シフトとは「変える」や「入れ替える」ってこと!
先輩
新人
先輩
シフトは、必ずしも交代制勤務の『シフト制』を指すのではありません。もともと、『変える』や『入れ替える』といった意味合いのカタカナ語です。
それではなぜアルバイトなどの交代勤務を『シフト』と呼ぶようになったのでしょうか?今回は、言葉の意味や使い方を解説します。
シフトの意味をチェック
アルバイトのシフトや使い方の解説の前に、まずは言葉の意味を正しく知る必要があります。英語の意味も含めてチェックしておきましょう。
シフトの英語は「shift」
シフトは英語で『shift』と書きます。英語の『shift』は次のような意味をもった単語で、主に位置や体制に対して使われます。
■変える
■入れ替える
■切り替える
■交換する
■移す など
そして、熟語としては次のような形式で使われます。
■shift ~ from A to B(~をAからBに移す)
■shift a conversation(会話の内容を変える)
■shift assets(資産を動かす)
■shift downward(下に移動する) など
何かを変えたり、切り替えたり、移したりするときに使われていますね。
ちなみに、『シフトを組む』を簡単な英語で表現すると『schedule shifts』となります。このように、日本語でよく登場する仕事上の『シフト』に近い意味で使うこともあります。
シフトの意味を分野別に整理
いくつかの意味をもつ『シフト』は、分野によってその意味合いが異なります。ここでは日本語のシフトについて確認しておきましょう。
①:アルバイトの「シフト」
アルバイトやパートでいう『シフト制』とは、週や月ごとに勤務する時間や曜日を決める制度のことです。曜日や時間ごとに従業員を入れ替える勤務体制ということで、『シフト』と呼ばれるようになったとされています。
そのため、シフト勤務の仕事をする場合は、出勤日や時間を間違えないように、自分で確実に管理する必要があります。職種によっては引き継ぎ作業が発生するため、それを考慮して仕事にあたりましょう。
②:何かに移行するときの「シフト」
『自社工場生産から外注に生産をシフトする』といったように、体制ややり方を移行するときや、位置を移動させる場合に『シフトする』という表現が使われます。
[仕事・アルバイト編]シフトの使い方・例文
シフトの意味はもう理解できましたよね?実際の会話ではどのように使われるのか、例文をいくつか紹介しておきます。アルバイトや仕事でもよく使う表現ばかりなので、ぜひ使いこなせるようになりましょう。
シフトを組む
先輩
シフトを提出する
シフト希望
特に、パートやアルバイトで働く場合、勤務できる日、できない日があるでしょう。たとえば、募集をしている側が夜の人員を補充したいとき、採用する人が夜の時間帯に働けないと意味がありませんよね?
こんな事態をさけるため、面接時にあらかじめ働ける曜日や時間を伝えることを『シフト希望』といいます。このシフト希望は、面接官から聞く場合もありますが、聞かれないこともあるので、希望があれば申し出るほうがいいでしょう。
また、「来月のシフト希望を提出しておいてね」といった具合で、勤務がスタートしたあとでも『シフト希望』という言葉を使う機会はあります。
シフトする
上司
シフトの類語!3つのカタカナ語も覚えておこう
カタカナ用語の中にはシフトと意味が似た言葉があり、使う際に迷うことがあるかもしれません。そこで、シフトの類語をいくつか紹介しておきます。
チェンジ
「メンバーをチェンジする」など、『チェンジ』は日常会話でもよく使う言葉ですよね。このチェンジには『交換すること』や『変更すること』という意味があり、前の状態からガラッと変えてしまう状況のときに使われます。
シフトは、どちらかというと位置をずらすように変化する様子を表します。どのような変化なのかによって使い分けが必要です。
スイッチ(スウィッチ)
スイッチには『電気のスイッチ』『電車のポイント』などの意味もありますが、シフトの類語としては、『考えや方法などを切り替える』という意味があります。ガラッと変えるという意味ではシフトとは少し異なります。
また、ガラッと変えるという意味ではチェンジの類語のようですね。ただ、電気のスイッチの『ON』や『OFF』のように選択肢が2つに限られているような場合にはスイッチを使います。
コンバート
コンバートには、『転換する』や『変える』という意味があり、『AをBに変換する』といったニュアンスで使われます。
■外野から内野に変わる。⇒内野へのコンバート。
■ピッチャーから野手に変わる。⇒野手へのコンバート。
■Excelデータをメモ調に開けるように変換する。⇒メモ調へのコンバート。
『変換』という言葉が当てはまるか考えるとわかりやすいですね。シフトの場合は、位置を変更するようなイメージになるので、少しだけニュアンスが違います。
シフトが含まれる関連用語
世の中には『シフト〇〇』などの関連用語がいくつかあります。いくつかピックアップしてみたので、どういったところが『シフト』なのか、確認しながら読んでみてください。
三菱鉛筆株式会社の「シフトシャープペン」
通常のシャープペンシルよりもペン先が長いため、手元での視認性が高く、文字が書きやすくなっているのが特徴の「シフトシャープペン」。しかし、携帯するのに長いのは邪魔ですよね?そこで、軸とひねって長いペン先を収納し、勝手に芯が出ることを防ぐロック機能を備えさせました。
ロック時とロック解除時では見た目でもわかるようになっており、見た目も機能もシフトするというところから『シフト(SHIFT)』と名付けられました。
参考
MITSUBISHI PENCILSHIFT
自動車の「シフトチェンジ」
車を運転している人ならわかりますよね。オートマ車なら、『D(ドライブ)』『R(バック)』『P(パーキング)』などに切り替えるレバーを、マニュアル車であればギアチェンジをするレバーをシフトレバーといいます。そして、このレバーでモードを切り替えることを『シフトチェンジ』といいます。
また、手で持つ部分を『シフトノブ』といい、車の内装をオシャレに飾る人は、シフトノブも取り換える人がいます。
認識や価値観が大きく変わる「パラダイムシフト」
『パラダイム』には、みんなが当たり前・常識と考えている事柄という意味があります。それが『シフト』するということで、『その当たり前・常識が大きく変わる』、つまり『認識や価値観が』変わるという意味のカタカナ語となります。
同じような意味をもつ言葉に『パラダイムチェンジ』があります。くわしくはこちらの記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。
パラダイムとは?言葉の意味や英語、使い方、パラダイムシフトについてもわかりやすく解説
会社員もバイトスタッフも知っておきたい「シフト」
『変える』や『入れ替える』の意味をもつ『シフト』ですが、分野や使うシーンで少しずつ意味が違います。アルバイトやパートの勤務体制について使うこともあれば、単純に『入れ替える』という意味で使うこともあります。シフトの関連語も含め正しく理解し、上手に会話に取り入れてくださいね。