ロイヤルティーとは「忠誠」のこと!
上司
新人
上司
この会話からも推測できるようにロイヤルティーは『忠誠心』の意味合いで使われています。しかし、「あれ?ロイヤルティーって紅茶でしょ?ロイヤリティーが正しいんじゃないの?」と思った人もいるはず。
疑問をもつのも当然。『忠誠心』の意味をもつロイヤルティーは、『ロイヤリティー』と紹介されていることもあり、英語ではちょっとしたスペルが違うだけで、別の意味でも使われる紛らわしい言葉なんです。
これから記事を読み進めると、きっとこの疑問もスッキリ解消できるはず。わかりやすく解説しているので、使い方も一緒にしっかり学んでいってください。
ロイヤルティーの意味をチェック
正しくロイヤルティーを使うためには意味をきちんと覚えておかなくてはいけません。まずは、ビジネスシーンでどのような意味合いで使われるかを確認しておくとともに、英語との違いもチェックしてみましょう。
英語のロイヤルティー
ビジネス用語で『忠誠』の意味合いで使われるロイヤルティーのスペルは『loyalty』で、忠誠のほかにもこんな意味をもつ単語です。
■忠義
■忠誠心
■愛情 など
loyaltyを使った熟語や英文ではこのように使います。
■loyalty among family members(家族間の絆)
■I swear my loyalty to the company.(私は会社に忠誠を誓っています。)
■feel loyalty to~(~に対して忠誠心を感じる) など
『R』と『L』で意味合いが変わる!
『loyalty』をカタカナで表現するとロイヤルティーとなりますが、同じ表現をする英単語に『特許使用量』を意味する『royalty』があります。一般的にはこれら二つの単語を区別するために、『loyalty』をロイヤルティー、『royalty』をロイヤリティーとカタカナでの表現を区別しています。
ロイヤルティーとロイヤリティーの意味の違いについては後述しますので、ぜひもう少し読み進めてください。
ビジネス用語のロイヤルティー
一般的なビジネスシーンにおいてのロイヤルティーは、『忠誠』『忠義』『義理』といった、英語の意味とほぼ同じ意味合いで使われています。身近な言葉で説明すると、自社の商品への愛着、自社への愛社精神や忠誠心をもった感情ですね。
たとえば、「うちの会社はこんなにすばらしい!」「うちの会社の商品はほかの会社の同等製品と比較してもこんなに優れている!」と自信をもっていえる社員、長く会社のために貢献してくれている社員は、まさに高いロイヤルティーをもっているといえるわけです。
そのほか、継続して商品を購入してくれる顧客も、その商品に愛着をもっていると解釈できます。こうした顧客も高いロイヤルティーをもってくれていることになります。
まだある!文脈に応じたロイヤルティーの使い方
一般ビジネスの世界では『忠誠』や『愛着』の意味で使われる『ロイヤルティー』ですが、ほかの分野においても同じような意味をもった言葉とされているのでしょうか?ここではよく目にする2つの使い方をピックアップしてみました。
①:フランチャイズ契約のロイヤルティー
フランチャイズとは、フランチャイザーと呼ばれる本部に加盟する個人や法人が、本部から店舗の看板、サービス、商品を取り扱う権利をもらってビジネスを行うことをいいます。いちばん身近な例はコンビニエンスストアですね。ほかには居酒屋などの飲食店が思い浮かぶのではないでしょうか。
そして、店舗運営を任されている個人や法人は、売り上げの数パーセントを本部に還元*しなければなりません。この仕組みを『ロイヤルティー』といいます。一般的には消費税程度のロイヤルティーが多いといわれていますが、分野によっては10%以上になる場合もあります。
(還元*:根源になるものに戻すこと)
②:紅茶のロイヤルティー
紅茶によく『ロイヤルミルクティー』ってありますよね?なんとなく上品でおいしそうなイメージをもたせる『ロイヤル』は、実は『英国風』『英国王朝風』といった意味合いをもつ和製英語なんです。そして、紅茶の本場であるイギリスにロイヤルミルクティーは存在しません。
このロイヤルミルクティーは、リプトン紅茶でおなじみの株式会社フクナガが、1965年に考え出したもの。お湯で出した紅茶にミルクを加える一般的なミルクティーとは異なり、茶葉を牛乳で煮だしているのが特徴です。
[ビジネス版]ロイヤルティーの使い方・例文
さまざまなロイヤルティーがあるということはわかりましたよね?それでは、実際の会話ではどのように使うのかを見てみましょう。
ロイヤルティーとロイヤリティーの違いって?
ロイヤルティーの意味はわかってきても、ずっと気になっているのは『ロイヤリティー』との違いですよね?それではここで違いを明確にしましょう。
ロイヤリティーは英語では『Royalty』と書き、『王位』『王権』『王家の人』などの意味合いがある単語です。王は特別な権利をもつ存在であることから派生し、特許使用料などを指す言葉となりました。
一般的には『ロイヤルティー=忠誠』『ロイヤリティー=特許使用料』と区別されますが、忠誠のロイヤルティーも『ロイヤリティー』と表現することもあります。そのため、会話の内容でどちらの意味かを判断する必要がある、ということを覚えておいてください。
ロイヤルティーと一緒に覚えたい関連用語
ロイヤルティーは、単体で登場することもありますが、〇〇ロイヤルティーなど、関連語として使われることもあります。いくつかピックアップしてみましたので、これを機に一緒に覚えておきましょう。
顧客ロイヤルティー
顧客ロイヤルティーとは、ある商品を使ったり、サービスを利用したりした顧客が、それらの商品やサービスに対して抱く『愛着』や『信頼』のことをいいます。
使った商品や利用したサービスに満足した顧客は「また次も使いたい!」とリピーターになってくれるものです。そうすると、企業側は必然的に利益が増えますよね?顧客ロイヤルティーは売り上げアップのためにも重要な要素といえるわけです。
ブランドロイヤルティー
世の中には多くのブランドが存在し、似たような商品を取り扱っていることも多いです。しかし、その中からある特定のブランドに限定して購入し続ける人がいますよね?このような行為を『ブランドロイヤルティー』といいます。
このブランドロイヤルティーも、前の項目で解説した顧客ロイヤルティーの一つであるといえます。
ストアロイヤルティー
あなたにも「このお店で売っているものなら大丈夫!」という店舗がありませんか?このように、ある特定の店舗に対して『愛着』や『信頼』を抱くことをストアロイヤルティーといいます。
その店舗が直営店であれば、『ストアロイヤルティー=ブランドロイヤルティー』になりますが、いろいろなブランドを集めて販売している店舗ならストアとブランドはイコールにはなりませんよね?
さまざまなブランドの商品を販売している店舗に対して、「この店が取り扱っている商品なら大丈夫」と顧客に思わせることがストアロイヤルティーになるわけです。
ロイヤルファミリー
ロイヤルファイミリーはニュースでもよく耳にしますよね?これは、王室を指す言葉で、国王の家族だけでなく、一族もロイヤルファミリーとされています。日本では国王制度はありませんが、皇族がロイヤルファミリーにあたります。
[おまけ]ロイヤルティーヌというお菓子がある!
ロイヤルティーヌとは、薄いクッキーの生地をくだいて作られたお菓子で、サブレフレークとも呼ばれています。
チョコとコーンフレークを混ぜてチョコクランチを作ることができますが、高級感のある味になるので、コーンフレークの代わりにロイヤルティーヌを使う人もいるようです。
ロイヤルティーは意外と混同しやすいビジネス用語
今まで『ロイヤルティー』と『ロイヤリティー』の違いに疑問をもっていた人も、これを読むことできっとスッキリしたはず。これからはカッコよく、そして正しくロイヤルティーを会話に取り込んでみてください。