バルスは「ラピュタ崩壊の呪文」!
バルス‼ バルスは『天空の城ラピュタ』に出てくる「崩壊の呪文」。バルスは1986年公開の映画ですが、数年前に話題になったワードです。ネットやテレビで取り上げられたのを覚えている人も多いでしょう。今回はそんなバルスについて、話題になった背景も含め詳しく解説していきます。
バルスとは
それではさっそく、バルスやバルスに関連することについて詳しくみていきましょう!
天空の城ラピュタ
バルスが登場する『天空の城ラピュタ』はスタジオジブリ制作の長編アニメーション。監督は日本が誇る名監督、宮崎駿氏です。スタジオジブリの初制作作品として1986年に公開されました。空に浮かぶ伝説の城”ラピュタ”をめぐる冒険活劇としてお馴染み。普段アニメを見ないという方でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
”バルス”を唱えるとどうなる?
劇中での”バルス”はラピュタ語で「閉じよ」を意味する言葉。ラピュタを閉じること=ラピュタの機能を停止するということで秘密の呪文として物語の中で伝えられてきました。バルスを唱えたことで、空中に浮かぶラピュタが落下していく様はいつ見ても色あせない名シーンです。
バルスは何語?英語?
バルスの語源は諸説ありますが、トルコ語のbarış(バルシュ)ではないかと言われています。barışは「平和」という意味。平和を意味する言葉が「崩壊の呪文」とは皮肉な話ですよね。
「バルス祭り」とは
さて、ここからが本題と言っていいでしょう。30年以上も昔のアニメのワンフレーズがなぜここまで知名度を得るようになったのか、それはテレビとネットに深い関わりがあります。
テレビ放映
バルスは日本テレビが放映権を取得しており、『金曜ロードSHOW!(旧金曜ロードショー)』でたびたび放映されています。現在(2018年10月)までに16回放映。※初放送のみ『土曜ロードショー』で放映。放映するたび20%近い高視聴率を獲得しており、20%越えする年もあります。
テレビ実況
ネットの掲示板やTwitterなどでテレビを見ながらコメントすることを「実況」と言います。ネット用語として聞いたことがある人も多いでしょう。スポーツだけではなく、バラエティからドラマ、アニメまで何でも実況されています。もちろんラピュタが放映された時も。この実況で「バルス」を書き込んだ人が多かったことが「バルス祭り」につながることに。
ネット用語は5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)などのネット掲示板やTwitter、InstagramなどのSNSで使われる言葉。タイプしやすいように短縮されたり意図的に誤字を使ったりするのが特徴です。
バルス祭りへ
2ちゃんねるは1999年開設、Twitter日本法人ができたのが2011年。2ちゃんねるもTwitterも2000年代後半から利用者が増加しています。もちろんテレビ放映が始まった1988年には存在していませんでした。
実況されるようになったのは、やはり2000年代後半頃から。劇中で「バルス」が使用されるのに合わせてコメントされたのが拡大して「祭り」に。特定の話題で膨大な書き込みがされることをネット用語で祭りと言います。
サーバーダウンと世界一
2ちゃんねるでは「バルス祭り」によってサーバーテロでも落ちなかったサーバーが2009年の放映時にダウン。Twitterでもツイート数は年々増加して2013年の放映時には秒間14万3,199ツイートを記録。世界記録として現在も破られていません。
企業の介入
バルス祭りを企業が放っておくわけがありません。2016年には日本テレビが2年半ぶりのラピュタの放映に先立ち、”バルス”までのカウントダウンを行っています。
他にも「タニタ食堂」や健康器具で有名なタニタは、バルスよりもタニタのツイートが少なかったら社名をバルスに変えると宣言して、見事?敗れて1日だけ社名を変更。自動車メーカーのスバルも社名にちなんでツイッターアカウントで祭りに参加しています。他にも多くの企業が公式アカウントで祭りに参加。
沈静化へ
企業が介入したことで、さらなる盛り上がりを見せるのかと思いきや2016年の”バルス”は5万5千ツイート。十分多いものの2013年の14万ツイートと比べると少なく思えてしまいます。翌2017年の放映時も4万8千ツイートとさらに減少しています。
ネット上では「冷めた」、「バルス離れ」などのコメントやバルス祭りへの批判的な意見も見られるように。広く認知されて商業的に利用されたことで、興ざめした人が増えたのでしょう。
バルスの関連語
”バルス”と”バルス祭り”について詳しく見てきました。ここではバルスの関連語を見ていきましょう。関連語と言っても語感が似ているだけかも…。
バルスタリー
バルスタリーは漫画雑誌『モーニング』で連載中の野球漫画『バトルスタディーズ(BATTLE STUDIES)』の中で、主人公が試合前にバッテリーと声を合わて言うセリフ。バルスタリーはBATTLE STUDIESを英語っぽく発音していると思われます。
バルス株式会社
タニタが1日限定で社名を”バルス”にしましたが、1日限定ではなく社名がバルスの企業は存在します。動画コンテンツ制作やコンサルティング、建築関係の会社などがあるようです。
バルストロキッチン
おしゃれなイタリアンレストランの名前にも”バルス”が使われています。また肉料理が自慢のバルスという居酒屋も。
AtoZ BALS RESORT
ラブホテルの名前にも。様々なタイプの部屋が用意されています。
盛り上がる呪文かも
”バルス”は「崩壊の呪文」ですが、インターネット上においては祭りとして盛り上がる呪文だったようです。冷めつつあるバルス祭りですが、今後はどうなるのでしょうか。気になった方は、参加してみるのもいいかもしれません。「バルス!」