去年はビジネスでは使っちゃダメ!
去年(きょねん)は「一つ前の年」を表す言葉で日常的に使われます。友達や家族など親しい間柄であれば話し言葉にも書き言葉にも使われますよね。また人気サスペンス小説を映画化した「去年の冬、きみと別れ」や往年の名作映画「去年マリエンバードで」、リリスター星人やリーグ星人が登場するSF小説「去年を待ちながら」など作品名にもよく使われています。
去年は一般的に使う言葉ですが、ビジネスシーンでは基本的に使っちゃダメ!ビジネスシーンでは似た意味の言葉「昨年(さくねん)」を使うのがベターです。去年の詳しい意味、昨年や前年といった似た言葉との違い、英語表現など詳しく解説していきます。
去年の意味
去年という言葉は古くは「こぞ」と読み、現在でも俳句に使う季語はこのように読まれます。古くから使われる去年という言葉ですが、「去る」という字が使われているように「去っていった年」という意味で前の年を表しています。
ビジネスシーンでも会話の中ならOKの場合も
ビジネスシーンでは去年ではなく昨年を使うべきと述べましたが、フランクな会話の中や近い間柄であれば去年を使ってもいいでしょう。堅苦しさを出さないためにあえて昨年ではなく去年を使うというのもあり。
去年も私が担当したんですよ
昨年も、とするところですが、去年も、とすることでフランクな印象になります。
おめでたいシーンでの去年の使用は控えよう
去年という言葉は日常で使うのであれば問題ありませんが、年賀状や祝辞など縁起を気にしなければいけない場面では使ってはいけません。「去る」を連想させるとして忌み言葉とされています。後述する昨年や旧年を使用しましょう。
昨年とは
昨年という言葉は明治以降に作られたもの。去年よりも改まった言葉として使用されます。ビジネスシーンでは基本的に昨年を使うのがいいでしょう。文章中での使用はもちろん、挨拶やプレゼンなど様々な場面で使用可能。昨年度、昨年度末といったように使用することもあります。逆にプライベートで昨年を使ってしまうと堅苦しく聞こえてしまうかもしれません。
昨年度に比べて売り上げは上がっています
去年を使っても間違いではありませんが、昨年を使った方がビジネスマナーとしてはいいでしょう。「去年に比べて売り上げは上がっています」よりもフォーマルに聞こえるのではないでしょうか。また昨年度、昨年度末、昨年来といったようにビジネスでよく使うワードと組み合わせることもできるので便利です。
昨年行ったディズニーランド楽しかったね
友達同士の会話で昨年を使うのは違和感がありますよね。「去年行ったディズニーランド楽しかったね」でいいでしょう。
旧年、前年という言い方も
去年、昨年と同じような意味の言葉に旧年、前年というものも。これらの違いや使い方も簡単に解説していきます。
旧年
旧年(きゅうねん)は主に年賀状や新年の挨拶に使われる言葉なので日常的に使うものではありません。去年や昨年よりも新年にふさわしい言葉とされています。新年に詠む俳句の季語にもなっていますね。
前年
前年(ぜんねん)は便利な言葉なので覚えておきましょう。今を基準にした前の年を昨年と言いますが、過去を基準に前の年を表したい場合は前年を使用します。例えば、
西暦2000年を迎えると前年までのパソコンが使えなくなるのではと懸念された
ここで使われている前年は1999年のことを指しますね。前年を使うことで文章が分かりやすくなります。
2015年に子会社を吸収合併することは昨年の取締役会で決議されていた
前年とするところを昨年にしてしまうと時系列が分からなくなってしまいますね。ここでは2014年ことを指しているので前年とするのが正解。正しくは「2015年に子会社を吸収合併することは前年の取締役会で決議されていた」。昨年としてしまうと現在からみて前の年という意味になってしまうので注意してください。
英語で去年はなんていうの?
去年を英語で表現すると「last year」。2018年現在、2017年のことを指します。「the」を付けると表す期間が微妙に違ってくるので注意。「the last year」は直近の1年を指します。去年の今頃から現在までという意味になるので覚えておきましょう。2018年9月のthe last yearは2017年の9月頃から現在まで。
about this time last year
去年の今頃という意味。
the same things as last year
去年と同じものという意味。things(もの、ことの意味)を変えることで応用できますね。去年と同じようなものを頼みたい、使いたいという際に使用してください。
中国語で去年はなんていうの?
去年は中国語でも去年と書きます。読み方は違いますが、意味は同じ。
去年の類語
去年以外にも日時を表す単語はたくさんありますよね。去年と同じようにビジネス用に置き換えることができるものをいくつか紹介していきます。
今日→本日(ほんじつ)
明日→明日(みょうにち)
あさって→明後日(みょうごにち)
明日の朝→明朝(みょうちょう)
昨日の夜→昨夜(さくや)
去年は必要に応じて言い換えよう
去年や似た意味の言葉についてご紹介してきました。どれか一つだけを使うというのではなく、シチュエーションに応じて使い分けるのが一流のビジネスパーソン。それぞれの意味を知って使い分けていきましょう。