コングロマリットとは、でっかい会社・財閥のこと!
日本には昔から財閥というものが存在しています。財閥とは一族やその系列で様々な分野の企業を取り仕切っている大企業のことをいいます。
そして、コングロマリットとは同族の経営ではないものの、様々なジャンルの事業を手掛けている大きな会社や財閥のことを指しています。今回はこの『コングロマリット』という言葉の詳しい意味や使い方、類義語・対義語などをわかりやすく解説していきます。
コングロマリットの意味
コングロマリットは英語で『conglomerate』と表記し、以下のような意味が記されています。
■丸く固まった
■密集的な
■複合企業の
このように、いくつかの物が集まって一つになっている様を表している言葉ですが、日本においては異業種の企業同士が合併したり買収したりして、多角経営を図る巨大な企業体を指して『コングロマリット』と呼んでいます。
コングロマリットの例文・使い方
コングロマリットの意味がわかったところで、ここでは実際の使い方を例文とともにご紹介します。
コングロマリットのメリット・デメリット
日本では「え?まさかあの企業が?!」というような有名な企業でも買収されることがあるほど、M&A(合併・買収)の動きが活発になっており、コングロマリットの企業体を目指す動きも活発です。
しかし、コングロマリットにはメリットばかりではなくデメリットもあります。
コングロマリットのメリット
コングロマリットは2つ以上の企業が同じ企業体で運営されていますが、事業自体は各企業で独立している為、リスクの分散ができるというメリットがあります。
そのため、もし一つの事業の経営が不調に陥ったとしても、他の事業でカバーすることができ、会社全体の経営が落ち込むという事態を防ぐことができます。
その他、違う業種が一つの企業体となっていることで、M&Aもしやすくなり、シナジー効果を得やすくなるというメリットもあります。シナジーとは、2つ以上のものが相互作用し、効果UPするという意味ですが、このシナジーについては別の記事でわかりやすく解説していますので、そちらもぜひご覧ください。
参考 シナジーの意味とは?使い方・例文からビジネスにおけるシナジー効果までわかりやすく解説しますコングロマリットのデメリット
コングロマリットが大きくなりすぎると、事業自体は独立している為、各事業部内の情報が会社全体に伝わりにくいというデメリットがあります。
そのため、コングロマリットで経営を安定させるためも、思わぬ事業悪化の見落としをなくしたり、素早い対策を実行するにもしっかりとした伝達システムを構築したりすることが重要となります。
その他、コングロマリットは株式会社とし株式市場に上場していることがほとんどですが、各事業の価値の合計時価よりも、株式の価値は低くなる傾向にあります。経営陣は表面的に低評価のイメージを与えない為にも、メリットの部分をしっかりと表に見えるようにする努力が必要です。
コングロマリットの類語・関連語
ここまで言葉の意味を詳しくお伝えしてきたので、コングロマリットがどんなものかはおわかりいただけたことでしょう。そこで、ここでは類語や関連語について少しお話したいと思います。
コングロマリット化
一つの分野で事業を行っていた企業がM&Aを繰り返していき多角経営企業になることを『コングロマリット化する』という言い方をすることがあります。
コングロマリットディスカウント
この記事のデメリットのところでもお伝えしましたが、コングロマリット化すると、各企業が単体で事業を行っていた時と比べて市場評価が下がることがあります。この現象をコングロマリットディスカウントといいます。
コングロマリットプレミアム
簡単にいうと、前の項目の対義語。つまり、コングロマリット化することで、単体で事業を行っていた時よりも市場価値が上昇することをいいます。
ホールディングカンパニー
日本語でいうと『持株会社』。各子会社の経営には携わらず、次期社長を決定する権限に至るまで、すべての経営をそれぞれの会社に任せ、子会社の株を保有することでその会社の支配権を持つことをいいます。
コングロマリットは統合企業の支配は目的としていないので、その点に違いがあるといえるでしょう。
コングロマリット化の流れは今後どうなるのか?
一つの分野ではなかなかビジネスで生き残れないということもあり、日本ではコングロマリット化が盛んになっています。しかし、場合によってはデメリットのほうが大きく作用することもありますので、日本の企業がどのような決断をしていくかには注視が必要だといえるでしょう。