「悔恨」は「後悔し残念に思う」ってこと!
上司
新人
上司
「悔恨」とは「後悔し残念に思う」という意味の言葉です。日常会話で使われることはほとんどないですが、テレビのニュースや本・新聞などで見聞きすることがあります。ビジネスシーンでも文書やメールに使われる場合があるので、読み方や意味をおさえておくと細かいニュアンスを理解できます。
また、「悔恨」には似た意味の言葉が多いため、混同しないように整理し、正しく使い分けられるようにしておきましょう!
・残念
・無念
「悔恨」の読み方・意味
「悔恨」の読み方は「かいこん」です。
「悔やむ(くやむ)・後悔する」という意味を持つ「悔」と、「恨む(うらむ)」「残念に思う気持ち」という意味の「恨」を組み合わせた言葉です。
「悔恨」とは「過去のあやまちを悔やみ、残念に思う気持ち」を表す言葉となります。「残念」や「後悔」の類語と比べると、より残念に思う気持ちの度合いが大きい表現です。
「悔恨」の使い方・例文
上述の通り、「悔恨」は堅い表現のため、話し言葉として使われることはほとんどありません。ビジネス文書やメールなど、改まった場面で「後悔し残念に思う」という気持ちを表現する際に使われることが多いです。
「悔恨」は強い後悔の気持ちを表す言葉なので、「ちょっと失敗したな」という程度の内容に使ってしまうと、大げさに聞こえます。
ここからはビジネスシーンにおける「悔恨」の適切な使い方や例文をご紹介していきます。言い回しやシチュエーションなどもあわせてチェックしてみてくださいね。
「悔恨の念」を使った例文
ニュースなどで多く使われる悔恨の言い回しには、「悔恨の念」「悔恨の情」「悔恨の思い」などが挙げられます。
「念」には「心の中を従来している思い」という意味があります。よって、「悔恨の念」とは「過ちを後悔する気持ちがずっと心から離れない」という意味合いになります。
「悔恨の念に駆られる」
「悔恨の念にさいなまれる」
「悔恨の念に堪えない」
「悔恨の念に打ちひしがれる」
「悔恨の念で胸がいっぱい」
後悔の気持ちがより強調される表現なので、謝罪文などに用いると誠実な印象を与えることができます。もちろん使う機会がないことが一番ですが、語彙力を増やすという意味で覚えておくとよいでしょう。
「悔恨の情」を使った例文
「悔恨の情」は「かいこんのじょう」と読みます。「情」は「人の心」や「心の動き」を表す言葉です。つまり「悔恨の情」は「後悔し残念に思う気持ち」という意味合いになります。
「悔恨の念」が継続的な後悔の気持ちを表すのに対し、「悔恨の情」は今まさに後悔の気持ちがこみ上げているというニュアンスがあります。
「学生時代にもっと一生懸命勉強していればと、悔恨の情がこみ上げてくる」
「悔恨の思い」を使った例文
「悔恨の思い」の「思い」は、「感情」「思考」「意思」などを意味しています。よって「悔恨の情」と同様に「後悔し残念に思う気持ち」という意味となります。
「悔恨の念」や「悔恨の情」では堅苦しすぎるような場合は、「悔恨の思い」と表現すると柔らかいニュアンスに聞こえます。
「事件を防ぐことができず悔恨の思いで胸が苦しい」
新人
その他の「悔恨」を使った例文
「決勝戦での連続失点を悔恨」
「悔恨の涙」は「悔し涙」と同じ意味の言葉です。小説やスポーツニュースなどでもよく使われる表現です。
新聞やネットのスポーツニュースの見出しなどでは「~を悔恨」「悔恨のミス」「悔恨の◯位」のような表現も使われます。
「悔恨」の類語・言い換え表現
「悔恨」の類語としては、「後悔」「残念」「無念」などがあります。意味がそれぞれ違うため、混同しないように覚えておきましょう。
「悔恨」と「残念」「無念」の違い
「残念」や「無念」は普段から使っている方も多いのではないでしょうか。
「残念」は、「悔しく思うこと」「期待や希望のようにならず心残りなこと」「あきらめられないこと」などの意味です。「悔しい」という思いよりも、「悲しい」というニュアンスが強くなります。「無念」は「悔しくてたまらないこと」という意味で、「残念」よりも重い悔しさを表しています。
同じ意味の言葉を重ね、より悔しさを強調した「残念無念」という四字熟語もあります。
「お役に立てずとても残念です」
「人気のラーメン店に行ったのに、残念ながら定休日だった」
「今回は非常に無念な結果に終わった」
「被害者遺族の無念を考えると、胸が痛い」
「残念」と「無念」は、「悔恨」と比べると後悔の思いが弱い表現です。状況に応じて大げさになりすぎないよう、適切に使い分けるようにしましょう。
上司
「悔恨」と「後悔」の違い
「後悔」は「自分のしてしまったことに対して後から悔やむ」という意味の言葉です。「悔恨」と同じ意味に聞こえますが、若干ニュアンスが違います。
「人生の後半で後悔したくなければ、貯金はしっかりしておくべきだ」
「後悔」は「あのときこうすればよかった」「あのときこんなことをしなければよかった」というように、自分の行いを悔やんだり残念に思ったりすることを表しています。
一方、「悔恨」は「自身のしてしまった過ち」を深く反省し後悔していることを表します。そのため、「悔恨」の方が「後悔」よりも過去の事柄を悔やむ気持ちが強いといえます。
ただし「悔恨」は書き言葉で使われることがほとんどなので、日常会話で使う場合は「後悔」を用いた方が相手にもわかりやすいでしょう。
「悔恨」の英語表現
「悔恨」はビジネスシーンにおいても使われる言葉です。意味を英語で伝えなければならない場面が出てくる可能性もあるため、事前に会話やメールでの使い方を確認しておくと安心です。
regret
と表現できます。
「悔恨」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒親孝行できなかったことに対して悔恨の念がある。
・It is driven by regrets.
⇒悔恨の念に駆られる。
・I am sorry for my regrets.
⇒悔恨の念にさいなまれる。
・I am overwhelmed by regrets.
⇒悔恨の念に打ちひしがれる。
・My heart is full of regrets.
⇒悔恨の念で胸がいっぱい。
「悔恨」はできれば使わずにいたい言葉!
「悔恨」は自分の過ちを「後悔し残念に思う」という意味の言葉です。ビジネスシーンで「悔恨」が使われる機会は決して多くはありませんが、常識として読み方や意味を覚えておきましょう。
この記事を読み終えた後で「悔恨」をビジネス文書やニュースなどで見かけた場合は、今までより深く意味を理解できるのではないでしょうか。
ただし「悔恨」は非常にネガティブで重い言葉なので、できれば使う機会なく過ごしたいものですね。そのためにも、日々自分の行動を省みて過ごすように心がけましょう!