スノッブとは、俗物やえせ紳士ということ!
『紳士ぶる人』『通ぶる人』のことを指すときに『スノッブ』という言葉を使うことがあります。一般的には人をけなす悪口のような言葉とされているので、あまり面と向かって言わないほうが賢明なカタカナ用語です。
しかし現代では、まったく違った意味でスノッブという言葉を使っている業界も存在しています。そこで今回は、この言葉の意味や使い方などをわかりやすく解説していきます。
スノッブの詳しい意味
スノッブは一般的には悪口のように使われることが多いのですが、使われる分野によってはまったく別の意味をもっていることがあります。そこで、ここではスノッブの本来の意味と、本来の意味とは異なる使い方などをわかりやすくまとめてみました。
スノッブの基本の意味
英語では『snob』と表記し、辞書では以下のような意味が記されています。
(俗物*:世間的な名誉や利益などに心を奪われているさま)
■通ぶる人
英文ではこのように使われます。
■a snob(気取り屋)
■a musical snob(音楽通を気取る人)
■My son is not a snob.(私の息子は俗物ではない)
由来は諸説ある?!
100年ほど前のイギリスでは上流階級ぶっている人や、気取っている『ニセ紳士』がたくさんいたとされており、そういった人々の総称となっていましたが、スノッブの言葉の由来は2つあるといわれています。
なお、スコットランドにおいては現在でもsnobという言葉は『靴屋』の意味で使われています。
スノッブ×ファッションの意味
品があるとはいえないものの、都会的で流行を先取りしたモダンで粋なセンスの服を着こなしている人っていますよね?ファッション界ではこのような人のことを指して『スノッブ』と呼んでいます。
他者とちょっと違ったファッションをする人は、高い割合で自分に自信をもっており、気取った雰囲気を出すことが多いこともあり、『スノッブ』という言葉が使われるようになったのではないでしょうか。
他にも様々な”スノッブ”がある
一般的には良いイメージがない『スノッブ』という言葉ですが、この言葉を使った物があったり人がいたりするんです。言葉の意味とはちょっと外れてしまうかもしれませんが、いくつか紹介しておきます。
【ヘアサロン】HAIR SNOB
京都の西京極にある美容室です。一人ひとりの個性を存分に引き出すヘアスタイルを作ってくれるサロンです。こちらのお店の『SNOB』はファッション業界の意味合いが強いのではないでしょうか。
【ホテル】Snob Hotel By Elegancia(スノッブホテルバイエレガンシア)
フランスはパリにある四つ星ホテルです。気取っているという意味合いのその言葉とは裏腹に、こちらのホテルは気取りのないカジュアルな内装が特徴のようです。
廊下や客室にはフラミンゴやクジャクの羽をイメージした壁紙が使用されており、全体的に自然の景色が散りばめられているので、都会にいることを忘れる落ち着いた雰囲気があると人気のホテルです。
【お笑い芸人】SNOB(スノッブ)
1991年8月に結成された吉本興業所属のお笑い芸人で、つね(男性)とゆか(女性)のコンビで活動しています。
スノッブ効果はマーケティング用語?
スノッブは、マーケティングの世界では『スノッブ効果』という言葉で一般的に使われています。
いつの世にも『流行りの商品』というものがあるものです。流行の商品は数多く生産され、たくさん販売されるようになる為、その商品を手にする人はどんどん増えていきますよね?場合によっては、自分の周りで持っていない人はいない、という状況になることもあります。
しかし一方で、「流行の物は誰でも持ってるから逆に持ちたくない」という人も増えてくるんです。簡単に手に入るようになると希少価値が少なくなり需要も減少する、このような現象のことを『スノッブ効果』といいます。
対義語は『バンドワゴン』
「みんな持ってるから私も!」「今の流行に乗り遅れたくない!」というように、消費者が増えるほどに需要が増えるという現象が流行になった当初にはよくおこりますよね。自分の周りにはもう持ってない人はいない、というほどに消費者が増える現象を『バンドワゴン効果』といいます。
どんな会話で「スノッブ」という言葉がつかえる?
スノッブの意味がわかってもどんなところで使っていいのかわからないということもあるでしょう。そこでここでは、スノッブの使い方を例文を用いてご紹介しておきますね。
B「へ~、そんなに違うんですか?」
A「なに?違いがわからないのか?」
…大したことのない説明が延々と続く。
B「すごい!詳しいですね。(この人典型的なスノッブだな)」
「スノッブ」という言葉をお使いすぎると、あなたもスノッブに!
昔に比べるとカタカナ用語がビジネスで頻繁に使われるようになりました。一見すると『できる人』に見えるかもしれませんが、使いすぎると『気取っている』『出来る人ぶってる』と思われる可能性があります。
カタカナ用語が必要なところで必要に応じて使うようにして、あなた自身がスノッブにならないよう気を付けてくださいね。