ブッキングとは「予約」のこと
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日常でも使っているブッキング。ダブルブッキングの略語と認識している人はいませんか?しかし、この二つの言葉の意味はまったく異なります。そして、ブッキングの意味は業界によっても異なります。
これまで「なんとなくこんな意味かな…」で使っていた人は、ここでしっかりと正しい意味や使い方を学んでいってください。
ブッキングの意味をチェック
多くのカタカナ用語は英語が元になっていますが、ブッキングはどうでしょう?まずは日本語と英語の意味の違いについてみてみましょう。
ブッキングの語源は英語の「booking」
英語でブッキングは『booking』と書きます。このスペルを見てもわかるように『book』+『ing』でできた単語です。
英語の『book』は、一般的には『本』の意味で使われますが、実はこんなにたくさんの意味をもっているんです。
【名詞】
■著作
■名簿
■帳簿
■規則
■説明書 など
【動詞】
■予約する
■切符を買う
■記帳する など
このように、『book』には動詞の意味もあります。そして、動詞+ingで名詞の『booking』となり、次の意味をもつ単語となっています。
■予約
■出演契約
■帳簿への記入 など
わかりやすい熟語もいくつか紹介しておきますね。
■booking center(記帳場所)
■booking form(予約申込書)
■flight booking(航空券の予約)
■pay a booking fee(予約金を支払う) など
日本語のブッキングとは
ブッキングは、日本語では主に『予約』の意味で使われています。ホテル、航空券、長距離バスなど、事前予約をするシーンではよく登場しますね。
そのほか、音楽業界や映画業界でのブッキングは、主に『出演契約』の意味になります。「〇〇さんをブッキングする」といった使い方をします。
ダブルブッキングとはどんな意味?
ブッキングと似た言葉として、ダブルブッキングもよく使われるカタカナ用語ですよね。しっかり区別して使わないと、伝えたいことと違った意味で解釈されてしまいます。そこで、ダブルブッキングの意味についても解説します。
ダブルブッキングは「予約の重なり」のこと
ブッキングとは『予約』のことです。それが『ダブルになる(二重になる)』ことが、ダブルブッキング。つまり、『予約の重なり』のことですね。そして、英語ではbookingに『double』をつけただけの『double booking』という表記になります。
それでは、ダブルブッキングの例を少しあげてみますね。
■ホテルで同じ部屋に2組の予約を受け付けてしまった。
■同じ日に2つのイベントの予定を入れてしまった。
■同じ日時に別の会議予定を入れてしまった。
■同じ日に2つの飲み会予定が入ってしまった。 など
ダブルブッキングが発生すると、場合によっては謝罪するだけで済まない大きな問題につながることもあります。そのため、ブッキングするときや会議スケジュールを立てる際は細心の注意が必要です。
ダブルブッキングの類語は「オーバーブッキング」
限度数を超えてブッキングすることを『オーバーブッキング』といいます。『オーバーな予約』なので、キャパシティを超えて予約が過剰になる状態を指します。
航空会社では、キャンセルがでても100%稼働となるよう、予約をあえて多くとることがあります。たとえば、キャンセルを見越して、300席の飛行機で310人の予約を受けるなどの対応を行っています。
ところが、当日になって想定よりもキャンセルがなかったときには、乗客の誰かに次の便に変更してもらう必要があります。
また、ホテルなどでも意図的に(あるいは意図せずに)予約をとりすぎてしまい、チェックインができない事態になる場合があります。
[ビジネス版]ブッキングの使い方・例文
ブッキングやダブルブッキングの意味がわかっても、使い方を間違ったら恥をかくことになります。あなた自身がそうならないためにも正しい使い方をチェックしておきましょう。
新人
上司
ブッキングの関連用語
ブッキングには一緒に覚えておくと便利なカタカナ用語があります。ここできちんと確認し、区別して使えるようにしておきましょう。
セルフブッキング
セルフ(self)とは、『自分自身で』を意味する言葉。セルフブッキングは『自分自身で予約をとる』ことをいいます。
昔は、ホテルの予約をする際、ホテルに電話したり、旅行会社を通したりしていましたよね。しかし、今は宿の予約サイトも充実し、自分で予約できるようになりました。航空券も専用サイトから自分で予約できます。
このように、自分で予約を手配する行為がセルフブッキングになります。
フルブッキング
主に旅行業界で使われる言葉で、予約可能な枠がすべて埋まっている状態を指します。100部屋あるホテルの100部屋すべてがブッキングされていれば、フルブッキングになります。
分野別!ブッキングの使用シーンと意味
ビジネスシーンでは主に『予約』を指すブッキング。しかし、分野別で見ると業界用語として別の意味で使われる場合があります。ここでは代表的なものをピックアップして紹介します。
金融業界では「帳簿の記入」
英語の意味としても『帳簿への記入』があるように、金融業界でブッキングというと、帳簿の記入を指す場合があります。
貿易業界では「目的地までのスペース確保」
貿易において、運ぶ荷物が多い場合、海外向けであっても船を利用した輸送が行われます。この際、『船までのトラック手配』『船の手配』『税関の書類』など、さまざまな手続き・予約が必要です。目的地まで荷物を運ぶために必要な業務をブッキングと呼んでいます。
映画業界では「映画の配給」
あなたも映画館で映画を観ることがありますよね?ここで上映されている映画の多くは、次の手順が必要となります。
①映画を作っている会社が配給会社へ映画を販売する。
②配給会社が映画館に上映する映画を提供する。
②の行動を起こして上映場所を確定させることをブッキングといいます。
バンドでは「ライブハウスが企画するライブ」
バンド活動をしている人にとっておなじみの言葉に『ブッキングライブ』があります。これは、ライブハウスやイベンターが企画するライブを指しています。
たとえば、『コピバン祭り』『オヤジバンド祭り』『アニソンライブ』などの企画をします。ライブハウスから特定のバンドに声をかけたり、ホームページなどで募集をしたりして、出演バンドを決めて開催するのが通常です。
また、大きなライブハウスでは、仕事の役割として『ブッキング担当』がいます。ライブ出演を希望する人は、このブッキング担当の人に出演予約をすることになります。
ブッキング、ダブルブッキングという用語を活用!
ブッキング、ダブルブッキング、オーバーブッキングなど、ブッキングだけでもこれだけ違う用語があります。また、似た意味をもつカタカナ用語も存在します。間違った使い方をしないよう、ここで正しく意味を理解し、上手に使い分けをしてください。