「鑑みる」とはどういう意味?正しい読み・使い方・類語・例文を紹介!

「鑑みる」とは過去の事例やお手本と照らし合わせて考えるってこと!

部下

先日のミーティングで使ったデータですが、古い資料を引用してしまったようなんですが・・・。
普段の君のミスの多さに鑑みると、想定の範囲内ってところだな。

上司

部下

大事にはならなかったようですが、なんか釈然としませんね…。

「鑑みる」とは、過去の事例や判例、お手本となる事柄と照らし合わせて考えるとの意味をもつ言葉です。これまでの出来事を踏まえ、参考にするさまをあらわします。

ある事柄に照らし合わせたり、引き合いにする言葉は「鑑みる」以外にもあります。今回は「鑑みる」の正しい使い方や類語について解説します。

「鑑みる」の類語(言い換え表現)
・見込む
・顧みる
・斟酌
・考慮する
・踏まえる
など

「鑑みる」の読み方・意味

「鑑みる」は、“かんがみる”と読み、「かが・みる」「かんが・みる」のどちらとも読める言葉です。

「鏡を見る」かのように「”照らし合わせて”考える」様子を指し、”鏡が動詞化”してこのような読み方になったとも言われています。

現在では「鑑みる」は「かんがみる」と読むのが一般的です。次の項からは、「鑑みる」の使い方について詳しく説明します。

「鑑みる」の使い方

「鑑みる」は、対象となる事柄や事例を照らし合わせて考える場面で使用されます。

例えばビジネスシーンだと、「前年と比べた場合の今回の事例」や、「これまでの功績に対する今回の結果への対応」などがあげられます。

「鑑みる」の例文

ここからは、「鑑みる」を使用した例文をみていきましょう。

例文1

部下

今回のスケジュールは、いつもよりだいぶ余裕がありますね?
去年はスケジュールを詰めすぎて、進行が厳しめになったことがあったからね。それを鑑みるに、これくらいでちょうどいいと判断したんだよ。

上司

例文2

部下

これだけ時間にゆとりがあるなら、全然余裕ですよ!任せてください。
君の性格から鑑みるに、全然安心できないんだよなあ…。

上司

過去の事例や事柄と照らし合わせ、その結果や結論を述べる際に使えます。

「〇〇に鑑みる」と「〇〇を鑑みる」はどちらが正しい?

対象の事柄と照らし合わせる際に「鑑みる」を使うとき、「〇〇に鑑みる」と「〇〇を鑑みる」の2つのパターンを目にする機会があります。格助詞「に」と「を」で使い分けされるケースです。

「格助詞」ってなに?
格助詞とは体言のうしろに付いて、ほかの語とどのような関係にあるのかを示す助詞

「〇〇に鑑みる」と「〇〇を鑑みる」はどちらも広く使われていますが、「鑑みる」は照らし合わせて考慮する言葉であるため、「を」ではなく「に」を使用するのが正しいとされています。そのため、ビジネスシーンでの文書や公用文で使うのは「〇〇に鑑みる」がベターです。

しかし、古典の平家物語では「〇〇を鑑みて~」という表現が使われており、近年の辞書にも「〇〇を鑑みる」と記載されているケースも見受けられます。古い時代の文献でも使用されている「〇〇を鑑みる」は間違いであるとは言い切れませんが、公的、およびビジネスシーンでは「〇〇に鑑みる」とするのが無難でしょう。

「鑑みる」の類語・言い換え表現

「鑑みる」は対象となる事柄との比較として扱われており、類語や言い換え表現の多くが”比べる”を意味しています。ここでは「鑑みる」の類語・言い換え表現をご紹介します。

見込む

「見込む」は、「あてにする」「有望に思う」「勘定に入れる」などの意味をもつ言葉で、「鑑みる」に近い使い方ができます

例文1

部下

新商品の売れ行きが好調のようです!
これだけ順調なら、売り上げも十分前年比増が見込めるね。

上司

例文2

先輩

ちょっと、この在庫の山どうするの?いくらなんでも発注しすぎでしょ!
この季節なら需要が見込めると思ったのに…。

後輩

顧みる

過ぎさった事柄を振り返り、思い起こすさまを表します。動作としての「振り返る」の表現としても使われています。「顧みる」と同じ意味をもつ言葉には「回顧」があります。

例文1

上司

この時期はある程度予測できるものだが、最近の天候状態だとちょっと慎重になるなあ。
確かにここ数年を顧みるに、安定してるとは言い難いですね。

部下

例文2

部下

こういうのは迷っても仕方ありませんから、思い切って今まで通りのデータを信じましょう!
それでつい最近やらかしたはずだが、君は過去を顧みることをしないのか?

上司

斟酌

「しんしゃく」と読み、さまざまな事柄を照らし合わせて取捨選択する意味の言葉です。飲み物をくみ分ける様子に由来しており、相手の考えや心情をくみ取って手加減する意味も含まれます。

例文1

上司

今回の発注ミスに関しては、君の性格とこれまでの頑張りを斟酌して不問としよう。
本当に申し訳ありません!次からは気をつけます!

部下

例文2

部下

課長、本当にあれでよかったんですか?
過ぎたことは仕方ないし、彼なりに考えた結果だから斟酌を加えることにしたよ。

上司

斟酌と同じ他人の気持ちを推し量る言葉として、「忖度(そんたく)」や「慮る(おもんぱかる)」があり、どちらもビジネス用語として使われる機会も多いです。あわせて覚えておきましょう。

「鑑みる」のそのほかの類語

・考慮する
・踏まえる
・引き合いに出す
・照らし合わせる
・にらみ合わせる
・並べる

「鑑みる」の類語は先述した以外にも数多くあります。

状況に応じて的確に使い分けられるよう、「鑑みる」と同じ意味で使われる機会の多い「考慮する」「踏まえる」との違いについて解説します。

「鑑みる」と「考慮する」「踏まえる」の違い

「考慮する」や「踏まえる」を「鑑みる」の代わりに使っている人もいますが、厳密にいえば「鑑みる」とは違いのある言葉です。それぞれの違いを確認していきましょう。

■「考慮する」

「考慮する」は、判断や行動の前に思いをめぐらせ、さまざまな要素を考えあわせるとの意味をもっています。

「鑑みる」と「考慮する」の違い
「鑑みる」を使った場合

部下

どちらの人材を採用するか決めましたか?
今回はA君とB君の実績を鑑みて、A君の採用を見送ることにしたよ。

上司

「考慮する」を使った場合

部下

今回の人選は意外でしたね。
彼の現在の事情を考慮しての採用だよ

上司

「鑑みる」の代わりとして使われる機会は多いですが、「考慮する」のなかには、必ずしも比較の意味を含みません。比較が必要な場面で「考慮」を使用する場合、”なにに対して考慮しているか”を理由づけする必要があります。

■「踏まえる」

「踏まえる」も「鑑みる」の類語としてよく用いられている言葉です。「踏まえる」は、ある事柄をよりどころにしたり、前提として考えるとの意味をもっています。

「鑑みる」と「踏まえる」の違い
「鑑みる」を使った場合

部下

今回から随分規定が改正されましたね。
先日の整備不良から起きた事故を鑑みて、改善するよう求められたからね。

上司

「踏まえる」を使った場合

部下

この説明書はかなり細かい部分まで指定されていますね。
先日の事故からの失敗を踏まえて、改善を求められたようだね。

上司

「踏まえる」も「鑑みる」と違い、比較対象をあらわしているわけではありません。「鑑みる」は、先の事例と照らし合わせて結果を示す場合に使われます。それ以外の状況では、類語を使うのが正しい使い分けです。

「鑑みる」の英語表現

「鑑みる」はビジネスシーンにおいて使われるフレーズです。

仕事をしていれば「鑑みる」を英語で表現しなければならない機会が訪れるかもしれません。そのときに備えてメールや会話での使い方を勉強しておきましょう

「鑑みる」の英語表現
「鑑みる」は英語で・・・
consider
と表現できます。

「鑑みる」の英語表現を使用した例文はこちらです。

例文
・Considering the number of failures, improvement is necessary.
⇒故障の多さに鑑みると、改善が必要だ。
・Considering past cases, this time it is not going well.
⇒過去の事例に鑑みると、今回はあまり上手くいっていない。
・Considering the sales results so far, it seems good to order more this year.
⇒これまでの販売実績に鑑みると、今年も多く注文して良さそうだ。
・Considering last year’s sales, we need to sell more products.
⇒去年の売上高に鑑みると、まだまだ多くの商品を売る必要がありそうだ。
・Considering the results up to last year, this year is a great success.
⇒去年までの成績に鑑みると、今年は上出来だ。

事例や手本と照らし合わせて考慮するのが「鑑みる」

「鑑みる」は、「〇〇に鑑みる」と「〇〇を鑑みる」の使い分けや、類語が多いことから誤用している人も多い言葉です。

“鏡を見るように”(過去の)事例やお手本に照らし合わせて考えるシチュエーションで使えるのが「鑑みる」です。使い分けに混乱してしまった場合、「鑑みる」の由来や意味を思い返しましょう!