「くれぐれも」は心をこめた依頼やお願いの言葉として使用できる
「くれぐれも」は、言葉の前に加えて使用することで”心をこめた依頼やお願い”の言葉として使用できます。
「くれぐれも~してください」など、「くれぐれも」を使用したフレーズはよく耳にしますが、類語を知っておくことで、より表現の幅が広がります。語彙力を高めるためにも、積極的に吸収していきましょう!
・どうか
・ぜひ
・何卒
「くれぐれも」の語源・意味・漢字
「くれぐれも」を使用する人の多くは、いつの間にか使い方を身につけている場合がほとんどだと思います。そのため、言葉の語源や意味、漢字表記に関してあまり深く掘り下げる機会はないかもしれません。
ビジネスパーソンとしてより高みを目指すのであれば様々な知識を身につけておくことも必要です。ここでは、知らない人も多い「くれぐれも」の語源・意味・漢字表記に関して解説していきます。
「くれぐれも」の語源
「くれぐれも」の語源から見ていきましょう。
「くれぐれも」は「繰り繰り」が転じた表現で、もともと、何かを繰り返し行うさまを表す言葉として使われていたようです。語形としても「くれぐれと」と表現されていましたが、時代と共に衰退し、現在使われている「くれぐれも」が用いられるようになったとされています。
「くれぐれも」の意味
「くれぐれも」は、心をこめた依頼やお願いの意味で用いられています。
語源の項目でお伝えした通り、もともと、「くれぐれと」として何かを繰り返し行うさまを表す言葉として使用されてきましたが、織田信長の「信長公記(1598年)」には”心をこめた依頼やお願い”の意味として「くれぐれも」が記されていることから、この時代あたりから、もともとの意味から現代でも使われている意味に転じたと理解できます。
「くれぐれも」の漢字
「くれぐれも」は漢字で表記すると「呉々も」「呉呉も」「呉れ呉れも」となります。「呉」はあて字であるため、文書やメールで使用する際は”ひらがな”で表記することが一般的です。
「くれぐれも」の使い方
「くれぐれも」の基本的なことを理解したうえで正しい使い方を確認しておきましょう。
「くれぐれも」は目上の人に使用しても失礼にならない
「くれぐれも」はビジネスシーンでもよく使用される言葉です。
敬語ではありませんが目上の人に対して使用しても失礼にあたりません。社内・社外どちらでも使用可能です。
懇願する際に使用できる「くれぐれも」の例文
「くれぐれも」はビジネスシーンで依頼やお願いする際に使用できます。正しく使用できるよう例文で確認してください。
・くれぐれもよろしくお願いいたします
「くれぐれもよろしくお願いいたします」は、懇願する「よろしくお願いいたします」に「くれぐれも」を加えることで、心をこめた依頼・お願いの表現として使用可能です。
・くれぐれもご検討のほどよろしくお願いいたします
「くれぐれも」を使用することで、強く懇願する想いを相手に訴えかけることができます。
お願いを強調する際の「くれぐれも」の例文
「注意してください」や「お気を付けください」のフレーズに「くれぐれも」を加えることで、お願いを強調したい場合にも用いることができます。
・くれぐれも注意してください
「くれぐれも注意してください」は相手に対して注意を強調して促すフレーズです。
・くれぐれもお気をつけください
「くれぐれもお気をつけください」は「くれぐれも注意してください」と同じように、相手に対して注意を強調して促すフレーズとして使用できます。
体調を気遣う際の「くれぐれも」の例文
体調を気遣う際にも「くれぐれも」は非常によく使われます。目上の人や上司、クライアントにも使用できます。
・くれぐれもご自愛くださいませ
「ご自愛くださいませ」は相手の体調を気遣う言葉です。そこに「くれぐれも」を加えることで、”心をこめた依頼やお願い”の表現となっています。
語尾に「ませ」が付いているため、女性が使用する女性語となっています。男性の場合は「ご自愛ください」と形を変えることで使用可能です。
また、間違いやすい言い方として「お体ご自愛ください」がありますが、「体」が重複した言葉のため、「ご自愛ください」が正しいです。
・くれぐれもお体にはお気をつけください
お見舞いなどに訪れた際に使用できる表現です。「くれぐれも」を使うことで、体調にご配慮くださいとの気持ちを強く表すことが可能です。
・くれぐれもお大事になさってください
こちらも相手の体調を気遣う際に使用できる表現です。「くれぐれも」が加わることで、”心をこめた依頼やお願い”の表現となっています。
「くれぐれも」は上司が部下に向かって使うこともある
「くれぐれも」は下記の例文のように上司が部下に向かって使うこともあります。
・先方へくれぐれも失礼のないように。
「くれぐれも」に続く言葉を特に強調したい場合には上記の例のように使用されます。
「くれぐれも」の類語
「くれぐれも」は目上の人や上司、クラアントにも使用できる便利な言葉です。しかし、便利な言葉だけに多用していては相手に”くどい印象”を与えしまう可能性があります。
デキるビジネスパーソンであれば、相手を不快にさせないこともマナーの一つ。「くれぐれも」ばかり使用している人は類語を身につけ、シチュエーションに合わせて言い換えできるように準備しましょう。
どうぞ
「どうぞ」は”許し”を表す言葉です。「くれぐれもよろしくお願いいたします」と表現するよりも、強く相手に伝えることができます。
どうか
「どうか」は”お願い”を表す言葉です。使用できるシチュエーションは「くれぐれも」とよく似ています。「くれぐれも」ばかり使っている人は言い換えて使用してください。
ぜひ
「ぜひ」は「くれぐれも」を使用した場合と比べ、何かを強調してお願いしたいときに使用すると良いでしょう。
何卒
ビジネスシーンでも非常によく使う「何卒」も事柄を強調する際に使用できる言葉です。
「くれぐれも」の英語表現
「くれぐれも」の英語表現も確認しておきましょう。
「くれぐれも」は「By all means」を使用することで同じニュアンスで表現可能です。
「くれぐれもよろしくお伝えください」を英語で表現
「くれぐれもよろしくお伝えください」の英語表現です。
「くれぐれもお願いします」を英語で表現
「くれぐれもお願いします」の英語表現です。
「くれぐれも注意してください」を英語で表現
「くれぐれも注意してください」の英語表現です。
「くれぐれも」を使って自分の気持ちを表そう!
「くれぐれも」は相手に対するフレーズに用いることで”心をこめた依頼やお願い”の意味として使用可能です。
後に続く言葉を強調したい場合にも使えるため、使用できるシチュエーションは非常に多いと言えます。類語を使用して使い分けると共に、「くれぐれも」を正しく使い自分の気持ちを表しましょう!