「革新」とは古い事柄を改めて新しくすること!
部下
上司
部下
「革新」とは、制度や慣習、組織を新しく変える意味の言葉です。「革新的」や「改革」、「イノベーション」とともに、会社組織やビジネスシーンで使われる機会も多いです。
これらはすべて同じ意味で使われるケースが多く、単語の使い分けがわからず混乱してしまいがちです。正しく使い分けるには、現在の使い方のようにひと括りで使用せず、本来の意味と類語の理解を深めておきましょう。
・改革
・刷新
・改新
・画期的
「イノベーション」や「変革」との違い
ビジネスシーンや政治の世界でよく耳にするフレーズに、「イノベーション」や「変革」があります。これらは「革新」と同じ意味で用いられていますが、実は「革新」とは意味がよく似ている別の言葉なのです。「革新」と「イノベーション」、「変革」がどのように違うのかを解説します。
「イノベーション」とは「技術革新」だけを指す言葉ではない!
技術や発明、商品を新しく生むさまを一般的に「技術革新」=「イノベーション」とあらわします。しかし、「イノベーション」には「技術革新」のほかにも5つのタイプがあると経済学者によって定義されています。
・新しい「財貨の生産」
・新しい「生産方法の導入」
・新しい「供給源の獲得」
・新しい「販路の開拓」
・新しい「組織の実現」
このように「イノベーション」は、”世界的な経済活動と発展”に基づく「変革」を意味しています。そもそも「イノベーション」とは、英語で「革新」や「革新」の類義語をあらわす言葉です。新しく創造するのは技術だけではなく、モノや慣習にも当てはまります。
技術の「革新」が経済の発展に深く関わる様子から、「イノベーション」が広義的な意味で「技術革新」として使用されているのです。
「イノベーション」は「技術革新」だけに限って使う言葉ではありません。もっと具体的にいえば、新しく生み出した”人類の知恵”こそが「イノベーション」といえます。
「変革」とは事柄を「変化」させること!
ビジネスシーンでもよく使われている「変革」ですが、こちらは「革新」や「イノベーション」よりも違いがわかりやすい言葉です。「変革」とは、“従来を変えて新しくする”さまを指す言葉です。
変えるものは、しきたり、規則、慣習にとどまらず、あらゆる事柄が当てはまります。まったく新しく生まれ変わった事柄、生まれ変わらせるさまを「変革」と表現します。
「革新」の使い方・例文
「革新」の使い方についてご紹介します。単独で「革新」を用いる機会は少ないですが、「革新的」はよく使われるフレーズですので、こちらも確認していきましょう。
「革新」を使った例文
部下
上司
後輩
先輩
「革新」のみを使う表現は現在ではあまり使われませんが、組織のなかでの”反保守主義”や”新しい試み”をあらわす言葉として使用できます。
「革新的」を使った例文
「革新」に接尾語の「的」を加えて意味を明確にした表現です。この場合は、“明らかに革新であるさま”をあらわした使い方になります。
部下
上司
「革新」の類義語と言い換え表現
ビジネスシーンでは「革新」に似た意味をもつ類義語が多く使われています。「革新」の類義語とはどのようなものか例文を交えながらご紹介します。
「改革」
「改革」とは、制度や組織、政策を社会情勢に対応するよう改善するさまをあらわす言葉です。社会や経済の変動にあわせ、新しい制度や政策に取り組むときに使われます。主に政治家が口にする言葉ですが、なにかを変えようとするときにも「意識改革」として使用されるケースがあります。
部下
上司
後輩
先輩
「刷新」
悪い面を改めて、まったく新しく変えるさまを意味する言葉です。類義語に「一新」がありますが、こちらは”一から新しくする”様子をあらわし、”悪い面”だけに限られた言葉ではありません。改善を「刷新」、あらゆる事柄の全体を改めるのが「一新」と使い分けましょう。
部下
上司
「改新」
「改新」にはふたつ意味があり、ひとつは古い物事を改めて新しくするさまを指し、「革新」に意味が一番近い言葉です。「改新」を使った最もメジャーな言葉に「大化の改新」があります。現在では歴史上の出来事以外で「改新」を使う機会がほとんどないため、知識レベルで覚えておきましょう。
もうひとつの意味は”年の始め”をあらわしますが、現在では年初めを指す言葉として「新年」や「年始」のほうが使われています。
後輩
先輩
「画期的」
過去と新時代の区切りをあらわす意味をもつ「画期」に接尾語の「的」をつなげた言葉です。新旧の時代を分けた言葉としても使われています。
現在では今までになかったアイデアや発想を指す場合が多く、「技術革新」の「イノベーション」に対して、新時代を切り開くほどの事柄を「エポックメーキング」と称するケースに分けられます。
後輩
先輩
先輩
上司
「革新的」と「画期的」の違い
「革新的」と「画期的」は似た意味の言葉ですが、「革新的」と「画期的」では”新しく変える事柄”の違いがあります。
「革新」は”古い慣習やしきたり、制度”に対してのみ使えますが、「画期」は”技術や製品も含め、従来にはない新しい時代を開く事柄すべてに使用できます。そのため、「革新的」と「画期的」も同じように使い分けができます。
「革新」の対義語
「革新」の対義語は、”新しく変える”とは逆の意味をもつ言葉が当てはまります。変えようとせずに現状維持を目指す「保守」、それまでのしきたりを守る「伝統」が対義語に当てはまります。
新しいものを生み出そうとする「革新」に対し、悪くいえば古い考えといわれがちな「革新」の対義語ですが、よいものを残して後世につなげようとする考えもまた、「革新」とは別のメリットがあります。
現状の考えを排除して新生するか、あえてリスクを取らずに現状を維持するか、「革新」と「保守」、「伝統」は相反する言葉ですが、どちらにもよい面と悪い面があります。
「革新」の英語表現
「革新」はビジネスシーンにおいて使われる言葉です。英語でも表現できるようメールや会話での使い方を事前に身につけておきましょう。
innovation
と表現できます。
「革新」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒今までやらなかったことにチャレンジして生活を革新したい。
・I want to work on management innovation.
⇒経営革新に取り組みたい。
・Innovative opinions should be appreciated.
⇒革新的な意見は評価されるべきだ。
・An innovatively designed car was presented.
⇒革新的なデザインの車が発表された。
「革新」の意味はひと括りで覚えず正しく理解して使おう!
「革新」とは、制度や技術、しきたりをまったく新しいものに変える様子をあらわす言葉です。”新しく変える”意味をもつ類義語は数多く、「イノベーション」のように広義的な意味だけで広まっている言葉も少なくありません。
本来の「革新」の意味には”技術”だけではなく、”慣習”や”思想”、あらゆる事柄が含まれています。「よいもの」や「悪いもの」、「全体」や「一部分」の事柄を限定して「革新」を使うのであれば、「変革」や「刷新」、「一新」のような類義語を適切に使い分けてください。
正しく「革新」の意味を理解して、ビジネスシーンでも注目される「革新的」な人物を目指しましょう!