オンブズマン制度とは|意味をわかりやすく!語源(スウェーデン)から日本での事例まで徹底解説

オンブズマンとは行政の悪事を暴く庶民の味方!

多くの庶民の代わりに、国や行政を監視し、不正行為と思われることを発見した場合に苦情の申し立てをしてくれる人を『オンブズマン』といいます。しかし、どんな活動をしているのか、どんな人がなれるのかなど、わからないことが多いですよね?そこで今回は、オンブズマンの意味、語源をはじめ、どんなことをしているかなどをわかりやすく解説していきます。

オンブズマンの意味を語源からわかりやすく解説

オンブズマンは、スウェーデンで1809年に、議会が行政府を監視する手段として設けられたとされており、ombudsmanと表記します。スウェーデン語では『代理人』という意味をもっています。

この職務を行う機関は、行政機関に対して調査をする権利を持っており、公平・公正の観点から審査を行い現行制度の改善を勧告するという機能ももちあわせています。

また、公的なオンブズマン制度は世界各国で導入されていますが、オンブズマンとして活動できる人の基準や規定は世界共通ではなく、各国独自で定められています。

日本でのオンブズマン制度事情

総務省行政評価局が国際オンブズマン協会の正会員となっている為、日本でオンブズマンの役割と担っているのは行政相談委員、行政苦情救済推進会議、総務省とされています。

しかし、基本的には地方自治体ごとに私的に市民オンブズマンを発足しており、市民の立場から行政や企業などを監視するという形をとっているようです。

2018年で25周年!全国市民オンブズマン連絡会議

『全国市民オンブズマン連絡会議』は、市民オンブズマンの情報交換や経験交流、共同研究などを行う組織として1994年に結成、2018年で25周年を迎えます。

現在は全国にある71の市民オンブズマン団体から成り立っており、各オンブズマン団体からの会費、勝訴した住民訴訟の弁護費用の一部の寄付と市民の皆さんからのカンパのみで運営経費を賄っています。(ただし、全国大会の運営補助金は受けているようです。)

全国市民オンブズマン連絡会議公式サイトはこちら。
https://www.ombudsman.jp/office

オンブズマンになるには?

オンブズマンになるのに条件や資格はありません。その為、団体には所属せず一人でオンブズマンを名乗っている人もいないとはいえません。しかし、情報の入手や活動のしやすさから、どこかの市民オンブズマン団体に入会するのが一般的です。

また、全国市民オンブズマン連絡会議に加盟するには、基本的にはどこかのオンブズマン団体に所属して活動することになりますが、その為には近隣の加盟団体の推薦と拡大幹事会での入会承認が必要となります。

オンブズマンにならなくても参加はできる

■寄付をする…政府や企業からの資金援助は受けていない為、寄付金(カンパ)が運営費になります
■講師派遣…学習会やセミナーなどに市民オンブズマンの代表幹事や事務局員などを講師をして派遣してもらい講習を受けるという形で参加することができます。
■ボランティアに参加する…全国市民オンブズマン連絡会議や各自治体が募集しているボランティアに参加するという形でオンブズマンに参加することができます。
■インターンになる(学生限定)…学生はインターン(職業体験)という形でオンブズマンに参加することができます。
■情報提供(匿名可)…オンブズマン団体に情報を提供するという形で参加することができます。

日本でのオンブズマン活動事例

各地にオンブズマン団体が存在しており、さまざまな活動を行っています。ここではその中から一部ではありますが紹介しておきます。

市民オンブズマン群馬

1996年8月31日に結成総会が開かれた市民オンブズマン団体で、群馬県内の方であればどなたでも参加できるようになっています。毎月第3土曜日に定例会が開催されており、2018年9月時点では以下のような事案に取り組んでいます。

■国立高等専門学校のアカデミックハラスメント
■放射能汚染材バイオマス発電 など

公式サイトはこちら
http://www.ne.jp/asahi/ombudsman/gunma/

札幌市オンブズマン

透明性の高い行政運営を行うとともに、市民と行政が一体になったまちづくりを進めていくという目的をもって、平成12年12月12日に札幌市オンブズマン条例が制定され、平成13年3月1日に設置されました。

事務所は『札幌市オンブズマン室』として札幌市役所の中にあり、公式サイトも札幌市のホームページの中にあります

http://www.city.sapporo.jp/ombudsman/katudoujokyo.html

名古屋市民オンブズマン

1995年から活動を開始し、『名古屋市オンブズマンタイアップグループ』という名称で市民オンブズマン団体として動いています。議論を充実させる為に例会は月2回で、これまにに以下のような成果をあげています。

■名古屋市焼却炉談合住民監査請求
■名古屋市の上下水道談合住民訴訟で和解成立

http://www.ombnagoya.gr.jp/

川崎市市民オンブズマン

日本において初めての公的オンブズマンとして、1990年7月に川崎市が設置した機関です。『川崎市市民オンブズマン条例』も制定し、公正・中立な立場で川崎市政に関する苦情を調査しています。
http://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/59-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html

市民オンブズマン兵庫

1993年頃に、全国自治体における『官官接待』などの高額な無駄遣いを撲滅させようとする活動からはじまり、これまで様々な活動を行ってきました。月1度は定例会を開催し、書籍も出版されています。

http://ombudshyogo.org/

オンブズマンはオンブズパーソンとも

英語で『マン』は男性を指す言葉で、日本においても同じような考え方がある為、両性に使える言葉として『オンブズパーソン』という名称で活動している団体もあります。

しかし、語源となっているスウェーデン語でのオンブズマンは男性のみをさしているわけではないことから、『オンブズマン』はそのまま使用しても男女の区別をしていることにはならないという考え方もあるようです。

国際オンブズマン協会も

1978年に、オンブズマンの概念・普及・発展を目的として設立された国際的な団体です。
本部はオーストリアウィーン市で、2017年時点で約100の国・地域から、約200の公的オンブズマン・オンブズマン類似機関が加盟しています。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/soudan_n/ioi.html

行政に疑問をもっているならオンブズマンに参加してみませんか?

政治ニュース、市議会の活動状況を見て、数ある不正に腹立たしく思っている人は少なくないでしょう。また、何かしたくても方法がわからないと常々思っている人もいるでしょう。

市民オンブズマンであれば、団体によって条件は異なるでしょうが、特別な資格は必要ありません。すぐにオンブズマンになる決心がつかない場合は、意見を出したり寄付金を納めたりするところから参加を始めることもできますので、興味のある人は是非一歩を踏み出してみてください。