの魅力は色褪せることがないようです。