リードタイムとは『発注→納品までの時間』のこと
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営業や生産の現場で仕事をしている人は、「リードタイムは何日?」という言葉をよく耳にするでしょう。
リードタイムとは、主に『買い主が発注してから、売り主が納品するまでに要する時間』の意味で使われます。しかし、分野によって解釈はさまざまです。
ここでは、各分野での意味のほか、一緒に覚えておきたい言葉などもわかりやすくまとめました。これを機にしっかり学んでいってください。
リードタイムの意味をチェック
リードタイムは、広い意味では『開始から終了までに要する時間・期間』を指し、基本的には長いよりも短いほうが望ましいとされています。
そして、買い主の立場でのリードタイムは『発注してから納品されるまでの期間』で、売り主側では『受注してから納品するまでの期間』と解釈します。
また、前述したように、分野によって少しずつ意味が異なります。それでは、どんな違いがあるのか、分野ごとにまとめてみたので比較しながら見てみましょう。
出荷リードタイム
出荷リードタイムとは、出荷手配をしてから、ピッキング→梱包→出庫の作業が完了するまでに要する時間を指します。
顧客への納品作業に直接携わる営業部門は、リードタイムが長い商品、短い商品をきちんと理解し、適切なタイミングで出荷手配をする必要があります。
生産リードタイム
生産リードタイムとは、原材料の状態から製造工程を経て、工場出荷に至るまでに要する時間を指します。企業によっては『製造リードタイム』とも呼ばれています。
この部分のリードタイムを短縮できれば、一定期間に多くの商品の生産が可能です。そうすれば出荷数量も増やせるので、売り上げUPにもつながるわけです。しかし、作りすぎは過剰在庫になるため、適切な生産管理をするのも大切です。
調達リードタイム
調達リードタイムとは、生産に必要な材料を発注してから、生産ラインに投入するまでに要する時間を指します。
製造業・生産業においては、生産リードタイムを短縮するのも大切ですが、原材料がなければ生産もできません。そのため、製造に必要な部材を適切なタイミングで適切な量を発注し、確保する調達業務もとても重要になってきます。
輸送リードタイム
輸送リードタイムは、主に物流分野で使われる言葉で、トラックに荷物を積み込んでから、荷受け先に納品するまでに要する時間を指します。つまり、『出荷リードタイム』の次の工程にあたるわけです。
リードタイムの英語は『lead time』
リードタイムを英語で表すと『lead time』です。意味は日本語とほぼ同じで、『何か実行するのに要する時間』『開始から終わりまでの時間』を指して使われています。
■production lead time(生産リードタイム)
■transportation lead time(輸送リードタイム)
■need 2months lead tine(2ヵ月の準備期間が必要です)
■Lead time will take more than 2 months.(リードタイムは2ヵ月以上かかります) など
リードタイムの類語
リードタイムを伝えようとしても、その相手がカタカナ用語がわからなければ会話内容を理解できないですよね。そんなときは、次の日本語に置き換えることができます。
・調達期間
・開発期間
・所要期間
・所要時間
・運送時間 など
[ビジネス版]リードタイムの使い方・例文
分野ごとにさまざまな意味をもつ『リードタイム』なので、会話にもいろんな形で登場します。そこで、いくつか例文を用意したので、場面をしながら確認してみましょう。
製造業に欠かせない『タイム』の種類とは?
製造業ではリードタイムのほかにもチェックしておきたい『〇〇タイム』があります。これを機にセットで覚えておきましょう。
タクトタイム
タクトタイムとは、『生産工程において均等なタイミングを図るための工程作業時間』を意味するカタカナ用語。『ピッチタイム』とも呼ばれています。もう少しわかりやすくいうと、製品もしくは部品1つをどのくらいで作らなければならないか、時間を示したものです。
生産リードタイムの短縮を実現するには、このタクトタイムの短縮が大きくかかわってきます。一般的には、作業の余裕率は考慮せず、『稼働時間÷必要数量』で計算します。
しかし、トヨタ生産方式においては『稼働時間÷一日に売れる商品数量』で計算するといわれています。
サイクルタイム
「Aの部品は1個20秒で作りましょう」と定めているのがタクトタイムだとすれば、サイクルタイムとは「実際には25秒で作りました」という結果の時間になります。短い言葉で説明すると『実作業時間』です。
生産リードタイムは、タクトタイムをもとにして計算します。『タクトタイム>サイクルタイム』になると予定生産数よりも増え、『タクトタイム<サイクルタイム』になると、予定生産数に満たなくなるというわけです。
リードタイム短縮を目指して仕事に取り組もう
日々の業務を遂行するにあたり、時間に追われるような作業状態になると、ミスやロスも増えてしまいます。気持ちにも余裕がもてるよう、丁寧な仕事をしながら、リードタイム短縮を目指してみましょう。