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マルチの意味とは?「マルチな人」「マルチに活躍」って何?例文で使い方を徹底解説!

マルチは「たくさんの」という意味!

新人

先輩って、前はデザインの仕事してたんですって?すごい営業力なので、ずっと営業の仕事してきたんだと思ってましたよ~。
チラシのデザイン、Webデザイン、いろいろやってきたけど、なんか楽しくなかったのよね。あ、こう見えて会計士の資格も持ってるのよ。経理、総務の仕事もしたことあるわよ。

先輩

新人

いいですね、マルチな才能がある人って。ボクなんてなんにもできないから営業職以外きっと無理だと思います…
『マルチ』が、たくさんある様子を表す言葉であるとイメージできる方は多いかもしれません。しかし、マルチは分野によって指す意味が異なるため、会話をしていても話がかみ合わないことがあります。

どんな分野の会話でも対応できるよう、『マルチ』の意味について勉強していきましょう

マルチの意味をチェック

マルチは日常的にもよく使われるカタカナ語で、多くの場合は『たくさんの』の意味を表します。しかし、本当にその意味は正しいのでしょうか。英語でも同じ意味で通じるのでしょうか。まずは言葉の意味について明確にしておきましょう。

マルチの英語は「multi」

マルチを英語で表すと『multi』です。英語の『multi』は次のような意味をもつ単語です。

■多くの
■複数の
■種々の
■さまざまの など

英語でも、何かがたくさんあるときに使えるのですね。また、英語の熟語では次のように使われます。

■multi-arm robot(多腕ロボット)
■multi-authored(共著の)
■multi-casualty incident(多数傷病者事故)

multi bank(他銀行の)
multi cellular(多細胞の)
multi color(多色の)
multi country(多国間の)

このように、単語の前に『multi』がつくことで、複数ある様子、たくさんある様子を表すことができます。

いろんな熟語や単語があるけど、確かに『多くの』という意味が当てはまるね。あと、マルチには『植物の根覆いをする』ことを指す『mulch』もあるので、スペルの間違いには気をつけましょう!

日本語のマルチも「多くの」「複数の」

日本語の中では、主に「マルチな〇〇」「マルチ~」の形で登場しますが、基本的には英語と同じ『多くの』『複数の』を指しています。また、同じような意味合いをもつ、次の言葉にも置き換えが可能です。

■多岐にわたる
■多彩な
■バラエティに富んだ
■多面的な など

組み合わせる単語にもよりますが、このように別の言い方を選ぶことも可能です。

[ビジネス版]マルチの使い方・例文

マルチを使った表現は非常に多く存在するので、全部を例をしてあげるのは難しいです。しかし、ここで紹介している使い方をマスターしておけば、きっとどんな会話でも対応できるはずです。「ほかにこんな言葉も当てはまるな」と想像しながら読んでみてください。

マルチな才能

例文1
マルチな才能をもっている彼女なら、どんな職場に行っても即戦力だろうね。
例文2
マルチな才能をもっている彼でもできないことってあるんだね。
『マルチな才能』は、『色々な才能がある』『いろんなことができる』といった意味合いで使われます。あなたの職場にもマルチな才能がある人がいませんか?

マルチ人間

例文3

上司

英語も中国語も話せるし、文才もある。パソコンにもくわしいし、ほんとうにキミってマルチ人間だね。
例文4
マルチ人間になれるよう、これからいろんなことを勉強していこうと思う!
『マルチ人間』とは、『なんでもこなせる人』のことを指します。言い換えれば、『マルチな才能を持ち合わせた人』になります。

マルチに活躍

例文5
あの子、歌手でデビューしたけど、マルチに活躍するようになってから、テレビでよく見るようになったよね。
例文6
クイズ番組やグルメ番組でもよく見るけど、あの人って本当は医者なんだよね?マルチに活躍してるとわからなくなるね。
『マルチに活躍』は、『いろんな場所で活躍している』『本職意外でも多彩に活躍している』という意味で使われます

マルチタスク

マルチタスクとは、色々な作業を同時に行ったり、平行したりすることをいい、会話では次のように使います。

例文7

先輩

一つの仕事を効率よくこなせないのに、マルチタスクで作業しようとしたのが無謀なのよ!
例文8

新人

マルチタスクで仕事してもミスをまったくしないって、やっぱり先輩ってすごいですね~。

マルチタスクをこなせるようになると、ビジネスパーソンとしてのスキルが高まるかもしれませんね。

マルチメディア

一般的に、マルチメディアとは、文字・静止画・動画などの機能を総合的に使う媒体を指します。

例文9
通話だけでなく、インターネット、カメラ、メールなどの機能が一つになったスマートフォンは、電話のマルチメディア化といえるだろう。
例文10
一昔前はカメラがついている電話もマルチメディア商品として発売されていたが、テレビ電話ができるアプリが使えるスマホが普及したことで、あまり見かけなくなった。

マルチメディアは、私たちの暮らしに身近な存在となりました。この言葉も覚えておきましょう。

分野別!マルチが使われる領域は幅広い

カタカナ語のマルチには、いろいろな意味がありますが、基本的には『たくさんの』ということを表します。分野別に見ると幅広く使われているので、豆知識として覚えておきましょう。

マルチの意味①:ゲーム

ゲームの世界のマルチは『3人以上でプレイする』ことを指します。人生ゲームなどのボードゲームのほか、オンラインゲームで複数人が協力しあうものが増えています。こういったゲームを『マルチプレイヤーズゲーム』といいます。

マルチの意味②:競馬

1~3着の馬を予想して馬券を買う方法のことを『マルチ投票』といい、一般的には『マルチ』と略語が使われます。マルチ欄をマークすれば、着順を入れ替えた組み合わせも購入することができます。

マルチの意味③:野球

野球の世界で、1試合の中で2本以上のヒットを打つことをマルチヒットといいます。『マルチ』と略語で呼ばれることもあります。ちなみに、3本以上のヒットを『猛打賞』といいます。

マルチの意味④:農業

農業においてのマルチは正式名称で『マルチシート』といい、畑の『うね*』を覆うシートを指します。『畑からの水分蒸発防止』『保湿効果』『病気の予防』『肥料流出防止』『雑草防止』といった複数の効果があるとされています。
(うね*:畑で一定間隔をあけて直線状に土をもりあげた部分のこと。)

どの分野でも『複数の』『多くの』の意味で使われているみたいね!

ネガティブな意味で使われるマルチといえば?

『マルチ』が名前についていると、「便利」「すごい!」という印象を受けがちですが、実はネガティブな言葉も存在します。知識の幅を広げるためにも一緒に覚えておきましょう。

マルチ商法・マルチまがい商法

マルチ商法は、ピラミッド型の組織がで形成される販売手法。多くの場合、販売員は売り上げに応じた報酬を得られる仕組みとなっています

・販売員のAさんが2人(BさんとCさん)に販売

・BさんとCさんが販売員になり、それぞれ3人に販売

・Aさんは、BさんとCさんの売り上げに対する報酬も獲得

つまり、ピラミッドのトップにいる人は、下にいる人数が多ければ多いほど報酬額も大きくなるというわけです。

実際に商品の受け渡しもするマルチ商法については、法律も定められています。その法律をかいくぐりながら、マルチ商法と同等の販売方法をとっているものを『マルチまがい商法』と呼んでいました。しかし、規制が拡大されたことにより、2019年現在では『マルチ商法』も『マルチまがい商法』も同じ扱いとなっています[efn_note]参考:平成28年特定商取引法の改正について|消費者庁[/efn_note]。

なぜ「マルチ」というネーミングに?

現在公式に『マルチ』と呼ばれている商法は、『マルチレベルマーケティング(MLM)』で、基本的には前述したマルチ商法と販売方法との相違はありません。MLMは、販売員がピラミッド型に構成されており、下の階層に限りはありません。『複数の階層からなる販売組織』なので、『マルチ』という言葉が使われています。

マルチというカタカナ語は知っておきたい言葉!

マルチは、広い意味では『複数の』を指すカタカナ語ではありますが、さまざまな分野で少しずつニュアンスを変えて使われています。どんな意味があるのかをきちんと理解し、シーンごとで正しく使えるようにしておきましょう。