ガイドラインとは「物事を判断する道しるべ・指針」のこと!
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新人
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ビジネスには、いろいろなガイドラインが関わってきます。ガイドラインについて正しい知識を学び、日々の仕事に役立てていきましょう!
ガイドラインの意味を解説
ガイドラインは、日本語に浸透しているカタカナ語です。ごく当たり前のように用いられることが多い用語なので、わざわざ辞書で意味を調べたことのある人は少ないかもしれませんね。
日本語と英語で使い方に違いがあるのかも気になります。ガイドラインのくわしい意味を確認しましょう!
英語のガイドライン(guideline)はどんな意味?
ガイドラインは英語表記すると「guideline」。英語の「guideline」には次のような意味があります。
・案内線、けい線
「guideline」は判断基準になる具体的な内容を示し、人々を導くものです。仕事でも、ある事柄の判断基準や指針として、マニュアルのような形で整備されていることがあります。
日本語のガイドラインとは?
日本語のガイドラインは、次のような意味をもつ言葉です。
・組織や団体が関係者を指導するときに用いる指針。
・文字を書いたり、タイピングをしたりするときの目安になるけい線。
分野別にガイドラインの意味をチェック
ガイドラインはいろいろな分野で使われる言葉。分野によっては、特有の意味でガイドラインという言葉が用いられることもあります。
それぞれの分野でのガイドラインの意味や位置づけを学び、社会人として必要な知識を深めましょう。
ガイドラインの意味①:ビジネス
ビジネスでのガイドラインは、仕事を進めるうえで基準・目安にする大まかな指標のこと。組織や個人に対して望ましい行動の方向性を示したり、守った方がいい基準として一定の縛りを加えたりするものです。
ガイドラインの意味②:法律
ガイドラインは、法律とは異なります。ガイドラインは、法律の下に位置づけられるもので、法律の内容に沿って作成されます。
ガイドラインそのものは、法律のように守ることを強く義務づけられているものではありません。
しかし、場合によっては、ガイドラインに違反すると、同時に同じような内容を定めている法律にも違反する可能性があります。強制力のないガイドラインだからといって、安易に無視するのはおすすめできません。
ガイドラインの意味③:医療
医療でのガイドラインは、最新の臨床研究の結果を踏まえたうえで、その時点で最善の方法として推奨される治療法などをまとめた文書のこと。重要な医療行為に対して、一般的で、かつ最善とされる診療法が提示されています。
医療者向けのガイドラインだけでなく、患者向けにわかりやすい言葉で書かれたガイドラインもあります。
ガイドラインはA・B・C・Dの4段階で「推奨グレード」が示されることが多いです。Aは最上位で「行うよう強く勧められる」と判断される治療法。B・Cになると順に推奨レベルが落ちていき、Dは「行わないよう勧められる」ものになります。
仕事で触れる機会のある「ガイドライン」の具体例
ビジネスでは、守った方がいいとされる事柄が複数ありますよね。それらをまとめて、さまざまな団体がいろいろなガイドラインを出していますよ。
ビジネスでのトラブルを防いでくれるガイドラインには、どのような内容が書かれているのか、具体例を通してみてみましょう。
①:広告に関するガイドライン
企業や団体の出す広告になんのルールや決まりもなければ、広告合戦に巻き込まれる消費者は大迷惑ですよね。そのため、さまざまな団体が目的をもってガイドラインを出しています。
たとえば、Yahoo!プロモーションは、Yahoo!が提供しているサービスや、提携パートナーに掲載される広告の掲載可否を判断する基準として、広告の「ガイドライン」を出しています[efn_note]参考:広告掲載基準|Yahoo!プロモーション広告[/efn_note]。
また、街の広告は大きければ目立つだろうと、各企業が広告看板をどんどん拡大していったら、街の景観が損なわれてしまいます。それを防ぐために、自治体で広告に関するガイドラインを出しているケースもあります。
②:個人情報保護に関するガイドライン
個人情報保護委員会から、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」が出されています[efn_note]参考:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)|個人情報保護委員会[/efn_note]。
ガイドラインでは、個人情報の取り扱いについて、パターン別に対応の方針などが示されています。企業の個人情報保護活動を助けてくれる内容のガイドラインです。
個人情報の取り扱いが厳しくなっている昨今、いろいろな業界で使えるガイドラインです。ビジネスマンが目を通しておいても、参考になるでしょう。
③:中小サービス業の生産性に関するガイドライン
経済産業省は、中小サービス業向けに「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」を出しています[efn_note]参考:中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン|経済産業省[/efn_note]。
このガイドラインでは、中小のサービス企業が今よりも効率よく売上をアップできる手法を紹介。また、具体的な取り組みも多数紹介されています。具体的な方法論だけでなく、取り組み事例がプラスされているガイドラインもあるのですね。
仕事で役立つ!ガイドラインの使い方・例文
ガイドラインには「指針」「指標」のほかに、「案内線」「けい線」という意味がありましたよね。それぞれの意味について、ガイドラインの使い方を例文でイメージしてみましょう。
先輩
上司
先輩
上司
新人
意味が違う?ガイドラインの類語
ガイドラインには似たような意味の言葉がたくさんあります。しかし、それらはガイドラインと意味が完全に同じというわけではありません。
それぞれの言葉の違いを理解していないと、使い方を間違えて恥をかいてしまいますよ。社会人の知識として、ガイドラインの類語も知っておきましょう!
ルール
ルールは競技や遊戯など、特定の物事に参加する人が共通して守らなければならない決まり事です。「やらなければならないこと」「やってはならないもの」が定めてあります。
それに対して、ガイドラインは倫理や道徳をもとに、「これをしましょう」「あれはしないようにしましょう」と指針を決めたものです。守ることが望ましいですが、守ることを誰かに強制されるものではありません。
スタンダード
スタンダードは「標準」という意味で、最低限満たす必要がある、義務的な基準のこと。
スタンダードとして示されている事柄を守らないと、スタンダード違反とみなされたり、スタンダードを満たすことで得られる第三者からの認証をもらえなくなったりしてしまいます。
それに対して、ガイドラインは義務ではなく、推奨の基準です。また、守ったからといって第三者からの認証をもらえるわけではありません。
ガイダンス
ガイダンスは「案内」「手引き」のこと。ある事柄にくわしくない人でもわかりやすいように、よりわかりやすくまとめたもの。何かを導くこと、指導すること、案内することなどが含まれます。
どこかに電話をかけたときに、「音声ガイダンスにしたがって…」という音声を聞いた経験がある人がいるかもしれません。この場合、「音声の案内にしたがって」という意味になります。
ガイドラインを遵守した行動を心がけよう!
ガイドラインは法律ではないので、守ることを強制されることはありません。守らなかったからといって、厳罰が下るわけではありません。
とはいえ、ビジネスでガイドラインを守らず好き勝手なことをしていたとしたら、周囲があなたをみる目は厳しくなり、仕事がしにくくなってしまうでしょう。会社の評判を落とすようなことは避けるべきですよね。
責任あるビジネスマンとして、ガイドラインを遵守した行動を心がけるようにしましょう!